魔法の文字


あてもなく本屋に行き、あてもなく漫画コーナーをウロウロとしていたら、あるポップが目に止まった。【伊集院光絶賛!!】たった6文字の漢字とふくよかで優しそうではあるが、世間をニヒルに捉えた毒と抜群の推理力を持ち、ラジオという古き良きメディアで一大帝国を築いているおっさんの写真が添えられていた。
『絶対に面白い』そう確信し、ポップの横にある第1話の試し読みにてをのばした、ただその瞬間『もし仮にコレが面白くなかったら、自分の感性を疑う、もしくは自分の中の伊集院の株が下がってしまう。』そんな考え方よぎり試し読みを読むのを止めた。
"プリニウス"という漫画である。僕はその漫画が面白いと言う事を知っている、ただ読んだ事は無い。

"伊集院光絶賛"の文字には妙な説得力がある事に気付いた。そして何にでもしっくり来る。


【伊集院光絶賛ラーメン】


絶対に美味しい。流行りの二郎インスパイヤ系やドロドロの豚骨、大将がフランスで修行をし、わたあめが乗っているような奇をてらい過ぎて「ラーメンとは?」となるような物では決してなく、昔からあるナルトの乗っている味噌ラーメンにチャーハンと餃子が付いたラーメンセット(手書き)1080円が人気で通うと大将が試作品をくれたりする店(これがまた美味い)、そんな店だろう。


【伊集院光絶賛映画】


これは名作と言われている物だが、視点が主人公ではなく、脇役側にあり『なるほど、だからあの時アレしたのか!』と、新たな気づきをくれ、また別の物語にすら見えてくる、そんな映画だろう。


【伊集院光絶賛家電】


本人はリスナーに教えてもらったと言っているが、『うわ、なるほど、こりゃ便利だわ』と確実に思い、テフロン加工を施されたフライパンを知ってしまった時のように、一度それを使ってしまったらもう戻れなくなる、そんな家電だろう。


【伊集院光絶賛av】


80年代ごろ、ビデオで残された物であり内容は奇抜な設定でもなく、ハードコアな訳でもなく普通オブ普通。
ただしその女優には苦労話があり、上京したての極貧時代は〜〜、女優時代〜〜、そこでの出会いがきっかけで〜〜、今は〜〜、と長々とうんちくを語り、それを聞いてからだと抜きモノではなく、泣きモノにすら見える、そんなavだろう。

そんな何にでもしっくり来ると思われた伊集院光絶賛の6文字だが、1つ例外があった。【伊集院光絶賛落語家】


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