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人間中心設計専門家 認定制度を受けて

Uniposでプロダクトオーナー・マネージャーを務めているワトソンです。
Unipos社に2017年に入社して、WebデザイナーからUX/UIデザイナーに挑戦し、チームリードやグロースハックにも挑戦してきました。
2019年からはプロダクトオーナーとしてUniposのプロダクトマネジメント・体験設計を中心に携わっております。

久しぶりの投稿ですが、人間中心設計の専門家認定制度に合格しました。
(弊社デザイナー・プロダクトオーナー合わせて4名がスペシャリスト・専門家に合格しました!めでたい&みんなすごい!)

せっかくの機会なので、今回の認定試験を受けた感想や学びをGW前にnoteに昇華させていただきます。
(カバー写真は昔フィルムで撮ったやつ。キャンプ行きたい)

⭐️そもそも人間中心設計とは?

人間中心設計(Human Centered Design)とは

シンプルに3行で!

  • 「もの」中心ではなく「人間」を中心にすえて設計する

  • より良い体験と使いやすさを考え、現状の改善だけではなく新たな魅力や価値をつくる

  • ユーザーが楽しく使いやすいので「手戻り」を減らしコスト削減と顧客満足を達成できる

HCDプロセス(を簡単に紹介)

  1. 利用するユーザーを知り

  2. ユーザーの課題や価値の仮説を立てて

  3. 満足させる解決策をつくり

  4. ユーザーに試し、結果を知ること

  5. それを繰り返して価値を作り出すこと

を行い、使う人に対して適切な価値と体験を作り出します

HCDプロセス

▼引用:HCD-netパンプレット
HCD-Netの総合パンフレットをホームページ公開します | HCD-Netからのお知らせ | HCD-Net


🎓HCD専門家認定制度って何?

人間中心設計専門家とは | 認定制度 | HCD-Net

受験資格:実務経験を見て専門性をみられます

  • 人間中心設計専門家(認定HCD専門家)

    • 人間中心設計・ユーザビリティ関連従事者としての実務経験が5年以上あること。

  • 人間中心設計スペシャリスト(認定HCDスペシャリスト)

    • 人間中心設計・ユーザビリティ関連従事者としての実務経験が2年以上あること。

  • 共通

    • 人間中心設計専門家としてのコンピタンスを実証する実践事例が3つ以上あること

    • 学歴については特に制限なし。大学院在学中における実務活動は実務経験年数として含むことができます。


試験内容

試験はカンタン!3事例以上含む2~3万字の実践レポートを出すことです!
いうがやすしですが、これはとても精神と神経を研ぎ澄ませ自分と戦う修行に近いものだと感じております。

  • HCDプロセスに沿ってコンピタンス(能力)が実務で発揮できているか?を見極める試験です

  • これらを実務のプロジェクトに合わせて、製品名や具体的な事業詳細などは伏せつつ、人間中心設計の考え方やプロセスをどのように実践したのか?をレポートにまとめていきます

  • 専門家だと最低1.5万文字。全部埋めると3.5万文字になります

    • ちなみに僕は今回約3万文字程度でした

  • 試験期間は11月末から1/20頃まで

    • なんだ結構時間あるじゃん?と思って年末年始過ごすともう締め切りは直近に・・・

    • 昔のHCD試験の資料にも「週末一回頑張ればなんとかなる・・無理ですからぁ」と書いてあったのでしたw

      • 書いてあった通り、一夜漬けでは自分で記載したものを見直すための意識の切り替えをする時間も取れなくなるので確かに大変そうだなと思います。

サイクル図にコンピタンスを合わせた図です。専門家はPjMや育成・推進活動も見られます
コンピタンスの項目でいうと合計23項目あります!


