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新卒メンバーを“子”と呼んでるならバイアスがある #1238


お元気ですかー?今日は「新卒メンバーを“子”と呼んでるならバイアスがある」についてお話ししたいと思います。

「この子」と言わないことで見えた変化

僕は、かつて、新卒メンバーや若い社員のことを「この子」「新卒の子」と呼んでいました。悪気は全くなく、むしろ親しみを込めて使っていたつもりです。でも、ふとした瞬間に気づいたんです。そんな呼び方をすることで、無意識のうちに「彼らはまだ未熟だ」というバイアスを持って接していたんじゃないかと。

・・・「ふとした瞬間」とかかっこつけてすみませんw
本当は何かの本か記事で見たはずです。こんなイメージ↓

社会に出てすぐの若手は、確かにまだ経験が浅いかもしれない。でも、年齢や入社年次に関係なく「優秀な人」「すごい人」はたくさんいますよね。でも、「この子」と呼ぶことには、まるで自分たちの子どものようにとらえる性質が間違いなくありますし、若い=未熟と捉えていると言っても過言ではないと思います。

「この子」と呼ぶことで生まれるバイアス

・・・過言といいつつ、かつての僕なら「えー!過言でしょ!!別に未熟扱いしているわけじゃないよ!」と言ってそうです。
確かに、何気なく、「新卒の子」「この子たちはまだ若いから」といった表現を使っていました。

でも、ある日メンバーの一人が大きな成果を上げ、僕に向かって言ったんです。「櫻井さん、自分が思った以上に任せてくれて驚きました。僕のことを“子ども扱い”しないで、ちゃんと一人の社員として見てくれたのが嬉しかったです」と。(忙しくて支援できなかっただけ)
この言葉を聞いたとき、ハッとしました。僕は口では「任せるよ」と言っても、心のどこかで「彼らはまだ“子ども”だ」と思っていたのだろうし、その気配を感じているからこそのこのコメントなのではないか?と。

それに気づいてから、「この子」という言葉を使わないように意識し始めました。最初は、本人の前以外でも「さん付け」や「〇〇さん」と呼ぶことを徹底しました。(今や僕はすべての人をさん付けで呼んでいます)そしてそうすることで、徐々に「彼らも僕と同じ“プロ”なんだ」と意識が変わっていきました。

「子」と呼ばなくなったことで生まれた変化

意識して「この子」と呼ばなくなると、やっぱりバイアスがあったんだなと感じる瞬間が出てきました。まず、メンバーを年齢や経験に関係なく「一人のビジネスパーソン」として接するようになったんです。少なくとも、教えてやろうとか、できなくても仕方ないという感覚はなくなりました。
逆に言えば、「まだ未熟だから仕方ないよね」と捉える場面もなくなったので、厳しくなった部分もありますが、呼び方を変えるだけで僕自身の感覚や捉え方が変わったのは大きな発見でした。

例えば、あるプロジェクトで新卒1年目のメンバーにリーダー役をお願いしたことがありました。「あの子」と呼んでいたときなら、依頼していない役割だったと思います。でも、「さん付け」を徹底する中で、本人ができるというならできるのではないだろうか?と、しっかりコミュニケーションをとりながら、任せることにしました。結果、その仕事を成功に導き、周囲からも「やるね!」と評価されるようになりました。これは、「この子」と呼んでいたら生まれなかった結果であることは間違いありません。彼女に対して「あなたはこのチームの一員だ」と認めたことが、僕の認識を変えたのです。もしかしたら、彼女の自己認識も買えたかもしれません。

言葉の裏にある意識が大事

言葉は時に、思ってもいないメッセージを自分に(もちろん相手にも)伝えてしまうことがあります。新卒の方を「この子」と呼ぶのは、確かに親しみやフォローする気持ちを表し、その意識を持たせる効果があるかもしれません。でもその一方で、「まだまだ未熟だから大人の僕たちが見守ってあげるべき」という意識を内包していることも事実だと思います。。

僕自身、「この子」と呼ぶことで、彼らの成長を無意識のうちに妨げていたのかもしれません。彼らは「未熟だから」と見られることで、どこか遠慮してしまったり、実力以上の力を発揮する機会を逃していたのかもしれないのです。

言葉遣いを変えることは難しいですが、その奥にある意識を変えることはもっと難しいです。言葉を変えて意識を変えましょう。この意識を変えることができれば、職場の雰囲気やメンバーの成長速度が格段に変わるんだと、僕は信じています。マザーテレサは「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。」と言いましたが、言葉が思考に影響することも多分にあるのではないでしょうか。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

マザーテレサの名言(好き)

最後に

若手を「あの子」と読んだり、役職付きで名前を読んだり、全員をさん付けで読んだり、それぞれの言葉の使い方は職場のカルチャーを作ります。
そういう意味では「さん付け」が唯一の正解というわけではない(上意下達の組織は役職で呼ぶほうがいいかも)ですが、「さん付け」をぜひ試してほしいと思います。
僕の経験上は、もっともバイアスの少ない、お互いをリスペクトしあえる呼び方であり、それにふさわしい言葉遣いやカルチャーを作ることができると思います。(ちなみに、ベンチャーには下の名前やあだ名で呼ぶ会社多いですが、おじさんがご一緒すると「さん付け」されて急に距離を感じるという欠点がありますw)

どういった言葉を使うのか、正解はないですが、言葉を大切していくことはとても大切ではないでしょうか。

では、また!


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