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大学生が死んだ目にならないために~教育方針の変更を意識しよう~

大学に入学した新入生をかなりの確率で待ち受けるものは、
『期待と現実の圧倒的な落差』である。

これについて、誰も教えてくれなかったけど、大学に入ったときに知っておきたかったことがいくつかある。

それを知った今、過去と未来の自分のために、そして似たような思いをもった人のためになればと思い、書きます。

大学への期待は、基本、裏切られる

大学に「期待」をするのは当然だ。
だってあなたは大学に入るためにすごく頑張ったのだから。
勉強する理由は「いい大学に入るため」と教わってきたのだから。
そう言われたから、あの大変だった定期試験も、毎日の受験勉強も、頑張ってこれた。
人によっては1年以上浪人してまで手に入れた「大学生」という肩書だ。

『こんなに頑張って入った大学のだから、きっといいところのはずだ。』
『きっと大学に入れば、素晴らしい未来が待っている!なにかが変わる!』

そう思うのが当然であろう。

そしてそれ故、新入生たちはいつも期待に胸をふくらませ、大なり小なり目を輝かせている。

ただ申し訳ないが、予言させてもらおう。

その目の輝きは、1ヶ月で消える。5月のゴールデンウイークが、死の谷である。死の谷を超えられず、多くの人が、死んだ目とませた心になっていく。

なぜか。

1年生はとるべき講義が多いが、その授業の内容や意味がよくわからなくなる。

以下のグラフをご覧いただきたい。

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青の線は「聞いたつもりの講義の量」であり、「これくらい時間がたち、これくらい講義を受けていれば知識も増えて楽しいだろう」という期待量でもある。

だが実際は、学びの理解度や楽しさというのは、赤のように非線形である

そしてこの期待と実績の違い、つまりギャップが最大化するとき、人は授業に来なくなる。

このギャップが大きくなるタイミングのひとつが、ゴールデンウイークだ。

そしてあなたの目を死なせるのはこれだけではない。

最初の1ヶ月でこれらがあなたを待ち受けるからである。

・教科書をなぞることメインの受け身の授業
・そして教科書を逸脱すると、意味がよくわからない授業
・学習曲線ガン無視な授業構成
・興味ある学部に入ったつもりが、それとは関係が遠い授業

・これといった目標なく大学に入った周りの人
・サークルになんとなく明け暮れるだけで満足そうな先輩
・単位だけを目的にした人
・やがて授業に来なくなる周囲の人
・未成年飲酒と、飲み会での上っ面なコミュニケーション

・自由そうで、授業と課題とサークル1つ入れば埋まり、過ぎてゆく日々
・(一人暮らしならば、)財布との相談の日々

これらが最初の1ヶ月でやってくる。

参考動画をあげておこう。

おおむねこちらの動画の前半部分の通りに、あなたの大学生活は進む。
びっくりするほどに。
この動画を見ていただいた前提で記事が進むので、是非みてください。

絶望を回避するために、教育方針の変更を意識せよ

期待していた大学生活が、前述のようであれば、大学生活に絶望するのも、半ば仕方がない。

だが、だからといって絶望しっぱなしなのも、もったいない。
希望と期待を持ち続けるためにどうすればいいか。

そのために知っておくと良い一つの事実がある。

その重要な事実というのは、
『自分たちが大学入った瞬間、知らぬ間に上の教育方針が変わっている』
ということだ。

これはどういうことか。

先の動画の後半では、

『君は、何にだってなれる。』
『その先は、君の手の平から創っていける。』

というメッセージがある。

このありきたりなフレーズは、本当にそうであり、大学に入るならば是非とも、その意味を考えてほしいフレーズだ。

なぜかというと、大学というのは本質的に、『創りたい人に選択肢を与える場所』だからである。

それは以下の筑波大学が公開している留学コース紹介動画でも明言されている。

そして動画内で、とても重要なフレーズがある。

大学側の仕事は、最高の機会と選択肢を揃えておくことです。
しかしその機会を実際にとるかは、あなた次第です。

なにげなく出てくるこのフレーズは、大学の極めて重大な特徴であり、今まで自分たちが受けてきた教育との違いを明確に示す。

大学は、与えられた授業だけをやれば評価される高校とは違う。

私達は大学に入るまで実に12年以上、言われたことさえやればいい教育を受けてきた。

私達は言われたことを最高にやって、大学はそれを評価して入学を許可した。
なのに、いざ入ると、「あとの成長はもうあなた次第です」と知らぬ間に突き放される。

このような構造であることを意識することは意外と少ないし、大学としてはこれは当たり前すぎる事実なので、教えてくれる人も少ない。

だが、動いている物体に慣性があるように、わたしたちにも学習の仕方における慣性がある。
知るべきことは上が教えてくれる、という学び方の常識がある。
学校に行って席につけば、誰かが教えてくれる。
この常識は、私達の体に染み付いている。

この常識を打ち破らない限り、大学生活というのは極めて平坦で単調になる。

だから、大学をよく見てみよう。
あなたのその「変わりたい!」という思いを叶えるためのチャンスは、実はそこら中に転がっている。

授業はつまらなくても、大学教員というのは研究者としては面白いので、良い質問と関心ありそうな態度を適切な時間にもっていけば、快く応対してくれる。良い議論もしてくれる。

多くの書籍を無料で図書館で借りられる。数多くの有料論文に対するアクセスが整えられているケースも有る。

国や大学が費用の一部または大半を支援してくれる留学や研究のチャンスも多く掲載されている。

遊びメインのサークルだけでなく、なにかを創り探求したい人向けのサークルもきっとある。遊びの中にも人生の糧となる意味と経験は見いだせる。

飲み会では目立たないしイケてなさそうだけど、深い問題意識をもって何かに取り組んでいる先輩も同期も(少数派だが)いる。

経済的に困窮しているけども優秀な学生には返済義務のない奨学金を与える仕組みがどこかにある。日本学生支援機構だけでなく、竹中育英会などの民間奨学金もある。

そしてこれら一番面白い機会たちを、大学は教えてくれない!!!

大学側としても、学生たちに能動的に動いてほしい思いはあるにはあるが、
限られた年数で、最低限の知識を持たせて大学を卒業させるという義務もあるからだ。

だから単位の説明だけはあれだけするのに、それ以外はおいてけぼりだ。

だが、その単位だけが大学じゃない!あの授業だけが大学じゃない!!!!

授業外にも学びと挑戦と意味ある失敗と経験がいくらでもあり、
皆に挑戦する自由とそれを支える枠組みがある!

これが、大学に入った1日目に私が知りたかった事実である。

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さて、老害丸出しで書いてみた。

大学でこれからめちゃめちゃ成長する後輩たちを応援しつつ、追い越されないように気を引き締めないとなと思って書いた。(なお、調子乗って自分が入社先で先輩に詰められるのは目に見えている。)

これを読んだ方が、大学をフルに味わえたらと私は祈っている。

だが、最終的な行動権は当然皆様にある。

私も大学よろしく、知識と選択肢をここに置いて、それをどうするかは読者の皆様に委ねたいと思う。

え、マジっすか、サポートいただけるんですか? え、大感謝以外は、返せないですよ?