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休校におけるICT対応その1(備忘録)

こんばんは。
普段なら部活がある土曜でしたが、休校措置の影響で週末の部活動はなくなりました。

こういう時に何をするか、が大事だと思いますが、今日はランチにカレー屋さんに行った以外は、ほとんど外に出てません。
その分、書斎のMacBook Proに向かって書きものをしたり、「Appleのデジタル教育」を読んだりしてました。

休校対応以前のICT環境

私が勤務する楢葉中学校は、震災後いわき市の仮設校舎で教育活動をしてきましたが、一昨年、町の避難解除指示と共に楢葉町に戻ってきました。

校舎は改築され、町教委のお陰でWi-FiなどのICT環境は整備されておりました。

その時点の環境は、

・校内Wi-Fi
・単焦点プロジェクタ(後に一体型の可動式スクリーンが導入)
・Windows10仕様タブレットパソコン
・生徒用PC(PC室)
・各教科デジタル教科書
・授業支援アプリ「テックキャンバス」by NTT(現在は提供終了→まなびポケットに移行)
・Googleアカウントを全PC、タブレットに付与

普段のICT活用

私の学校がある双葉郡には、東京電力第一原子力発電所があります。
東日本大震災後、第一原発爆発のために20キロ圏内は避難区域となりました。楢葉中学校も(私の家も)その区域内でした。

懐かしい我が家についてはこちらの記事を。


その間、大変なことがたくさんありましたが、それ以上に震災後の復興のため、たくさんの支援をいただきました。
その一つがGoogleさんです。

福島県は現在、全ての公立学校、その職員にGoogleアカウントを付与しております。幸いなことに双葉郡はそれに先駆けてアカウントをいただくことができました。校務支援や生徒の学習のためです。
双葉郡のGoogle Apps(当時。現在はG Suites)活用事例の勉強会なども開かれました。

本校では、毎月の行事予定をGoogleカレンダーで職員が共有しています。これは便利です。土日などでも、学校行事が把握できます。
また、生徒はGoogleスライド(プレゼン)やGoogleフォーム(アンケート)を日常的に行っています。(朝食アンケートやキャリア教育アンケートは、フォームでやってます!!)

昨年からは、eboardさんにお願いして生徒数分のアカウントをいただきました。
eboardさんのサイトは本当にありがたいです。解説動画の語り口調はクセになります。これがあれば、授業でわからなかったところの復習はもちろん、進んでる生徒は、まだ習ってない部分も先取りして学習できます。

代表の中村さんによると、eboardの導入は東北地方ではあまり進んでないそうですが、この取り組みこそは東北のような、将来の過疎地域にはなくてはならないものだと思います。
少子化の影響で、町や村の塾がなくなってしまったら、学校外の学習をどう保証すれば良いでしょうか。eboardは公立学校には無料でサービスを提供していますので、今回の休校措置を機会に、多くの学校が導入してくれないかと思います。

休校措置への対応

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回書きたかったのは、休校を検討する際にICTを活用して何かできないかということ。

部活もない長期休暇に突入するので、生徒と会う機会はほとんどありません。その状況で生徒とやり取りをするのは、今の時代「電話」はないな、と思いました。
電話でのやりとりは、タイミングが違えば全くやりとりができないので、時間の無駄が多いと感じています。

ICTを使ってできないかと思い、EdmodoやGoogle Classroomも考えました。しかし、ふとしたきっかけで本校には「まなびポケット」が導入されていることを思い出し、現在あるものを最大限活用するのが一番だろうと、職員会議が行われている中、せっせと情報収集を行いました。(もちろん会議には参加しています!笑)

休校当日の対応

ということで、休校対応当日に行ったことを備忘録として記録します。

・まなびポケットの掲示板機能について調べる(→ICT支援員さんに)
・生徒が家庭で使えるオンライン接続端末の調査
・まなびポケット、eboardの使用ガイダンス
スクールタクトを使った成果物作成(英語授業:2年は「好きなものプレゼン」、1年は「嘘つき日記」)

1ヶ月の休みになったからと言って、家庭と電話でやりとりしたり、紙のプリントを大量に渡したりすることだけは避けたい、と思いました。
ここで踏ん張らないと「昭和の教育から抜け出せない」と本気で思いました。笑

本校の休校は4日(水)からです。
ICTの良いところは、生徒と会えなくても休業中に適宜、課題を与えたりできること。

本日も、家にいながら生徒とまなびポケットを通じてやりとりができました。
スクールタクトで「好きなものプレゼン」を完成した生徒もいました!!

休校中に学習してほしいこと

生徒にとっては1ヶ月の長期休暇になりましたが、担当する生徒の反応を見ているとそんなに浮かれているわけではなさそうです。
基本、彼らは本当に真面目。ここでの「真面目」という言葉に、悪い意味は全くありません。純粋に真面目なんです。

自分がやらなければならないことに真摯に向かっています。
なので、休校中の心配はあまりありませんが、学習の仕方についてはアドバイスしたい。

私が残り2日の登校日に伝えたいことは、

1. eboardで今年度の復習、及び次年度の予習(可能なら)に取り組むこと

2. スクールタクトでクリエイティブな課題に挑戦すること
 (私は課題作り)

気をつけたいこと

今回、1日で一気にICTを活用した休校時の対策を考えましたが、それでも抱える問題があります。

それは、本校の生徒はまだ、一人一台自分が自由に使えるインターネット接続可能な端末がないということ。

生徒に調査をしたら、各学年1、2名は保護者のスマホでしかインターネット接続ができないことがわかりました。

これまでの学校だったら、そういった生徒はもしかしたら学校からは喜ばれたでしょうね。
持ってなかったら、SNSやアプリ課金などのトラブルは起きません。

でも、そういったトラブル回避の為だけに、生徒をインターネット端末から遠ざけてきた私たちには、以下のような罪があるのでは、と思います。

社会に出てから必要となるスキルを身につける機会を奪ってしまった
遅かれ早かれ起こりうる失敗をただ先延ばしにしてしまった

私自身、反省するところがあり、自分の娘に対してもICTリテラシーの力をつけさせないと、と思います。
我が家も高校受験後にスマホを買う予定になってはいますが、家にはタブレットが溢れているので、少しばかりリテラシーはついてるかな、、、

最後に

たくさん書いてしまいましたが、あくまでも備忘録ということで。
また、これからICT環境を整備する学校さんのお力添えができればと思っています。

一人の英語教師として始まったこの職業ですが、子供たちの将来を考えるとそればかりやってて良いわけではなく、他にもやらなければならないことがたくさんあります。

しかし、そういった現状を悲観的に受け取るのではなく、「前向きに、明るく楽しく、みんなのため」だと思ってやっていきたいですね。

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