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「NETFLIXの最強人事戦略」を読んで組織について考えてみた

私は freee株式会社のモバイルチームに所属し、iOS アプリのエンジニアとして 会計freee人事労務freee のアプリ開発を担当しています。

freee には特徴的な文化があり、私が freee に入った理由の1つにこれら文化に共感したというのがあります。本書で述べられている「NETFLIX の文化」と自分の会社の文化を比べつつ、所属するチームや組織にも活かせそうな新しい発見や気付きがあればと思い読んでみました。(あとは単純にネットフリックスを日々愛用してるのでどういった会社なのか興味がありました)

章ごとに文章を抜粋し、自分が感じたことをまとめてみました。

第1章 成功に貢献することが最大のモチベーション

▼チームが最高の成果を挙げられるのは、メンバー全員が最終目標を理解し、その目標に到達するために、思うままに創造性を発揮して問題解決にとりくめるときだ。▼無駄な方針、手順、ルール、承認をできる限り排除しよう。トップダウンの指揮統制方式はスピードと機動性の妨げになる。▼たえず実験を繰り返し、できる限り無駄をそぎ落とそう。方針や手順を廃止したあとで必要とわかったら、元に戻せばいい。製品やサービスの改善に努めるのと同様、文化にもたえず磨きをかけよう。

freee と似ている部分だなと思いました。ビジョンの共有であったり、無駄なルールや決まり事無くすこと、考えてばかりではなく、まずはやってみるなど。どれも強く共感しています。 #マジ価値 #アウトプット思考

第2章 従業員一人ひとりが事業を理解する

休憩室でもエレベーターでもいい、従業員を呼び止めて、「うちの会社が今後半年間に取り組もうとしている最重要課題を5つ挙げてみて」と尋ねる。その人が間髪入れずに1、2、3、4、5点を、できればあなたが説明するときに使った言葉のまま、理想をいえば同じ順序で挙げることができれば、合格だ。もしできなければ、ハートビートはまだ十分強いとはいえない。

組織の最重要課題を5つ挙げる、、、恥ずかしながら5つも挙げられなさそう...そういった情報が降りてきていないわけではなく、目の前の業務に追われ情報はあるのにしっかりとキャッチアップ出来ていませんでした。事業や組織全体の課題に目を向け俯瞰して見るようにし、そこからブレイクダウンして業務をやらなければ誤った考えや認識で仕事をしかねないため、全社の課題との向き合い方を考え直すきっかけとなりました。

▼経営陣と従業員のコミュニケーションは、本当の意味で双方向でなくてはならない。リーダーが質問や提案を歓迎し、気軽に意見をいい合える雰囲気づくりに努めれば努めるほど、レベルにかかわらずすべての従業員が、驚くようなアイデアやひらめきを与えてくれる。▼あなたが従業員に事業の現況や問題点を──よかろうが悪かろうが──伝えなければ、彼らはほかからその情報を得るだろう。そしてその情報はたいていまちがっている。

この辺りも似ているなと思いました。いかにもな上下関係は感じないし、関係性がフラットで、個々人が自律的で強い印象です。(業務を指揮するといった上司ではなく、メンバーをサポートする立場の「ジャーマネ」と言われるポジションがあります)また、どういったことも基本的にオープンなマインドで、情報の透明性を重要とするカルチャーです。 #あえ共

第3章 人は嘘やごまかししを嫌う ー 徹底的に正直になる

ネットフリックス文化の柱の一つに、「同僚や同僚の仕事のやり方に不満がある場合、当人同士で、できれば直接顔を合わせて話をする」というルールがあった。陰で批判をしてほしくなかった。私は人事部長だったから、マネジャーが部下などの文句を私のところにしょっちゅういいにきた。私の答えはいつも同じだった。「本人とはもう話したの?」

