見出し画像

ドリルを買いに来た人がほしいのはドリルでも穴でもない #67

「ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく『穴』である

これは1968年に出版された「マーケティング発想法」の冒頭に著者であるT・レビット博士が書いた名言です。

マーケターのほぼ全ての人が知ってますよね。まずはこの格言に触れてマーケティングとは何かを学ぶのではないでしょうか。
プロダクトアウト(売り手の都合)になりがちなメーカーの思考をマーケットイン(買い手の都合)に転換してくれるメッセージがあります。

これの意味するところは、「顧客の欲求の本質を見抜くこと」です。なぜなぜと深掘ったさきにあるのが本質的な欲求です。

それではもう一度考えてみましょう。本当に顧客は『穴』が欲しいのか。

顧客が欲しいのはドリルではなく、自分の商品の利益を上げるためだ。

穴を開ける目的は顧客がその穴を使って木材を組み立てるのです。
木材を組み立てるのは、棚を作るためです。
棚を作るのは、部屋の収納を増やしておしゃれにするためです。
おしゃれにするのは、インスタライブの背景に映して自分をブランディングするためです。
ブランディングするのは、自分の商品を販売して利益を上げるためです。
これは全てボクの妄想ですが、顧客Aはこのような本質的な欲求を持っているのです。

つまりボクの妄想の中の顧客の欲求の本質とは、『自分の商品の利益を上げること』だったのです。ここまで来ると人それぞれ持つ欲求の本質があります。それこそ無限に。それを全て用意するのは無理ですね。

個別最適が可能な社会

ただ、今の世界はこの欲求の本質を叶えてあげることが価値になるのです。AIやロボット、ITが発達したことで個別最適化されたソリューションの提供が可能となりました。

YouTubeやTikTokを開くと、あなたが見たい動画に囲まれてますよね?見たくない動画出てきますか?あんまりないと思います。あれはAIが自動であなたに最適な動画を判断して提供しているんです。個別最適は可能なのです。世の中そこまで発達してるんです。

ただ、商品を作ってるメーカーが顧客の欲求の本質までを叶えることはできません。動画クリエイターが自分の動画に興味のある人を見つけることはできないのです。そこはYouTubeやTikTokというプラットフォーマー、電波を飛ばす通信会社、映像を映し出すスマホメーカーが躍動しています。

つまり、顧客の欲求の本質を捉えて叶えるためには様々なプレイヤーの役割を把握して、彼らと良い関係を構築しなければなりません。

これから台頭する価値とは?

最初のボクの妄想に戻ります。ドリルメーカーは顧客が商品を販売して利益を得るためにさまざまなプレイヤーとの協業が必要です。木材、棚の設計図、おしゃれな部屋の設計、スマホ、インスタ、そして顧客。果たしてドリルメーカーがここまでできるでしょうか?木材メーカーがそこまでできるか?絶対に無理ですね。

そこで登場するのがシステムインテグレーターです。各商品を統合して顧客のベネフィットを実現するプレイヤーです。コーディネーターとかコンサルとかも同じようなプレイヤーです。いまは個別最適を実現するためにモノやサービスをインテグレート(統合)するプレイヤーがとても重宝されているのです。世界に70億通りのニーズがあるのだから、そりゃあ重宝されるでしょう。

つまり、今後はあなたの業界にも名前は違うかもしれませんが、インテグレーター(モノやサービスを統合する人)が登場してくるでしょう。その時のメーカーの生き残り戦略としては、『システムインテグレーターに選ばれやすいモノづくり』だと思います。彼らが顧客の本質的な欲求を叶えるのです。だからこそ、彼らが楽にインテグレートできるモノやサービスを作る必要がありそうです。

最後に

最後まで読んでくれてありがとうございます。(ほぼ)毎日18時にnoteの更新やってるので気が向いたら見に来てください。Twitterもやってます。日々の気づきを適当に呟いているので良かったらフォローよろしくお願いします‼️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?