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異業種(消防士)からエンジニアに転職した際のポートフォリオを振り返ってみる

度々上がる話題ですが、最近も実務未経験エンジニアのポートフォリオが話題に上がっていました。

その関連で上記ツイートを見て「そういえば自分が3年半前に消防士からエンジニアに転職する際、アピールしたものが正にそれだったな〜」と思い、もしかしたら今ポートフォリオに悩んでいるエンジニア志望の方の参考になるかもと振り返り兼ねてまとめました。

🚧 諸注意
⚫︎ タイトル・文中でのエンジニアはソフトウェアエンジニアを指します
⚫︎ あくまで3年半前、2018年当時の情報です。これと同じようなものを今見せても評価されるかどうかはわかりません ※ 今の採用担当の方が見たらどうなのかちょっと意見もらいたい気持ちも(ボロクソ言われそうで怖い...)。


 自己紹介

2018年2月、28歳の年に消防士から独学でエンジニアに転職し、現在 32 歳。茨城県の田舎で、 妻と 6 歳の息子と義父の 4 人でのんびり暮らしてます。趣味は懸垂と個人開発。消防士からエンジニアに転職した経緯は以下のエントリーや Podcast にあります。GitHubはこちら

当時アピールしたもの

転職時は以下2つをアピールしました。ただ、どちらもエンジニア転職のために作ったのではなく、転職を考える以前にプログラミングが楽しくて作ったものだったので、その点が今のポートフォリオという文脈と少し異なるかもです。

① 妻の鍼灸院の患者管理システム

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* 言語: Ruby, JavaScript
* フレームワーク: Ruby on Rails, Vue.js
* DB: MySQL
* インフラ: Conoha VPS

妻が開業している鍼灸院の患者情報管理が、Excelだと何かと不便だったので作成したWEBアプリです。 患者情報・来院履歴のCRUD、会計ソフト向けの売上データCSV出力、経営データのグラフでの可視化などが行なえます。レスポンシブでSPにも対応しています。

以下リンクから当時のデモサイトが動きます。
※ herokuの無料プランなので立ち上がりが遅いです

https://patient-db.herokuapp.com/ 
(ログイン情報: EMAIL: hoge@hoge.com, PASS: hogehoge)

💬 振り返り
Railsによるユーザー認証・データのCRUDというとてもシンプルなアプリで技術的にはアレですが、会計ソフト用のCSV出力や、統計情報など+αの機能もあり、個人的に今振り返ってもよく出来ているなと思います。2021年現在も妻の鍼灸院で現役で動いていて、年度末の確定申告で大活躍中💪

②救急報告書作成業務の改善ツール

報告書エラーチェッカー

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* 言語: VBA
* インフラ: Excel

救急隊にて救急報告書作成後の目視による形式チェックが面倒すぎて、なんとかしたいとExcelで作った救急報告書のエラーチェッカーです。某N社製の救急報告書の入力ツールが、印刷前に生成するExcelデータを自動で抜き出し、整合性や誤字脱字をチェックしてエラーとして表示してくれます。

💬 振り返り
VBAでプログラムを組んだだけのExcelシートで、見栄えはないですが、業務的なインパクトはこれが一番あった気がします。当初自分だけが使っていたものが、紆余曲折あり所属する消防本部の全署所で使われるようになり、業務改善に大きく貢献しました。自分が退職後もしばらく使われていたようです。やはExcelしか勝たん。

報告書本文作成補助ツール

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* 言語: JavaScript
* フレームワーク: Electron, Vue.js

 救急報告書には活動内容を自由入力する欄があり、ある程度活動でパターン化されているものの、毎回手動でタイプするのが面倒でした。

更に年配の隊員の方はそもそもタイピングが遅く大変そうだったので、活動内容の選択項目から文章を自動生成できると便利だろうと作成したElectronによるスタンドアロンのデスクトップアプリです。Windows用にビルドして配布していました。

💬 振り返り
内部は本文生成のための超絶IF文で、ユニットテストもなく、今見たらやばいロジックなのですが、機能はかなり使いやすくて重宝していました。デザインについても個人的には必要十分で良かったなと思います。業務PCがネットへの接続を制限されていたので、セキュリティも鑑みデスクトップアプリとしてビルドした点も機転が効いてたなーと思いました(自分のPCでビルドしたものをUSB経由で勝手に突っ込んでた点はヤバすぎry)

また、これら2つの消防での活動は、別途経緯や効果等をスライドにまとめ選考時に共有していました。

これは、ある会社が選考に構造化面接を取り入れていて、その課題としてWord1枚程度で問題解決のエピソードをまとめて欲しいと言われた際に「いやいや、Wordじゃ語りきれん。パワポでアピールしたる..!!」と気合を入れて作ったものです。

その気合が功を奏して、その面接は通過し、他の会社の面接でのアピールにも使えました。今読んでも頑張ってたなと思います。

選考結果

何社応募したのかうる覚えなのですが、たしか8社程カジュアル面談を申し込み、選考に進んだのは5社。そのうち3社に内定をもらい、最終的に某医療系メガベンチャーに就職しました。その会社の選考通過は業務経験者でも中々難しいと言われていたので、ある程度当時のアピールは効いたのかなと思います。

おわりに

以上、自分がエンジニア転職する際にアピールしたポートフォリオでした。

書く前から思ってたのですが、やはり今よくあるキラキラポートフォリオ(Next.js ! TypeScitp! CI/CD! AWS!UT完璧!)と比べるとなかなか泥臭いものでした。ただ、それぞれプログラムの向こうにユーザーがいて、その人に向けてシステムを作り、ちゃんと成果を出した点が評価してもらえたのかなと思います。

また、自分の転職の経緯が「プログラミング超楽しい→これを仕事にしたい→エンジニア転職」だったのに対して、今の多くのエンジニア志望の方は「エンジニアになりたい→プログラミング勉強→エンジニア転職」なので、違うものになるのはしょうがないのかもです。ですが、勉強の過程でプログラミングを用い日常の不便を解決する機会は無数にあると思うので、是非そういうポートフォリオにも挑戦してもらいたいなと思います。

この記事が、今エンジニアを目指して頑張っている方の何かしらの参考になれば嬉しいです!!!

Twitter: @KawamataRyo
GitHub: kawamataryo


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