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中国学参考データベース等

*写真は私の本棚です。。。

以前、wikipediaの杜甫のページをよく編集していましたが、wikiの編集方針(いまいち理解していない)と自らの方針が一致しないことがあるので、こちらで杜甫研究、唐詩研究、中国文学研究、中国語学習等についての工具書や電子DBについて記載してみたいと思います。タイトルでは中国学と大きく出てしまいました。まあ、ざっくばらんに書いてしまっていますし、そもそも私自身が使いこなせてないものも無責任ながら載せています。あと、基本は無料のモノを中心にしています。

いちおう、杜甫のwikipediaのリンクも貼っておきます。以前はもう少し細かく記述していましたが、ほかの編集者によって削除されたりといったことがあるので、編集履歴を見てもらえれば以前の版も確認できます。杜甫に関する著作などに関しては細かく載せたつもりです。消されたりもしましたが…
とにもかくにも以下に色々と挙げておきます。適宜参照してください。

日本杜甫学会:重松詠子氏作成の杜甫の詩題索引が掲載されている。(杜甫詩題索引--訳解・校注等14種文献中における--)これを利用すれば上記に挙げられた鈴木虎雄『杜甫全詩集』や下定雅弘・松原朗編『杜甫全詩訳注』、仇兆鰲『杜詩詳注』など14種類の訳本、注釈本が一括で検索できる。(下定雅弘・松原朗編『杜甫全詩訳注』を含まない索引は『佐賀大学文化教育学部研究論文集』(2016年)に収録された古川末喜氏作成の「杜甫詩題索引:訳解・校注等13種文献中における」がある)日本杜甫学会では、毎年研究年報を勉誠出版より発刊しており、研究論文のほか、日本、中国大陸、台湾、韓国、香港の研究動向や日本で発刊された杜甫関連書籍の解題も掲載しており、上記に挙げられた訳本について詳しく知ることもできる。また研究大会の案内などもなされている。

CiNii:国立情報学研究所(NII、National institute of informatics)が運営する学術論文や図書・雑誌などの学術情報データベース。主に日本の研究論文を探す際に用いる。一部の論文はダウンロードすることもできる。

東洋学文献類目検索 :京都大学東アジア人文情報研究センターが運営するデータベース。中国学に関する文献、論文を日中問わず広く検索できる。ほかにも漢籍データベースや四庫全書総目提要、雲崗石窟など様々なデータベースが利用できる。東洋学文献類目検索の使い方は山田崇仁氏運営のHPが詳しい。

中国知網(CNKI):CNKIとは中国で発刊された論文等を検索できる中国最大のデータベース。9000誌をこえる中国発行の学術雑誌、500余紙の全国紙・地方紙・専門紙などの新聞、600をこえる機関が認定する学位論文、15000以上の団体が開催する各種学会で発表された論文集などの文献を基本に、近年は各種年鑑・統計年鑑、法律・法規・判例、各種工具書に及ぶ。CNKIの使い方に関しては東方書店のHPが詳しい。

寒泉:台湾の電子データベースで、『全唐詩』をはじめとして、『周易』『尚書』『詩經』など中国古典における基本的文献を検索することができる。寒泉の使い方は山田崇仁氏運営のHPが詳しい。

全唐詩庫:簡体字での検索ができる。たまに上記の寒泉が利用できないことがあるので、一度は使っておくとよいかと。

中央研究院漢籍電子文献:台湾の中央研究院が運営するデータベース。二十四史など基本的文献を検索することができる。漢籍電子文献の使い方は山田崇仁氏運営のHPが詳しい。

捜韻:先秦から現代までの詩詞検索や、『漢語大詞典』を検索することができる。また、『芸文類聚』などの類書や、詩話、詞話などのテキストも閲覧することができる。

中国哲学書電子化計画:杜甫でいえば清代の仇兆鰲の『杜詩詳注』などを参照することができる。広くいろいろ収録されているイメージだが、個人運営(風のうわさで聞いた)らしいので、引用の際は誤字などに注意を。

国学大師:各種工具書等が無料で利用できる。『説文解字』『字源』『漢語大詞典』『漢語大字典』『広韻』をはじめとして様々なコンテンツが用意されており、便利であるが出典を示さない場合があるので注意を要する。

