論文紹介:From serious leisure to passionate pastime: expanding the conceptual landscape(Yazdan Mansourian, 2024)
こんにちは。駒井です。
昨日、シリアスレジャーとフローに関する論文を見つけたことで、今後自分が調べていきたい領域が明確になってきた感覚があります。別々で関心を持っていた概念がつながってきているので、とても嬉しい気分です。
さて、今日も引き続きシリアスレジャーとフローに関する論文を読んでいきます。シリアスレジャー概念を拡張する試みがなされている論文です。
読んだ文献
Yazdan Mansourian (08 Oct 2024): From serious leisure to
passionate pastime: expanding the conceptual landscape, Leisure Studies, DOI: 10.1080/02614367.2024.2413055
https://doi.org/10.1080/02614367.2024.2413055
要約
この論文は、「シリアスレジャー」という概念を拡張した「情熱的な趣味」という新しい概念を紹介しています。
著者は、真剣な余暇がスキルやアイデンティティ形成に焦点を当てる一方で、情熱的な趣味は、余暇活動に伴う感情的な側面を強調する必要があると主張しています。
この概念は、ロジャースの進化型概念分析という手法を用いて、余暇活動の感情的な側面をよりよく理解するためのフレームワークを構築しています。真剣な余暇の枠組みを拡張し、より包括的で包括的な理論モデルを開発するための試みであり、余暇活動の感情的な側面に焦点を当てることで、個人の幸福度や全体的な幸福感に貢献する可能性を探求しています。
特に関心を持った箇所
自分にとっての学び
活動志向であるSLPに対して、今回提案された概念は経験志向である、という整理が興味深かったです。同じ趣味に同じ頻度取り組んでいても、そこへの向き合い方や経験のされ方は人それぞれです。そういった質の違いは経験志向の概念のほうが上手く扱えそうに思えました。
また、趣味への継続的な関与のプロセスとして、3つのフェーズ(関与前、関与中、関与後)にわけられることも参考になります。フローは関与中にプロットされており、SLPや情熱的な趣味とフローの関係性がより包括的に理解できました。顧客に趣味を楽しんでもらうサービスを提供しているものとしては、3つのフェーズに応じた体験設計をする必要性を感じます。どうしても関与中へのアプローチが中心となりやすいですが、関与前や関与後も含めて体験設計することで、他の事業者との差別化になりそうに思います。