90秒で学ぶ!逆説の日本史1⃣古代黎明編(第三章)
今回は井沢元彦「逆説の日本史1⃣古代黎明編」(小学館文庫)
の第三章を90秒で紹介します。
第三章 卑弥呼編
卑弥呼の正体は?
長年、卑弥呼の正体について議論がされてきましたが、井沢氏は
「卑弥呼=天照大神のモデル」そして、
「邪馬台国=大和朝廷の前身」だと主張しています。
その根拠は主に三つです。
一つ目は、日本の最高神が太陽の女神であるということです。
というのも、卑弥呼が太陽に仕える女性であったこと、そして天照大神も女性であり太陽神であることが一致します。
また、最高神が太陽の女神であるのは、世界でも日本だけです。
これが卑弥呼が天照大神のモデルである一つ目の根拠です。
二つ目はヒミコは日御子もしくは日巫女であることです。
字からも分かる通り、これは日(太陽)神に仕える女性であることを意味しています。
当時の人は、卑弥呼の言う事を信じていました。それは卑弥呼が太陽神の現人だと信じられていたからです。
つまり、卑弥呼は人々から神様と同様の扱いを受けていました。これが卑弥呼が天照大神のモデルではないかと言われている二つ目の根拠です。
三つ目は皆既日食のタイミングと卑弥呼が殺されたタイミングが合致する事です。
紀元248年に皆既日食が起こりました。それと同時期に卑弥呼が死んでいます。
皆既日食が起こると太陽が全て隠れます。太陽を崇め祀っていた当時の人にとってこれは、大事件です。
おそらく、当時の人は、太陽が隠れたという事を、太陽の現人である卑弥呼の力が無くなったと認識したと思われます。
その為、王である卑弥呼を殺し、新たな王をたて、新たな霊力で国を治めることにしたということです。
これらをまとめると、
248年の皆既日食で太陽神の現人もしくは、シャーマンである日巫女、日御子が霊力が無くなったとして、国民に殺される。
これは、新たな王の霊力で国を治める為です。
その後、女王である壱与が国を治めました。
これらの話がモデルとなって、天照大神の岩戸隠れが誕生しました。
これらの先述した根拠により、井沢氏は
「卑弥呼=天照大神」
「邪馬台国=大和朝廷の前身」だと主張しています。
まとめ
今回は井沢元彦「逆説の日本史1⃣古代黎明編」(小学館文庫)
の第三章を90秒で紹介しました。
井沢氏とは反対に、邪馬台国は大和朝廷は無関係であると主張している歴史学者もいます。
3世紀初頭には奈良に纒向遺跡、古墳が出現しています。そして古墳は大和朝廷、独自のものであるので、3世紀頃には、既に邪馬台国とは別の勢力である大和朝廷が近畿を支配していたのだと主張しています。
確かにその通りであり、それに加えて、
邪馬台国=大和朝廷の前身であるなら、邪馬台国が狗奴国(熊本県)に大敗しているのに、何故、近畿で権威が保たれているのかという疑問も湧きます。
彼らの主張は、3世紀前半には既に大和朝廷が近畿を支配しており、九州では、九州地域の小国をまとめていた邪馬台国が中国に使いを送ったという事です。
しかしそれなら何故、天照大神は女性だったのでしょうか?
今回はこれ以上、書くのはやめますが、
これらの謎も含めて、まだまだ議論の余地があり、面白いなと思います。
【竹田学校】歴史・弥生時代編㉗~邪馬壹国(ヤマイコク)とは何か?~|竹田恒泰チャンネル2 (youtube.com)
上記のものは、竹田恒泰氏が邪馬台国と大和朝廷は別であると主張している動画のタイトルですので、興味のある方はご覧ください。
ちなみに卑弥呼っていう元AV女優がいるので、お間違い無いように。
おそらく、この方も男性にとっては太陽のような存在だったと思いますが…。