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カンボジア・スラム調査報告

本記事は8月にPolcaで寄付募集させていただき、実施したカンボジアにおけるスラム調査の結果報告になります。Polcaにてご支援いただいた方には無料公開、それ以外の方は有料の記事となりますのでご了承ください。

1) 都市共存型と郊外型

今回調査を行ったスラムは首都プノンペンのスラムです。プノンペンは中国資本の大規模投下により、急速な都市化が現在も進行中であり、多くの高層ビルが建設真っ只中でした。それらの高層ビル建設に先立ち土地の接収が行われたため、いままでプノンペンでスラムを形成していた人々は土地を追われ、新たな形での生活を余儀なくされていました。

今までは一定の規模の土地に多くの人々が密集してスラム「街」を形成していましたが、土地の接収によりそのような「街」をつくることは難しくなりました。今回は同様の所得レベルと考えられるスラムを調査しましたが、このように「街」を形成できない人々は大まかに2つの選択をとることになっていました。

1つは都市の中の家と家の間等の狭いスペースに20ほどの家族が密集していた「都市共存型」、もう1つはメコン川を挟んで対岸に住んだり、都市から少し離れた郊外へと居住地を移し、新たな「街」を形成した「郊外型」です。この2つにはそれぞれメリット・デメリットが存在します。

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