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サピエンス全史~第四部科学革命~

今回はユヴァル・ノア・ハラリ(2016)『サピエンス全史』(柴田裕之訳)河出書房新社の第四部である「科学革命」について独断と偏見でまとめる。

科学革命と人類の行方

約500年前、人類は科学革命により途方もない新しい力を獲得した。
特に、科学の影響で軍事力、医学、農業、など様々な分野が発展し、人類は恩恵を受けた。

科学革命が起きた理由は、科学に投資することで莫大な富と権力を得ることができたからである。

科学革命以前の典型的な支配者は、自分の支配を正当化し、社会秩序を維持するために、聖職者、哲学者に資金を投資した。つまり宗教が絶対的であると人々に信じさせた。
しかしながら、新大陸の発見を筆頭に、人類は宗教では説明できなかったことを科学で証明するようになった。

例えば、医学分野に投資することで、ワクチンの開発に繋がり、疫病の発生を防ぐことができた。農業分野では、農薬や器具を開発することで生産性が高まった。このようにこれまでは宗教では解決できなかったことを科学が解決するようになった。

これにより、支配者の投資対象が、宗教から科学に変わった。
そして次第に科学は資本主義、帝国主義と結びつくようになる。

国王が最新の科学技術に基づいた軍事テクノロジーに投資をしたり、新大陸の金銀、財宝を略奪するために航海に投資するようになった。

国王の投資は見事に当たり、新大陸から莫大な金銀、財宝を手にし、さらに富を築くことになる。
そして略奪で得た資金を基に科学テクノロジーに投資をするというサイクルが生まれた。

このように科学の発展は資本主義、帝国主義に結びつき、科学に投資をすることで権力と富をさらに拡大するようになった。

その後、産業革命が起き、経済活動が活発になる。鉄道ができ、移動速度が速くなっただけでなく、機械投資により様々な製品、食品を大量生産することができるようになった。

そして産業革命により我々はとてつもなく恩恵を受けた。
過去数十年で私たちは飢饉や疫病、戦争を減らし、経済は飛躍的に発展し、不自由のない生活を手に入れた。

このように人類の歴史を振り返ると、科学革命、産業革命により、格段に生活の質が向上した。

しかしながら、筆者は読者に以下のような問いを立てる。
世の中の苦しみの量は減少したのか?
私たちは狩猟民族よりも幸福だと自信を持って言えるのだろうか?
そして私たちは何を望んでいるのだろうか?

まとめ

今回はユヴァル・ノア・ハラリ(2016)『サピエンス全史』(柴田裕之訳)河出書房新社の第四部である「科学革命」について独断と偏見でまとめた。

『サピエンス全史』は私たちにとっての人生とは何か、人生の意義とは何かを考えさせられる本であった。


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