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鉄と海の400年

Facebook 4/15 2023 より

漫画 進撃の巨人 では「壁」の存在が物語に「凄み」を出していました。外敵から身を守るためのカナメ。崇められる信仰の対象。実は 兵器を格納している 貯蔵庫。そして、加害者意識が作り出した殻 として。

壁は、ぼくらのリアルな世界にとって何かを突きつけてくるメタファーでした。壁とは、ベンリなもので、時に役に立ち、時により大きな問題を作り出します。進撃の巨人では、そんな壁が崩れる「壁ドン」以降が、さらにリアルすぎる展開でした。

  

瀬戸内海の児島湾で 1951年に始まった「海の壁」づくり
8年かけて1500mの海の壁=締切堤防ができました。それが、児島湖の締切堤防です。


現在は、南海トラフ地震を想定すると壊れるだろうし、その周辺の干拓地や市街地への津波水害想定が高いので急ピッチで「壁」の工事が進められています。


壁のなか、は 世界2位の大きな人造湖になり。塩害はなくなり 干ばつ害も減り 干拓地が広がり 営農地区は広がりました。


「海の壁」は、この大きな堤防だけでなく。瀬戸内海では、1200年前の奈良時代から「干拓」という形でずっと行われてきました。
この辺りは以前は、ぜんぶ海。20余りの島が浮かぶ「瀬戸の穴海」でした。
同じ頃、中国山地では、タタラ製鉄が始まり海に砂が流れつづけ、400年前くらいからは戦国大名たちによる干拓がさらに加速していきます。
海は「壁」だらけになっていきます。もちろんそれらは、水田を作り治水をし人口を増やし産業を大きくしてきました。

私がこども時代から慣れ親しんできた児島湖は、生活排水による汚染の湖でした。それは壁の外にいる人たちのために、一新に背負ってきた壁の中の場所。それは今も変わっていません。


 

壁で何かを隔離する。壁のおかげと崇拝する。これ以上、一体どこに壁を作りたいんでしょうか。壁を中を、美しく再生させるには、それは一回
浄化のサイクルがきっと必要です。
何かを壁で隔てたら壁の中はどうなってもいい何をしてもいいというスタイルから「社会をよくする優しい壁ドン」へ。壁の中のマイナスを受けたものたちを、壁の外が内包して一緒にぐるぐる支えていくルネッサンスへ。




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