ワーケーションは本当に日本人にハマらないのか

実は旅行代理店に勤めています。
何かと話題のGoToキャンペーンも身近なお話だったりしますが、今回は別話題に触れてみようかなと。

菅官房長官が、ワーケーションを推進していきたい意向を示しましたね。GoToに続く観光支援を示した形になります。

なんでこんな観光領域に力入れるんだっけ?と不思議な方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが…地方においては観光で落ちてくるお金ってめちゃくちゃ重要で。このコロナ禍で訪日外国人がいなくなり。GoToに期待したら、まさかの東京除外で想定以下の旅行しか生まれずで。このままだと救えない地域、地方が出てきてしまうかもしれないわけです。観光=地方の経済活動、と捉えると、なぜ観光に力をいれるのかが想像できるかと思います。

で、ワーケーション。案の定野党から変な叩かれ方してますね。あとはタレントからも。想像がしにくいからある程度的外れなのは仕方がないんですが、指摘が拙いなぁという印象です。それともテレビを通じて感想を言っているんでしょうかね。

実践している人はたくさんいます。有名な人だと星野リゾートの社長は、冬になると雪山で仕事します。スキー好きなんで。スキーして、会議の時間になったら雪山から参加。すごいですよね。

ただ、こういう尖った例を出してもあまりピンとこない人も多いと思います。ここでは、私がなんとなく考えるワーケーションの壁みたいなものを整理してみようと思います。マインドみたいなところは個人によるところが大きくなってしまうので、制度的な論点で。
カギは働く場所、時間、セキュリティ。この3点です。

まずは場所。テレワークでも同じ議論が出ましたが、「オフィスでない環境で仕事ができるか」というのが重要になります。これが無理な人は、そもそもでワーケーション無理です。これはシンプルなお話。

次に、時間。観光地には観光スポットがあります。観光スポットも24時間空いているわけじゃないです。その観光スポットに寄る時間、遊ぶ時間をどう捉えるか。フレックスみたいな考え方で、活動時間8:00-22:00の間で8時間働いて、アウトプット出せば良しみたいな制度だったら、時間を区切って観光と仕事を両立できそうです。逆に、固定勤務時間の場合は、たいていの施設に行くことが難しくなり…そもそもで観光地で仕事をする意味、みたいなのが薄れます。その場合には、ワーケーションではなく、ブリージャーの制度を手厚くした方が良いかもしれません。

最後にセキュリティ。施設のWiFiで仕事していいよって企業、どのくらいありますかね…もちろん数としては多いかもしれませんが、大企業ほどNGな箇所が多い気がします。このあたりのセキュリティ担保がどれだけできるか、というのが設備整備時のカギになってくるかと。

ワーケーション自体は、数年前から話題として挙がっていました。のでに、大手旅行代理店では、ワーケーションの分類を整理して、それぞれにどんなソリューションが必要になるかを打ち出しています。
ただ、ソリューションがあっても、制度面で実施できなくては意味がなくて…このあたりは労働基準法や働き方改革法案にもかかわってくる部分で、やや根が深いものにもなります。

費用負担は重要です。実施のハードルが明らかに下がるので。
ただ、国が推進していくのであれば、それ以外にも制度面の整理(たとえば、モデルパターンの提示など)や成功パターンの提示などをすることが、本来的に求められている動きな気がしています。

地方はいま本当にしんどい状況です。今後も観光が低迷することは何となく想像に難くないですが…それでも色々な施策を打ち出す中で、ハマるもの、成果が出るものがあればと期待しています。

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