網路展書読:いろいろありそうで何回か使った。が、よくわかっていない。まあ、見てみてください、何かあるかもしれません。僕のお気に入りに入っていたので一応載せておきます。無責任ですみません。

萌典:台湾の教育部による漢語辞典。萌典はiosアプリもあるのでダウンロードしておくと便利。

中華暦:使ってもらえばわかると思う。唐の李淵の武徳1年で検索すると、その年の1月1日は丁未であるといった十干十二支による日付がわかる。(この書き方で伝わっているのか、というかあっているのか?とにかく一度使ってみてください)

広島大学中文HP:研究室の紹介のみならず、六朝文学に関する一般的な情報や「全梁詩検索」や「蘇洵蘇軾詩検索」が利用できる。

日本詞曲学会HP:日本詞曲学会発刊の『風絮』には、唐宋名家詞選訳注が掲載されているが、その訳注の語彙索引、掲載済み詞牌表を確認することができる。これによって、なかなかまとまった訳注のない唐宋詞の日本語訳の検索が簡便になった。

日本中国学会HP:過去の掲載論文がPDFで公開されており、大変便利。CiNiiなどのキーワード検索ではどうしても偏りが出てしまうので、日中学会のHPなどで自らの研究分野、関心に近いものに目を通すと思わぬ発見もあるだろうし、また勉強になると思う。私はたまに見ます。

ジャパンナレッジ:たぶんほとんどの大学で契約していると思われるデータベース。日本国語大辞典などから中国関係でいえば白川静の『字通』や漢語辞典、平凡社の東洋文庫などがみられるので大変便利。大変便利。

北辞郎:オンラインの中国語辞書。一般の辞書には載っていないような語彙を収めていることがあるのでダメ元で当たるがよい。用例等はないのでメイン使いには向かないが、留学中案外重宝した。

Weblio 中国語辞書:オンラインで利用できる中国語辞書。こちらは例文等も豊富にみることができるので有用。といいつつ、私は物書堂からでているアプリ版の小学館の中日日中辞典をメインで使っています…

愛知大学中国語語彙データベース:愛知大学中日大辞典編纂所『中日大辞典』が刊行50周年を迎えた記念事業の一環として公開。現在、第3版のデータをベースとして運用されている。使ってみたけど、これはいいぞ…となんとなく思った。

CCL語料庫検索系統:北京大学中国語学研究室運営のモノ。単語を入力するとその語の用例がヒットする。たぶん中国語学を研究する人とかは良く使うのだろうと思われるが、自分はあまり使わない。

東外大言語モジュール:中国語学習など第二外国語の学習に有効だと思う。東京外大で学ぶことのできる言語を広く収録しており、中国学関係であれば蘇州や台湾の方言などについても少し触れられているので面白い。

 二松学舎大学の文学部のホームページには中国、韓国研究に便利なリンク集がある。大阪大学中国哲学研究室のHPには電子テキスト一覧として、様々な電子テキストのリンクが用意されている。また、各種工具書については、永田知之氏の「工具書について : 漢籍の整理」(『東方學資料叢刊』、2009年)がよくまとまっている。また、しばしば言及しているが、山田崇仁氏作成、運営の「睡人亭」は電子データベースの使い方などが充実している。(このページを見るよりいいです)ほかにも京都大学の中国哲学研究室の学生による達而録にもこの記事と同様のページがあるので参考にされたい。谷本玲大氏の運営のHPにも工具書に関するページや佐藤仁史氏運営のHPにも工具書案内のページがある。古勝隆一氏の学退筆談というブログにも工具書についての記事が数編ある。(自分も昔、古勝先生の記事を読んで辞書を買ったりしました。)大野圭介氏の朴斎主頁では山海経の解説などに加えて卒論の書き方など学生にとっても有益な記事をみることができる。あと、これは誰のページかわかってないのですが、13階の17号室とある電網の資材置き場というHPもかなり細かく電子データベース等をまとめてくれています。

とざっくり手元にあったものを羅列してみました。皆さんの専門等にあわせてカスタマイズしてもらえればとおもいます。


2022/2/12 記す



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