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181Live2D編h:パラメータとデフォーマを使って、色んな表情を作れるようにしよう!【美しょゲを作ろう】

美少女ゲーム制作日誌、 #美しょゲを作ろう

前回は全てのパーツにメッシュを作成したので、今回からは各パーツに動きを設定していきます。まずは作るための2つの機能に対する知識をまとめてから、実際に動きを付けた「表情の動作」をお見せします!

《パラメータとデフォーマ》

Live2Dでこれまでやってきたのは「メッシュ」の制作。これは動きを付ける為に、イラストを細かく格子状に分ける作業でした。

そして今から始めるのは「パラメータ」の制作。これは目の開閉や頭の傾きなどを、パラメータという物に分けてどのような動きをさせるかを設定する作業。

これを作る上ではパーツ同士の構造というものがかなり重要になってきます。ここを間違えると結構面倒だったり、混乱しちゃうんだよね。

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例えば「手」と「前腕」の動きを作る時に、そのまま前腕にパラメータを割り振っちゃうと……

スクリーンショット 2021-08-25 094926

あああああああああああああ!!

という感じで、急に恐ろしいマジックが始まっちゃう。なので前腕の動きを付けたい場合は「手と前腕を一緒に動かす」必要がある訳だ。

そういう時にLive2Dでは「デフォーマ」という機能を活用します。用語ばっかりでごめんね、出来る限り分かりやすく説明するので許して。

スクリーンショット 2021-08-25 095513

Live2D画面の上側、中央辺りに「ワープデフォーマ」ってのと「回転デフォーマ」というのを作るボタンがあります。後者はまた今度説明するとして、今日はワープデフォーマだけ解説しましょう。

ワープデフォーマとは「メッシュで構成されたパーツを、四角形で分けられた1種のパーツとして扱う」というもの。1つor複数のパーツを、また1つのパーツとして変化させられるんだけど……言葉じゃ説明は難しいね。

なので実際にワープデフォーマを作成する作業を通して、どういうものか知ってみよう!

まずは一緒に動かしたいパーツを選択(今回は「手」と「前腕」)した状態で、この「ワープデフォーマを作成」をクリック。すると以下のような画面が出ます。

スクリーンショット 2021-08-25 095742

はい、項目が3つ以上あるとややこしく感じますね。とりあえず理解しておきたいのは「名前」「ベジェの分割数」「変換の分割数」という3点、それ以外は弄らなくても行ける場合の方が多いのでスルーで!

3点を軽く説明すると……


《デフォーマ解説》

■デフォーマ:名前

ひとまとめにしたパーツや、そのデフォーマがどんな動きを持つかの名称を付ける所。
私のオススメは「分かりやすいように動きを含めた名称」を付けること。適当にしてると後でどれがどの動きか分からなくなって混乱するぞ!
(例:「R前腕 左右曲げ」「Arm_R_Rotate」)

■デフォーマ:ベジェの分割数

ベジェって何やねん。言葉で説明すると「動きを設定する時に、動かせる部分」なんだけど、非常に分かりづらいので実際の画像で見て見よう。

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これがベジェの分割数1x1。緑の太い点はクリックして動かすことができ、これで動きを作っていきます。試しにこれを2x1にしてみると……

スクリーンショット 2021-08-25 100723

こんな風に分割が増えます。緑の点が増えたことで、1と2と空間が分けられました。実際に1x1と2x1で右上を動かしてみましょう。

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1x1だと全体が変化しますが……

スクリーンショット 2021-08-25 101308

2x1だと左半分は変化せず、右半分だけが変化してます。

このようにベジェの分割数を増やすと「細かく動きを変化させられる」というイメージで理解していただければ問題ないかと。

※なお緑の太い点のことは「コントロールポイント」と呼ぶそうです。

■デフォーマ:変換の分割数

ベジェと変換の違いって何やねん。これも言葉で読み解くのは面倒ですが、あえて言語化すると「動かしたい形へと、パーツの変化をどれだけ詳細に合わせるか」を設定する所です。

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「ベジェの分割数が3x1、変換の分割数が2x2」の場合で見てみましょう。この状態で先ほどのように右上を動かしてみると。

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こうなる。緑の点がベジェに対して、変換は見づらいけど「灰色の点」になります。パッと見、普通に動いているように見えますが……

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ベジェ的には、このような赤線を想定した形になっているのに対し、灰色の点と線を見てみると……

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実際の変換では、青線ような状態になっているのが分かりますね。

実際のパーツは「変換」の形に合わせて変化するので、これだとベジェの通りには動いてくれません。そんなに変わらない気もするけど、より動きが複雑になると……

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スクリーンショット 2021-08-25 103325_2

全然ちゃうやんけ!! となる訳です。

なので基本的にはベジェ<変換(ベジェの分割数よりも、変換の分割数を多く設定する)という形で数値にしておくと良さげかも。

実際に動かすパーツのメッシュがどれくらい細かいか、という部分も関わってくるので臨機応変に「どれくらい動かすか」「どれくらい詳細に動きを作りたいか」という点で設定してこう!


《表情はこんな感じで動かしてみた!》

以上のことを踏まえて、目以外の表情パーツのパラメータを設定してみました。作業内容まで載せると時間掛かりまくりなので、今日は完成した動きだけご紹介!

笑顔が素敵な女の子可愛い!

ちなみにパーツとデフォーマの構造はこんな感じになってます。

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ワープデフォーマの使い道としては、

・眉の変形はパーツ自体でパラメータ化して、上下と回転の動きはデフォーマを作って作成。
・目を笑顔にさせる動きは、目のパーツ全てでデフォーマを作って変形させる。
・口の開閉はパーツで行い、変形は全体でデフォーマを作って作成、微妙な所はパーツ自体にもパラメータを打って調整。

といった感じです。ややこしいけど「細かい変化はパーツ自体で、移動や大まかな変化はデフォーマで」という考えで作成しました。

しかし、これでもまだまだ細かい感情は表せないと感じるので、もうちょいパラメータを入れて調整していくかも。表情はキャラクターを生き生きとさせる重要なポイントなのでしっかり力を入れますよー!

ここからはまたちょっと調整が難しい「髪の動き」「頭の動き」を付けていきます。特に頭の向きとかは失敗すると福笑いになっちゃうので注意しないと。

今後も頑張って作っていきます。では、また次回お会いしましょう!


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