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シナリオライターたるもの、文字数と改行は使いこなすべき!

私は美少女ゲームをメインに活動しているシナリオライターです。

いわゆるノベルゲーム、ビジュアルノベル
そんなシナリオを書いているんだけど……

今日はその仕事をする中で重要な、
「文字数と改行」について考えていきます。

パソコンを打つ

書く前に知るべき、1行の文字数。

ノベルゲームの執筆をする際に知っておかなければならないのは、
1行に対する文字数です。

これは従来、縦書きの小説ではほぼ必要のない考え方
だってそもそも行の文字数なんて念頭に置かないものだから。

ネット小説では場合によっては有効。
だが、難しい考え方でもある。

何故ならユーザーごとによってデバイスの違いや、
表示文字数サイズの違いがあったりするから。

だからこそこれは、行の文字数が固定される
ゲーム特有の考え方と言えるのかもしれない。

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《引用元:AftLife》
https://store.steampowered.com/app/1263610/AftLife/?l=japanese
恒石涼平が個人制作で作ったフリーのビジュアルノベルです。
3話以降を作る気が現状起きていません。

そんな1行の文字数ってのは、
まずシナリオを書く前に知っておかなければならないこと
これを確認しねえやつはぶっ飛んだ野郎だぜ!

だって文章が長すぎて収まりきらなかったら非常事態だし、
変な所で改行が入ったら非常に読みにくくなる。

特に私は読みやすさと語感にこだわりたいので、
絶対に確認しておきたい部分です。

パソコンの前で考える

シナリオを書く前に確認しておくことは……

1行にどれだけの文字数が入るのか。
改行はどのタイミングでしていいのか。
句読点や他特殊文字はどう使うのか。

特に、後者2つはゲームの雰囲気にも影響する部分
作業に入る前に、シナリオディレクターへ確認しておきましょう。

サムズアップする男性

あとノベルゲームでは一部フォント(文字)を、
大きく表示する演出などもできる。
むしろ推奨してガンガン使ってほしい。

あと私が最近関わらせていただいた「シルヴァリオラグナロク」では、
昔ながらの画面全体で文章を出す表現があったりする。

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これが普通で……

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《引用元:light - シルヴァリオラグナロク 体験版2》
http://www.light.gr.jp/light/products/ragnarok/download/trial2.html

こういう全体表示があるんだ。
シルヴァリオの場合は多分、1行の文字数は変わらないと思うけど。

もしかしたら1行の文字数が変動する可能性はあるから、
忘れずに明確にしておきたいですね。


ノベルゲームにおける改行のあり方。

1行の文字数が分かったら、次は「改行の入れ方」も工夫すべき。

ノベルゲームは他ジャンルに比べて文章がクソ多い
だから何時間も読ませる為には、
読みやすさは絶対に考えるべき部分だと思います。

そこで私が重視していることこそが、「改行」というものです。

メモ帳に書き込む

そもそも、改行ってどういう時に使いますか?

主に段落ごと、つまり文章の話題やブロック(内容を分けたもの)で、
区切りを付ける為に使っていると思います。

SNSやメール、レポートなんかもそう。
話の流れを区切ることで、
読みやすさと内容の分かりやすさを作り出しているんです。

しかし、これらの考え方はノベルゲームではあまり使いません。

だってクリックごとにテキストが現れる形式なら、
そもそも1クリック分ずつ区切られているのですから。

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ネット小説でも、文章ごとに空白の行を入れたりと、
読みやすさの工夫がされていますよね。

その面で言えば、
1~3行ずつに文章を表示していくノベルゲームは読みやすさ抜群

その為、改行で区切る必要がないのですが……

だから使わないなんて、もったいなくない?
スコップあるのに指で土掘ってるみたいなもんですよ。

スコップを持つ男性

従来の小説では文章量が多いので、
改行は多く挟めば読みづらくなるものでした。

しかしノベルゲームでは1クリックの文章量なんてたかが知れてます。
使っても1~2回だけなら、
むしろ読みやすさを作ることができる技術と言える

例えばちょろっと文章を書いてみて……

夜空

例えどれだけ離れていても、僕らの心は繋がっている。例えどれだけ会えなくても、見上げた空には同じ星が見える。
距離なんて関係ないんだ。君と交わした約束があるだけで僕は、何百光年だって頑張れるから。

こういうシナリオを作ったとする。
これでも充分読みやすいかもしれんけれど、
私はもっと読みやすく、体感的にしたい。

と思っちゃうので、こんな感じで!

例えどれだけ離れていても、
僕らの心は繋がっている。
例えどれだけ会えなくても、
見上げた空には同じ星が見える。
距離なんて関係ないんだ。
君と交わした約束があるだけで僕はーー
ーー何百光年だって頑張れるから。

こっちの方が読みやすい。
それにクリックで読み進めている感が出ると思う。

自分なりに臨場感を頑張って演出しているのだ。
成果が出てるかは分からんが。

改行して、文章をまとめて。
理解と可読を操作できるようになりたいな。

変な眼鏡をつけて考える男

個人的に、読みにくい改行。

最後に自分が感じた読みにくい改行を3つご紹介。
反面教師として心掛けたいと思ってるものです。

まず1つ目は、句読点のない改行

こんな風に
句読点なしで改行すると
微妙に感じてしまう。

ドラゴンクエストとかなら文化的にいいんだけど。
文章がメインのノベルゲームではいかがなものか。

そもそも句読点は、
文章を読みやすく区切るものだと説明した。

だから句読点を改行と別に扱う必要はなく、
むしろ一緒に使うことで効果は強まると思う。

悪くはないんだけど……

改行先に文章が続いているのかが分からないから、
個人的にはオススメしません

何言ってるか分からない

2つ目は、少なすぎる文章での改行

あえて改行して、
印象づける。

印象づけには効果的だ。
端的に鋭く、それはキャッチコピーの技術でもある。

しかし文章が短く改行されると、
文字を読む視線の動きが機敏になりすぎだと感じる。

例えば、
重要なことなのに、
こうしてしまえば。

読みやすさとはまた離れてしまう。
縦書き小説において改行をブッパするのと同じだ。

改行は読みやすさを作れるが、
多くなれば読みづらくなる

そのバランスを考えていくべきだと思う。
答えは君の中にある。知らんけど。

空を見上げる猫

最後の3つ目は、途中改行と行末改行が同時にあること

文章の途中で、
こうして改行するのと……文章が長くなって、1行の文字数を越えることで自動的に改行されるのがある。

こうして1クリック内で両方が現れると、
非常に乱雑に感じてしまうのは私だけだろうか。

できれば作品全体で統一したいが、
内容によっては難しい部分も出てくる。

なので1クリック内ではどちらかのみが存在する
そんな状態の方がいいのではないかと思う。

違和感をなくせ、ということだ。

ノートパソコンを見る猫

という所で、今日はここまで。
これが私のシナリオにおける改行の考え方です。
少しでも誰かの参考になれば嬉しいな。

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私はほぼ毎日こんな風に、
シナリオ・小説執筆の思考法を記事にしてます。

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では、また次回お会いしましょう。


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