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幸せのために頑張るのをやめた話

幸せにはいろいろな形があると思います。
40代後半になってわかったことは、あれもこれも全部は無理ということ。これは、そんな私が幸せになるために「頑張る」をやめた話です。

完璧主義

私は完璧主義です。
ただ完璧主義ゆえに何もかも中途半端に終わる典型です。

そんな私が戸建てを買いました。
狭いながらも芝生の庭付きで、3歳の息子が思いっきり裸足で芝生の上で遊ぶ姿を夢見て、頑張ってローンを組んで購入しました。

だから毎日一生懸命に芝の整備にいそしみ、青々とした自慢の芝生の庭をつくりあげました。隣の芝は青くない!

もちろん息子もすぐに庭で遊びました。
庭を海に見立ててボートごっこ。恐竜のおもちゃでジャングルごっこ。幼児用ボールでサッカー。すごく嬉しい気持ちでした。

しかしやがて息子が庭で遊ばなくなったのです。

私が完璧な庭を目指すあまり、息子が少しでも芝にダメージを与えるようなことをするとその都度、指摘していたからなんです。庭で遊ぶたびに小言を言われたら、そりゃ嫌になります。息子の「庭遊び楽しい」を私が奪っていたって訳です。

炊事・洗濯・育児・名もなき家事

私は他人に借りを作り迷惑をかけるのが嫌で、だったら自分でやってしまいたいと思う性質です。

でもフルタイムサラリーマンですとそうはいかない。
自ずと家事育児のウエイトが自営業の妻に偏ってしまいがち。それが嫌で休日の子守や炊事はほぼ私一人が担い、名もなき家事、保育園への送り出し、子どもの病院への付き添いなど、出来ることは奪ってでもやっていました。

40代サラリーマンの責任、住宅ローン、家事育児をしない男性というレッテルとの闘い。どんなに頑張ったって能力には限りがあります。何より心のキャパシティが限界を迎えてしまいました。

やがてすごく機嫌の悪い人が出来上がりました。

妻が私を選んでくれた理由は「世の中にこんなにずっと機嫌のいい人っているんだ!」という驚きからだそうです。

そのたった一つの魅力を捨ててしまったのです。

喧嘩

そのうち夫婦喧嘩が絶えなくなりました。
妻も初めての子育てを一人奮闘しながらいっぱいいっぱいだったはず。

それを支援するどころか競って闘っていました。
家族のために頑張る「自分」しか見えてなかった。

あるとき妻が言いました。
「そんなにつらいなら仕事も家も全部なくしてもいいよ」

泣きました。
何言わせてるんだ。
こんなこと言わせるために頑張ってるんじゃない。
いや、

頑張ってるからこんなこと言わせちゃったんだ。

頑張るところは「そこ」じゃなかったんだ。

「やめる」という選択

だから「頑張る」をやめることにしました。
笑顔でいるためにもっと手を抜いて、肩の力を抜いて、怠けることを頑張るようにしました。

私たちのメンターである澤円さんが著書『「やめる」という選択』でこう書かれています。

特別なことをしなくても、ふだんと変わらない日常のなかで「豊かな時間」をつくることは、心がけ次第でいくらでもできるのだと思います。

well-being の考え方に" Time Well Spent (有意義に過ごす)"という言葉があります。まさに「豊かな時間」。

・庭付きの戸建て
・完璧な芝生
・家事育児をこなす夫

こんな即物的で対外的な価値観にとらわれず、私が家族が笑顔でいるための豊かな時間をすごすために何をしないでおこうか。

そう「何をするか」ではなく「何をしないか」
それが大事だったんです。

後悔しないために

息子は外泊が大好き。
ホテル、温泉旅館、テント泊。乳幼児のころから本当に好きでした。

「どうして好きなの?」
その気持ちを言語化するように促してみました。

「家にいるとパパもママも家事とか忙しいでしょ?でもホテルとか旅館だと(家事しなくていいので)思いっきり一緒に遊べるから!」

本当反省させられます。
「豊かな時間」って何でしょう。
気持ちよく過ごすために片付いた家も大事かも知れません。偏食の過ぎる息子のために手作り料理も大事かも知れません。
でもきっともっと大事なことがあるんです。

西原恵理子さんの「家事なんかしなきゃよかった」という言葉をご存じでしょうか?著作権に触れるので Google の検索リンクを貼っておきますね。

小さなお子さんをお持ちの方、全てのひとに届いて欲しい言葉です。

今では庭は雑草だらけです。
思い出したときに手入れすればいい。
シンクに汚れた食器が残ってても家族と過ごす時間だからそのままでいい。部屋が散らかっててもハウスダストに気を付けていれば死にゃしない。

心が穏やかになりました。
すると自ずと「ながら家事」でぱぱっと済ませる癖がつきました。思ったほど散らかってないし汚くないんです。

息子は小3。
未だにダッコさせてくれます。たまーに手もつないでくれます。
それが終わるのも秒読みでしょう。

だからその時間を少しでもつなぐために、私はこれからも頑張るのをやめて「豊かな時間」に全振りするのです。

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