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投資ファンドを退職して製造業受発注プラットフォームのキャディ株式会社に移りました

こんにちは。製造業の受発注プラットフォームを展開するキャディ株式会社にて社長室長をしております芳賀と申します。本年3月末までPEファンド(PE=Private Equity、非公開株投資)のカーライル・グループに6年弱在籍しておりましたが、4月よりキャディ株式会社に移りました。

このnoteでは「これまで何をしてきたのか?」、「なぜキャディに移ったのか?」、「キャディに来て1か月で感じていること」について書きたいと思います。

これまで何をやってきたか?

まず初めに私がこれまでどんなキャリアを歩んできたかということですが、2006年に社会人歴をスタートし、気づけばあっという間に16年目に突入しております(汗)。別途Wantedlyさんのインタビューにて詳細を書いていただいたので、詳しくはそちらをご覧いただければと思いますが、まとめると:

1. 大学・院:工学部/航空宇宙工学(専門:AI×自動制御)
~メーカーさんとの共同研究や学会発表などを複数行い、研究好きでエンジニアになろうと思っていた

2. 商社:7年(営業5年、投資審査2年)
~ビジネス×海外志向で商社へ。中国・インドネシア担当として貿易実務・事業投資+投資審査を経験。白酒で車を売ることを学ぶ

3. 海外MBA留学:2年
~ハーバード(HBS)で「ガチ」のネイティブ英語環境に苦労するも、広範なビジネススキルとサバイバル力を身に着ける

4. 投資ファンド:6年
~カーライル・グループにて日本の中堅企業への新規投資・価値向上・資本業務提携&IPOを推進。日本の「良い会社」にたくさん出会う


工学系バックグラウンドながら、どっぷりと商社で自動車ビジネスにつかり、その後は「より広範な産業をカバー」+「事業側から投資側へ」と軸足を移してきました。笑い話ですが、商社時代は、よく商社と言ってイメージされるような、「最前線で酒をかわしながらお客様と信頼関係を築いてビジネスを作った」ことばかりが記憶に残っています。

一つ一つのキャリアの選択肢を追求する際には常にその時点でのロジカルな理由が存在しているのですが、一方でキャリアの全体像をクリアに想像できているわけではなく、ただ好奇心を持って、「もっと●●を学びたい」、「面白そうな世界にチャレンジしてみたい」という気持ちで意思決定してきた気がします。

同時に、根底では「どこかで理系産業/モノづくり産業に関わる仕事をしたい」ということは頭にありました。中高大学の時に数学や物理が好きでその世界に魅せられたり(高校の時に好きで大学の数学を勉強していました)、私の親族にエンジニアが多かったことが影響していると思います。実際、商社では自動車事業に携わることを最初から希望していましたし、カーライルでは製造業全般+テクノロジーセクターをカバーしていました。

何故キャディに移ったのか?

今年の3月末に至るまでの15年間、どちらかというと一貫して、比較的安定・成熟した業界における新規事業立ち上げや投資に携わってきた私がなぜこのタイミングで、スタートアップの世界、そしてキャディ株式会社に移ろうと思ったのか?改めて考えると大きく3つほどあるかなと思います。

背景①:"Make a difference in the world" - ビジネススクールでの教え
背景②:投資家目線で見た「面白い」事業 - カーライルでの学び
背景③:キャリアの節目でチャレンジしたい! - 心の叫び

~背景①:"Make a difference in the world"~

私の価値観に大きく影響を与えた一つの経験は、2013年からの2年間のビジネススクール留学です。幼少期の記憶がない数年間を除いて、初めての海外在住・留学となった2年間は今振り返ってもとてもハードでした。

ハーバード(HBS)ではケーススタディという勉強法をすべての授業にて採用し、実際のビジネスで起こった事象を20-30ページにまとめた「ケース」を予習した上で、授業では教授が「あなただったらどうするか?」「何をしたらもっと違う展開になっていたと思うか?」、といった問いを投げかけ、90名の生徒がディスカッションを繰り広げます。

そもそも英語が母国語でなく留学経験もない私は、何を言っているかを理解するだけで神経の大半を使い、ディスカッションに入ることにとても苦労しましたが、「何を言っているかわからないけど自分の考えを主張する」度胸やチャレンジ精神、不確実なものを触る耐性はこの留学経験を通じてとても鍛えられた気がします。

そして何よりも留学期間中に徹底的に教え込まれたのが、HBSのミッションでもある"(educate leaders who) make a difference in the world"です。要は「世の中に違いを生み出せるリーダー」になれということなのですが、実際HBS卒の起業家比率は非常に多く、"over 50% of our graduates create at least one new venture"(卒業生の半数超が新規事業を立ち上げ)とされています。