💡受験の中での課題と工夫

課題

  • 自分の成果・プロジェクトを思い出せない

    • 今までやってきたプロジェクトを思い出さないと始まらない・・

      • 自分の関わったプロジェクトと共にHCDのスキルに沿ったことも思い出せるようにする・振り返りやすくする必要がある

  • ハードルに感じるn万字のレポート量

    • 3万文字か・・・と考えると一向に筆は進まない。ちょっとずつでも進めるための対策が必要。

      • 自分を鼓舞したり、気持ちを切り替える施策を考えて臨みましょう

工夫

レポート記入前の工夫(~12月末まで)

  • 今までの関わったプロジェクトを「できる限り」整理しておく

    • 整理してあるだけでも未来の自分を救う。

    • 普段の業務後に5分でもいいから、自分の関わるプロジェクトの計画書や企画書はわかりやすくまとめておくこと

      • 自分の工夫した点など忘れない様にメモや書き出しておくこと

    • 年末までにこれができてるだけでだいぶ違うぞ!

      • 自分のプロジェクトや成果を見直すだけでも結構色々やってたな!と気持ちが回復。いけるぞ!という意識が大事。

      • プロジェクトを整理しながら、ここはあのコンピタンスだな〜などイメトレしておくだけでもレポートの書き出しが軽くなる!


レポート記入中の工夫(1月~締切まで)

  • ちょっとずつ雑に書いていく

    • 思考発話で記述書に記載していくことが一番良い

      • 一番酷かったラフ記入

        • 「なんかいい感じに調整した」からスタートした項目もあった

  • 小さいハードルを超えていくことが大事

    • 上記の様な雑ラフが入ってると「ひどいなこれ書き換えよ!」という気持ちが出てきてちょっとずつ進んでいく

  • 年明けからちょっとずつ、クリアしていく自分を作り上げていく

    • タスク表で%管理することで、少しずつ自分が進んでいることを自覚できる様にした

    • 遠いゴールよりも近いゴールを自分で設定してモチベーションを保つことが大事

実際のちょっとずつクリアが見えるタスク表。ずっと雑でしたが自分の心を救うツールでした
  • 客観的な自分を手に入れるために1,2日置く

    • ある程度書き上がったらメタ視点での自分でレビューする

    • 訳がわからないところや解釈間違っているところを見つける

      • これで結構6-7割書き直した・・


🐸受験したふりかえり

大事なこと

  • 思考発話で記述書に記載していくことが一番良い

    • いきなり考えながら書き出すよりも本当に楽です、ここからスタートしましょう!

  • ラフに雑でいいからまず、書くべき項目を埋めること

    • まずどこの項目を埋めていくか?を検討することも大事です

    • 埋めやすいところから埋めていくことが正義です

  • プロジェクトをしっかりと思い出す。これに一番時間を使う

    • 何よりもここが根源。当時書いていた雑なメモさえ再度目を通す

  • わかってても本や文献に照らし合わせて再確認する (言葉の言い回しや理解が間違っていなかったか?確認できる)

    • 5-6冊の本を順繰りで確認しつつ、自分のやってきたことの説明や意義を整理しました

      • 他の人がわかる共通言語に翻訳しないと審査員の方にも伝わらないので、審査員中心設計にしていきました

工夫

  • 各項目ごとにあとX%と確認できるようにすることで自身のモチベーション担保

    • 向き合うことが辛いからこそ、向き合っている最中に「頑張ってるぞ自分!進んでるぞ自分!」とガス抜きできる状態を作るのが大事だと感じました

受けた結果よかったこと

  • 自分が実際にやってきたことを振り返れた

  • 振り返りがHCDプロセスと照らし合わせて再度インプットできた

  • インプットしたことがより自分に身に落ちていることを実感できる→HCD理解が高まる

  • 結論、実践+記述書への記載が専門家として一番のインプットになる


さいごに・・・

受験した背景などは書きませんでしたが、受けて合格した結果感じていることは、自分が人間中心設計のプロセスを習得できていると自他共に認められていると実感できることと、過去の行いを振り返り再度自分で解釈できることが熟練度を高めていることだと感じています。
自他共に専門性を認められている人には効果的ではないかもしれませんが、プロダクトオーナー・デザイナーとしての熟練度をまた一歩進められたかな、と思っています。
これからもHCDをはじめ、専門性・スキルを高めつつ、ユーザーに価値のある良いプロダクトを作っていきます!

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