私は揉め事から逃げて、自分に嘘をついて我慢し、相手と向き合うことから避けているところがありました。これはうちの会社が言いにくい環境というわけではなく自分個人として昔からはっきりと物を言うということが苦手でした。「相手に不快な思いをさせるのでは、相手を傷つけてしまうかも」といったことを考えてしまったり、「自分が不満を言える立場なのか」ということが過り感じたことを言えない節がありました。言える立場かどうかなどということで伝えられないままでは、実情は変わらないどころか悪化してしまいます。相手のことを思い、しっかり面と向き合って自分の思いを伝える。大事なのは伝える前に、しっかりと頭の中を整理し、伝える順序を考え、そして何より相手への敬意を持って伝えられれば、ポジティブに受け止めてもらえるはずなのではと思いました

フィードバックで最も重要なのは、「あなたはぼんやりしている」のような、相手の性格描写ではなく、行動に関するフィードバックを与えることだ。またそれは相手が改善できることでなくてはならない。フィードバックを受ける人が、「自分の行動の何を変えることを求められているのか」を具体的に理解できるようにする。「頑張っているのはわかるが、成果が挙がっていない」では何も伝わらない。行動に焦点をあてて言い直すとこうなる。「あなたが努力しているのはわかるし、それは評価している。でも些末なことに時間をかけすぎて、ほかのもっと重要なことがおろそかになることがある」それから一緒に優先順位を見直すのだ。

フィードバックとは、自分が感じたこと思ったことを単純に伝えるだけではなく、改善のために具体的にどうしたら良いか、次なるアクションまで考え伝えること。(感情を伝えるだけでは、ただの文句、クレームにしかならない)

第4章 議論を活発にする

ネットフリックスの経営陣は強烈だった。巧妙かつ鮮やかに議論を戦わせ、相手の意見を引き出した。相手に対する敬意があるからこそ、必ずしも意見に賛同できなくても、なぜそう考えるのかを理解したいのだ。お互いの知性への敬意と、同僚の見解の根拠を知りたいという純粋な思いが、質問の押収を促し、歯に衣着せぬやり取りを建設的で礼儀にかなったものにしていた。経営陣は売ろいろな集まりで活発な議論の模範を示し、オープンに話し合った。

私は自分の意見を単純に伝えることはもちろんできますが、相手の意見を否定し自分の意見を言うということが相手を不快な思いをさせるのではと考えてしまい非常に苦手でした。ただこれも同僚へのフィードバックにも書かれていたことと同様、相手への敬意示しながら伝えることで不快な思いをさせずに、活発な議論ができるようになるのではと思いました。相手へ敬意を示すには、まずは自分を知ってもらうことと相手を知ることが重要になるかと思うので、より密なコミュニケーションを心がけたいです。

舞台上に2脚のイスを向かい合わせ並べ、そこに二人をすわらせて、経営陣の見ている前で議論させた。斬新なのは、それぞれ相手の立場で議論させたことだ。議論するために、双方が相手の考えをしっかり理解する必要があった。

意見が分かれていたときにやっている取り組みで、相手の意見をしっかりと理解することになり、かつ自分の意見の穴に気づくこともでき、問題に対して多面的に考えられるようになるとのこと。議論が十分に検討しつくされ、納得感の強い意思決定ができるようになるのではと思いました。そもそも議論というのは「意見A+発言者A」vs「意見B+発言者B」といったような誰が言ったかに引っ張られるのではなく、「意見A」vs「意見B」といったように意見そのものをぶつけるべきだよなと思いました。とても面白い取り組みで、すぐにでもチームや組織でもトライできそう。(夫婦や恋人同士でも使えるかも)

