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美少女ゲーム・ビジュアルノベルのシナリオは、何を意識して書くべき?

ども。美少女ゲームのシナリオライターです!

今日の記事は、
「クリックで文章進む」という美少女ゲームや、
ビジュアルノベルでの基礎をご紹介。

空を見上げる猫

普通の小説とは読まれ方が異なるからこそ、
シナリオの書く際に何を意識すべきなのか

会社で教わり、
そして自分なりに昇華し続けた知識を、
今日もお教えします!

《美少女ゲームシナリオの前提》

美少女ゲーム、ビジュアルノベル最大の特徴は……

1クリックごとに、
1~3行ほどの文章が表示されること。

通常の小説のように文を目で追い続けないんだ。
短い文章を読む→クリック→短い文章を……
この繰り返しで物語が進んでいく。

これは数行ごとに、
ページめくりが発生しているようなものです。

本で調べ物

更にそこへ絵や音、演出が入ってくる。

だから小説媒体よりも、
文章に対する意識が落ちてしまいます。

これが大きな特徴でもあり、
最大のデメリットでもある。

……されどもこのジャンルの楽しみ方は、
あくまでも「文章を読み進めること」なのです。

文章を読むことがメインとなるゲームですが、
文章への意識は小説よりも低い。

ここを念頭に置いておかなければなりません。

画像3

もちろん、ゲームだからこそのメリットも大きい。
先ほども言った絵や音、演出の存在だ。

通常の小説では伝えづらい、
または伝わるのに読解力が必要になるような、
そんな情景、状況を感覚的に提示できる

没入感や分かりやすさは、
文字だけの媒体よりも圧倒的に勝るでしょう。

文章と絵、音、演出、ゲーム性。

このバランスをどのように取るのかが、
シナリオライターの実力を、
ハッキリさせる部分だと思います。

ジェンガを抜く男性

《シナリオを書く際に意識すべきこと》

じゃあそんな前提を踏まえて、
シナリオを書く際に意識すべきことは?

私の場合は、以下の3つを意識しています。

①全体像をイメージすること
②文章は分かりやすさを重視
③クリックへの欲求を作ろう


《想像力を働かせよう》

1番は「全体像をイメージすること」です。

ゲームの画面になったとき、
「この場面では何がユーザーに提示されているか」
を意識する。

絵はこんな感じ、こんなBGMと効果音が鳴って、
演出があんな風に入ってくる、
その中でクリックしてシナリオを読み進む……

このイメージを持っておく必要があるでしょう。

ノートパソコンを見る猫

絵で提示されているものを、
再度シナリオでも書けば情報が強化される。
例えば笑顔の立ち絵にも、
文章を追加することで複雑な感情を持たせられる

でもやりすぎたら説明的になって飽きられるし、
情報過多になって伝えるべきことがボヤけるのだ。

だからこそユーザーにとって、
「全体で得られる情報はどれだけあるのか?」
という意識は常に持っておこう。

できれば演出の指定も、
イメージにあるものは記載した方がいい。
もちろん、素材の有無とかは確認しつつね!

企画書を眺める上司

《分かりやすさを突き詰めよう》

次に意識すべきは「文章の分かりやすさ」です。

先ほど述べた通り、
美少女ゲームは小説よりも感覚的に分かりやすい。

それは逆に考えると、難解な文章ほど、
美少女ゲームの利点を打ち消してしまう

ということでもあります。

そうやって打ち消してしまうより、
私はよりメリットを強化した方がいいと考えます。

なので、シナリオは分かりやすさを重視しよう!

ノートとペン

これは割と最近意識し始めたことなので、
まだまだ手探りなんですけども。

今やってる外注案件では実践中ですが、
スタッフさんの反応を見る限り、
うまく行ってるんじゃないかと思います。

元々ある利点へと特化させる。
これってすごく効率的なんだよね。

器用貧乏だったり、
幅広いターゲット層を狙ったりするより、
一つのことに特化した方が強いから

分かりにくいと思う所は、他の部分を使って補う。

そうすることで、
ゲームシステムを最大限生かすことができます!

パソコンを打つ牛

《読みたいと思わせなければならない》

最後に意識すべきポイントは、
「クリックへの欲求を作ろう」というもの。

実際に執筆する際に一番重要視すべきことかも。

これも全体像で考えていかなければならず、
簡単に言えば……

「次どうなるの!?」と興味を持たせることだ。

テクニックはいっぱいある。
文章を途中で切ったり、
文章よりも先行して他の部分を変化させたり。

いわゆる「引き」というものを作るような、
そんな意識。

それを1クリックごとに考えよう
というのが最後のポイントになります。

マウス

そもそも人に行動させるのって難しいんだ。
物を買わせるのだって難しいもんね。

マーケティングでは人が物を買うまでの行動を、
「AIDMA」や「AISCEAS」とかの、
フレームワークで考えたりするけども。
(詳しくは調べてみてね)

でも一度行動させてしまえば、
後は勝手に歩いていってくれたりするよね。

つまり一度購入して興味関心が尽きなければ、
ゲームは最後までやってくれる
もんだ。

いわゆるゲームを積むという状況は、
そもそも興味関心が薄れているから起きるし。

ゲームをプレイする

そういった面で美少女ゲームを考えると、
ユーザーの主な行動は2つになる。

「見て、読むこと」「クリックすること」

ひたすらにクリックさせるならまだ楽だ。
クッキークリッカーみたいなもんだからね。
ひたすらに読ませるならまだ楽だ。
小説や漫画みたいなもんだからね。

でも、
見て読む→クリック→見て読む……
だと難しい。

何故ならこれらの行動は、
それぞれ別種類だからだ。

書類を見て頭を抱える

見て読む = 認知と理解
クリック = 実施

行動の種類が違うからこそ、
「一度行動させれば~」
という考え方に効力が薄くなる。

行動の切り替わりがあるからだ。

見て読むという行動をしたら、
次はクリックするかの判断をして進む。
この判断が、興味関心の有無で大きく変動する

興味関心が薄れた時、
行動の最中にはやめる判断がしづらいが、
行動の境目なら簡単にやめることが出来る。

だからこそ1クリックごとに、
そのクリックに対する欲求を意識する。

読みたいと思わせられているか、
興味関心は継続させられているか……って感じでね。

寂しそうな犬

《おわりに》

美少女ゲームシナリオは、文章だけで完結しない
色んな要素を含めて考えなければなりません。

そこで意識しているのが、

①全体像をイメージすること
②文章は分かりやすさを重視
③クリックへの欲求を作ろう

の3つである……という記事でした。

私はこんな感じでほぼ毎日、
シナリオ・小説における思考法を公開してます。
70記事くらいあるので他のもどーぞ。

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では、また次回お会いしましょう。


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