また私の同級生も、既に事業を立ち上げて売却してから来た人間がいたり、あるいは在学中から起業アイデアを練って事業を立ち上げたりしていました。「世の中に違いを生み出せる」仕事はたくさんあると思いますが、スタートアップは全く新しい価値を作り上げる点でインパクトが大きい且つ挑戦し甲斐があり、この留学経験が意思決定を行う上での大きな要因になったと思います。

~背景②:投資家目線で見た「面白い」事業~

私は前職のカーライルでは、投資家として、製造業・テクノロジー・ヘルスケアなど様々な業界を対象に、投資検討から投資実行、投資後の企業価値向上、次なる資本政策の構築(事業売却)に至るまで、幅広く深い経験をしました。

初期的な検討も含めて100近いプロジェクトに関与しましたが、一言で言うと、業界横断型の「投資家」として、ビジネスをどのように分析して、どう本質を捉えるべきかを徹底的に学び、実践に移した6年間だったと思います。

そしてこのような多様な案件を見た中で、魅力的なビジネスというのは結局、①TAM(Total Addressable Market=自社が接地できる市場)の大きさ・成長性、②事業の競争優位性&持続性、③マネジメントチーム、の3つが重要であると悟りました。

キャディは元々VCの友人の紹介を受けて代表の加藤と知りあったのですが、キャディのビジネスを聞いたときに感じたのは、

<キャディを知って思ったこと>
①「TAMの大きさ&成長性」→少量多品種の製造業調達市場は40兆円!!製造業は日本の伝統的な主要産業であり、DXの波でもっと変革が起きていくべき&起こせる市場
②「競争優位性&持続性」→広大だが複雑な課題解決に向けて、オペレーションとテクノロジーを組み合わせながら他社がまねできないような価値提供と競争優位性の構築を行っている
③「マネジメントチーム」→創業者の加藤・小橋ともに、とがっていてアツい。そして会ったメンバーはみんな優秀で良い人。難しい課題に取り組むに当たってこのチームなら後悔しない

ということ。何か思い切ってチャレンジするならこんなに難しいけど面白いことができる事業はそうないし、やるならここしかないなという気持ちでした。

~背景③:キャリアの節目でチャレンジしたい~

投資ファンドでの投資事業は、取り組む意義、やりがい、日々の学び、チームメンバー、そして待遇面含めてとても素晴らしい環境であり、わざわざ仕事を変えたいという強いインセンティブが何もない状況でした。一方で、振り返ると自分自身もあっという間に40歳手前になっており、更に年齢を重ねていくとチャレンジする気持ちがどんどん薄れていくだろうと思うに至り、「チャレンジをしたいと思ったら、今でしょ」ということで、キャディでの挑戦を選ぶことにしました。

また一般的に投資ファンドでの仕事は新規投資検討、バリューアップ、売却と様々なフェーズの案件を同時並行的に複数抱えるため、常に隙間がない状態に置かれるのですが、そんな中でも比較的案件が落ち着いたタイミングにたまたまあったことも、関係者への迷惑を最小限にできるという観点から、意思決定する上で一つの大きな要因であったと思います。

移って1か月を経て感じていること

そんなこんなで4月初めにキャディに移ってきたわけですが、あっという間に1か月が経とうとしております。現在は社長室長という立場で(一人室ですが笑)、資金調達・経営企画に軸足を置きつつ、ビジネスサイドでのad-hocでのプロジェクト遂行なども行っています。要は何でもやるということです。

その中で感じていることを最後に少しだけ書かせて下さい。

まず第一に、「キャディがやろうとしている挑戦は本当に大きい。その分だけチャレンジングだし、山の登りがいがある」ということです。私たちは広大で難しい製造業調達領域の課題を解決することで「兆単位のプラットフォーム」になることを目指しています。100年以上大きなイノベーションがない調達領域で変革を起こすのは容易ではなく、目の前の課題を一つずつ解きほぐしていくことで全員で一歩一歩山を登っていくような、とてもチャレンジングで面白い事業だと感じています。(※後段ご参照)

二つ目に、メンバーがみんな「製造業のポテンシャルを解放する」というビジョンに共感し、その実現に向けて文字通り一つの方向を向いて取り組んでいる、ということです。キャディでは「CADDi Culture Book」と称して、会社としての信念・哲学を約2年前からまとめていますが(※後段参照)、その中のひとつに「徹底的に「コト」にフォーカスする」というのがありますが、理想とする製造業の世界観を実現するためにチーム全員がピュアに取り組んでいて非常に働きやすいです。

そして、最後に、そんな市場・ビジネスに向かい合っているからこそ、まだまだ人が足りていません!!!現在キャディはビジネス・テック合計で社員100名超まで拡大してきていますが、大きな課題解決・目標実現を成し遂げていく過程ではまだまだアーリーな段階におります。キャディのビジョンに共感し、一緒になってチャレンジしてくださる方々を全方位で募集しておりますので、少しでもご興味を持たれた方はぜひご連絡ください!!


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