第5章 未来の理想の会社を今からつくり始める

「今から6ヶ月後、あなたは史上最高のチームを指揮し、心の中で考えています。『いやあ、すばらしい人材がそろったのだ!信じられないほど業績をしているぞ』」(なぜ6ヶ月後かというと、今日の事業環境ではそれ以上を見通すのは難しいからだ)続いて、このチームが今まだ達成していないが、6ヶ月後に達成しているはずのことを書き出してもらう。具体的な数字を掲げるとなおいい。(中略)頭の中の映画での仕事のやり方が、今のやり方とどうちがうかを考えよう。今より会議が多いのか、少ないのか?侃々諤々の議論を行っているのか?今より迅速に意思決定を下しているのか?誰が意思決定を行っているのか、いないのか?今より多い人員が、それぞれの小さなスペースで黙々と集中して仕事をしているのか、それとも社内のあちこちで数人が集まり、何かをホワイトボードに書き殴っているのか?ほかの部署との連携が増えているのか?協力して問題解決にあたっているのか?このエクササイズをクライアントとやるときは、必ず目を閉じて想像してもらう。

私はマネジメント職ではないためチーム作りやメンバーのメンタルサポートといった職務を担ってはいませんが、所属するチームのメンバーの一人ひとりが最大のパフォーマンスを発揮することができ、史上最高の状態となっていることを詳細にイメージしてみることは、現状の抱える課題や足らない部分をあぶり出す良いきっかけになるのではと思いました。定期的にやることと、イメージから具体的にどうしたらそこに近づくことができるかのアクションが大事になるのではと思います。(ん、今思えば似たことをやった記憶あるな...)
あとこれは、個人に対しても使えそうだよなあとも思いました。目標設定というと堅苦しいけど、自分が思い描く将来像を映画のようにイメージするって考えると少しでもワクワクしながら取り組めそうですよね。

第6章 どの仕事にも優秀な人材を配置する

あるスタートアップの全従業員役100人に話をしてほしいと頼まれた。講義のあとの質疑応答セッションで、1人が手を挙げていった。「とても大事なことなので、教えてください。ビアサーバーは部署ごとに設置するのと、社内に1台設置するのと、どっちがいいでしょう?」当時この会社はオフィス中にブランコやハンモックをつるしていた。私は聴衆に向かって答えた。「いった何が聞きたいのかしら?事業がどうやって成り立っているか、知っていますよね?」彼が「おっしゃることがわかりません」というので、こういった。「顧客にサービスを提供すれば、お金がもらえる。そのお金で業務コストをまかない、残りが利益になる、それがビジネスの基本です。ビアサーバーとは何の関係もありません。会社は従業員を楽しませるために存在しているのではありませんっ!」(中略)仕事の満足度は、グルメサラダや寝袋やテーブルサッカーの台とは何の関係もない。仕事に対する心の揺るぎない満足感は、優れた同僚たちと真剣に問題解決にとりくむときや、懸命に生み出した製品・サービスを顧客が気に入ってくれたときにこそ得られる。

チームビルディングや遊び心は大事。メンバーの人となりを知りコミュニケーションを円滑にするためにも必要だと思います。ただそれは、良い仕事環境で最高のパフォーマンを発揮するための手段の1つであって、目的ではない。(とか言いつつ、ビアサーバーが会社にあったら最高だけど)

まとめ

組織として、最終目標をメンバー全体が理解する、無駄なルールの排除、まずはやってみてみる、経営陣と従業員の意見のしやすい関係性、情報の透明性、などの文化は freee と似ているところが多いなあという印象でした。一方で私個人として課題だった相手に面と向かって意見を言ったりフィードバックするという苦手な部分ところが浮き彫りとなり、相手への敬意を持ちチーム組織のためにもしっかりと伝えられるようにならなければ心から強く思いました。
他にも、他にも意見が分かれたときに相手の立場で議論させてみたり6ヶ月後の史上最高のチーム像を頭の中で詳細にイメージし今のやり方との違いを考えてみるといった取り組みはすぐにでもトライできそうだなと思いました。

本書を読んで組織における文化の大切や、人材というナマモノについて考える良いきっかけになり、今後の自分のキャリアに活かせればと思います。