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姿なきフォースマジュール〜コロナが私に与えてくれた気づき〜

自己紹介させていただきます。東京都私立駒場東邦高等学校出身、商学部1年、岡田諒悟と申します。ポジションは前衛です。これから4年間、よろしくお願いいたします!
今回は、慶應義塾体育会ソフトテニス部の部員日記を、初めて担当させていただきます。この記事では、私が弊部に入部させていただくことに決めた動機や、社会全体にとっても激動であった昨年を振り返り、考えたことを綴らせていただきます。ぜひ、ご一読いただければと存じます。

入部動機

時は遡り3年前、高校時代のことです。私の優秀なる高校同期たちはみな勉学に高校生活を捧げており、ソフトテニス部もその例に漏れず、80人近くいる部員の中で、結果を求めてテニスをしている部員は数えるほどでした。
クレーコート2面。とても水持ちが良く、雪が降ればその冬は毎朝凍り、校庭と地続きで、他の部活の生徒がスパイクで入り放題、もはやコートと呼ぶのも憚られたため、外部の方に説明するときには「田んぼが2面あります。」と表現していました。当時部員は中高合わせて80人。練習時間は、授業後の3時半〜5時半で、普段は硬式と1面ずつ使用しており、休日は練習がありませんでした。(そうした環境で育ったので、横のコートで練習している塾高生に羨望のまなざしをむけてしまいがちであります。笑)
こうした環境の中でも、いや、こうした環境だったからでしょう。戦績を渇望した私は後先考えずのめり込み、進級ギリギリの成績を残しながら、来る日も来る日もラケットを持ち続けました。目標が曖昧で密度の低い粗雑な練習は、当然ながら実を結ぶことなく、特にこれといった戦績を残せずに、私の高校ソフトテニス人生は幕を下ろしました。
そんなこんなで、体育祭の終わる高3の5月まで真面目に勉強してこなかった私は、ある意味で順当に浪人することとなりました。
大学合格を目指し鍛錬を積む2年間は、中学受験以来まともに机に向かったことのなかった私にとってはまさに地獄のようなものでした。出口の見えないトンネルの中で彷徨い続ける生活の中で、私はこう思う自分に出会いました。

「早くテニスがしたい」
「まだまだ勝負の舞台に立ち続けたい」
「テニスができない自分なんて大嫌いだ」

果たしてこれ以上の理由が入部に必要でしょうか。周りのレベルも、体育会という未知なる世界への恐怖も関係ない。こうして、一般入学で実績のない、異色の新入部員が誕生しました。

決意表明

さて、次に決意表明をさせていただこうと思います。
「大会でベスト○に入る」と言った目標を設定するのがお決まりかもしれませんが、今回はあえて、大局的に、自分がどういう選手でありたいか、を書かせていただきます。

余談ですが、入部する以前は、慶應に入った時には「部の公式YouTubeチャンネルの慶早定期戦の好プレー集のサムネイルになる」を目標にしよう。と考えていました。


先に触れた浪人生活で、考えていたことがあります。

スポーツ選手たるもの、どういう姿であるべきだろうか。

それに対する私なりの答えは、

応援される価値のある選手であること

です。

スポーツ選手は、プロであれアマチュアであれさまざまな支援の下でプレーをしています。プロならファンの応援のもとから収益を得て、アマチュアならマネージャーさんや卒業生の方々、学校、さらには企業といった、社会全体から支援されて、当たり前のようにプレーする環境を整えられています。
しかし、その当たり前はひょんなことで簡単に崩れます。現に、昨年には姿なき”フォースマジュール”によって、我々の当たり前の日常は、あっという間に「あの頃は良かったなぁ」と語られる、古き良き尊き日常へと変容してしまいました。その”フォースマジュール”は今年に入ってもなお猛威を振るい、次々と大会を中止にしていきました。
仮に「COVID-19」という、ある種の天災がなかったなら。私はこの、当たり前のように見える日常の脆さに気づくことはなかったでしょう。
当たり前を支える、当たり前でない方々の存在も同様のことが言えます。今の私の環境における際たる例は、マネージャーの方々です。
私の中高ではマネージャーがいなかったので、大学に入ってから初めてマネージャーさんのいる環境に来たのですが、何事もなかったかのように練習にドリンクが用意されていたり、アップで適当な場所に脱いだウインドブレーカーがいつの間にか回収されて1つの場所に置いておいていただけていたり。私にとっては当たり前でなかったので本当に頭が上がりません。
何が言いたいかというと、我々スポーツ選手は、プロアマ関係なく、「当たり前のことの当たり前でなさを認識し、当たり前に感謝する」姿勢を持つべきだ、ということです。そしてその当たり前を支えてくださる方々が、サポートする価値があると思っていただけるような選手・チームであるべきだ、ということです。
これを踏まえて、私は、1人の部員として、スポーツ選手として何ができるか。何をするべきなのか。前述の問いへの答えが定まりました。

応援される価値のある選手になる


これを私の4年間の抱負として、部活、勉学などあらゆることに、全力で邁進していく所存です。慶應の一員として、1勝、1ゲーム、1ポイント、1球にこだわり、「勝ちたい。強くなりたい。」の初心を忘れず、チームに貢献できるよう自己研鑽を積みますので、何卒、ご支援・ご声援のほど、よろしくお願いいたします。

補足)ヘッダーの画像は、母校の体育祭の、「東邦連峰」という競技のものです。竹を土台で支えて垂直に立て、それを登人が登っていく、という競技なのですが、土台を中心とした構図の写真は多くありません。
そこで、「自分たちを支える土台への感謝を忘れない」という意味を込め、登人として私が登る瞬間に撮影された画像を使わせていただきました。


さて、長くなりましたが、今回の私の部員日記はここまでとさせていただきます。最後までご覧いただきありがとうございました!次回の部員日記もよろしくお願いいたします!

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