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雑念

 慶應義塾体育会ソフトテニス部の部員日記をご覧いただき、ありがとうございます。今回の部員日記は、商学部4年 岡田諒悟が担当させていただきます。
 このチームの主将になってから、約5ヶ月が経過しました。1年しかないものと考えるともうすでに半分が経過し、本当に早いものです。もう半分過ぎたら引退している、というのは本当に嘘のようです。
 さて、春リーグを目前に控え、最近たくさん雑念が湧きます。今回は、それらを思うままに書いていこうと思います。
 かつて、ダイエーでエースナンバーを背負い、読売巨人軍では準完全試合を達成した杉内俊哉さんの引退会見の言葉があります。

「若い選手と過ごすことが多くなり、自分が野球選手ではなくなっているなと感じました。勝負師としては違うかなと思いました」

 この言葉は、3ヶ月前の自分にとって、かなり重く響く言葉でした。というのも、3ヶ月前の自分は、完全に「チームのメンバー誰かが勝っていければいい」「団体として勝てればいい」「自分より上手い選手がたくさん出てきてほしい」という気持ちがかなり強かったからです。半ば「諦め」のようなものに近かった、と思います。
 そして、この言葉を見たとき、「果たして自分はこのままソフトテニスの選手として闘っていけるのか」という不安を抱くことになりました。
 今までの自分の成長を支えてきた要素は、間違いなく「負けず嫌い」です。同期の住吉・樋口に対するライバル心、他校の選手に笑われた時の悔しさ、リーグ戦降格した時の不甲斐なさ、そして理由のつけられない苛立ち、反骨心、そんなものが自分の中に強くあり続け、それが1つの大きな原動力となってきました。その想いが少しずつなくなっているのか、と感じた時、妙に落ち着きを感じる自分を逆に不安視していました。

 そんな想いを持ってから3ヶ月、春リーグを1ヶ月後に控えた今、しっかりと「熱」が芽生えていて、
やはり人一倍の「勝つことへのエネルギー」がわいています。その経緯は、「練習中は自分の選手としての戦績貢献を第一に考える」という考えに変化させたことにあります。
 大学部活動の主将をはじめて思うことは、「大学の主将は、監督でもなく高校以前の主将とも大きく異なる」という点です。自分自身がコートに立ち、1番に戦績貢献しつつも、自分を含めてチームをマネジメントする必要がある、というのが大きな特徴です。
 ここに着目できて、そして闘争心が湧いてきたこと、本当に安堵しつつ、次の課題はこの燃え上がる気持ちをどうセーブして、どう表現していくか、昇華していけるか、というところに課題が移りつつあります。

 何を書いているのか分かりませんが、最後に、先日卒業式の際、諭吉記念館で塾史と体育会史を見て感じたことに触れて終わりたいと思います。
 昨日、塾史と体育会史を見てまず目に留まったのは「明治十四年の政変」です。この政変では、慶應義塾の塾員が官界から追放され、実業に強い慶應の発端ともなりました。
 その中で、福澤先生は健全な精神は健全な肉体に宿る、というところを重要視し、反骨精神を持ちながら、体育教育を勧められてきました。
 そういう意味で言えば、「高校時代のリベンジ」として、燃え上がる闘志や反抗心をもとに、自らの知を武器に強豪他大に向かっていく我々の姿勢は、今後とも是非続けていくべき姿勢であるといえるでしょう。そして、その歴史があることを認識し、自分の今のチームに強い誇りを感じました。

 こんな感じで、あちこちに話題が飛ぶ、まさに拙文になってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。今後とも、「慶應ソフトテニス部らしい」を創っていく、新たな戦績を作っていくチームになれるよう、邁進してまいります。

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