議員生活一年を終えて(一般質問編・上)

こんにちは!
私も議員生活がやっと一年になりました。

落選後、繰り上がりの話が出た時は半年間、いつ始まるかもわからない、
なったらなったで、目指す不信任が可決すれば解散となる可能性、つまりいつ終わるかもわからない中で、駆け抜けた一年でした。
正直、色々ありすぎて三年くらい過ごした気分です。

せっかくだからこの機会に一年の総決算的なものを書ければと思いました。
ひとまず、一般質問をベースにその後どうなったか、どう考えたかなどを書ければと思います。

令和4年6月議会 〜アップルウォッチと通学路〜

4月に議員となってから、初めての議会でした。
私は二つ、質問を持っていきました。

1.アップルウォッチによる自宅療養者見守りシステムの
コロナウイルス第6波における活用状況について
2.真鶴町内通学路における危険箇所の把握並びに保護者
への周知状況について

議員になったときに、町長の不正に関する追求で町政はだいぶ混乱している状況で、
私自身は議員になる前から記者会見などを追ってはいましたが、報道で一部を見れるだけでした。

勝手がわからない中で、自分の得意分野(デジタルとか、現役世代目線)で話を聞こうと議事録やニュースを調べてこの二つを質問として提出しました。

対コロナに革新的だったAppleWatch事業

AppleWatchについては、診療所に導入されたAppleWatchとiPhoneのセットをコロナに感染した患者に貸し出すことで、血中酸素飽和度を測定し
そのデータを診療所と通信してやりとりし、異常があった時に診療所側から
搬送の手続きが取れるというものです。
血中酸素飽和度はコロナウイルスに感染した際に重要なモニタリング指標とされていました。
県から酸素飽和度計が貸し出されたりしていましたが、コロナ感染した知人などの話を聞くと、かなりしんどい状況で、そんな時に酸素飽和度計を指につけて測定など、能動的に出来るかなと疑問で、
そんな中腕時計としてつけっぱなしにするだけで定期的にそのデータを取って遠隔地から確認し、適切な処置が取れるとなれば画期的だな、と思いました。

「革新的」を「実用的」にする難しさ

反面、行政とシステム系の仕事をしていると、画期的なシステムを導入してもうまくいく、いかないの差が極端な場合がよくあって、その分水嶺となるのが「行政側がよくシステムを理解しているか、その上で運用に積極的か」というところです。
(この問題については、後々の一般質問でもぶち当たる壁になります)

また、画期的なシステムは今までに予期していない課題にぶち当たる事があります。
全国の先進となる、と胸を張ったシステムであればそういった課題発見も先駆者の責務です。
導入から200人余りの陽性判定が町内でもあった中で、
運用がうまくいっているか、課題発見が出来ているかという観点での質問でした。

結果としては、200人いて貸し出しは1人だったそうです。
測定用のAppleWatchは10台購入しているのに、結局その中の一台しか、
一度しか稼働しなかったことになります。
今考えても不思議な話で、これは華々しく全国ニュースに出た割に事業としては成功とは言えないのでは、と思います。
課題についても搬送の時の車両などの問題ということでした。

私としてはそういった機器に慣れていないから充電がうまくできないとか、
腕の細さがAppleWatchのサイズに合っていなくてうまく酸素飽和度が取れなかったとか、そういったことを想定していたのですが、一度の稼働ではデータも何もないよな、といったところです。
しかし当時の私はあまりきちんと突っ込めず、今思い出しても歯痒い限りです。
ちょうど新型コロナが2類相当から5類へ変更となる中で、どうするのかをもう一度確認しようと思います。

「守りたい」は保護者も地域の人も同じ

通学路の件は、県が独自に調査した中で通学路の危険箇所について、県内に1500箇所あるとの報道でしたがそれがどこか、というのは報道されていませんでした。
果たして真鶴町の中に危険箇所があるのか、対処が取れているかという質問でした。

結果としては県の調査で危険箇所となったのは3箇所あり、
それ以外にも町が把握した注意すべき箇所は保護者や児童を中心にきちんと情報伝達が出来ているとのことでした。

それを受けて、私は一点のお願いをしました。
保護者やお子さんを持たない家庭の方でも、運転者として子どもたちの安全に気を配っている方がいます。
実際に、私が選挙前に駅に立っていた時、毎朝顔を合わせて話しかけてくれるようになったタクシーの運転手さんから、
「横断歩道も薄くなっているし、毎日運転して通学する姿を見かけるけど、子どもたちが心配だよ」という言葉をいただきました。
横断歩道を再塗装するのはもちろんだけど、こうやって気を配っている方もいるのだからこういった方にも危険箇所が確認できるような体制にしてほしいと伝えました。
その後一ヶ月くらいして、3箇所の危険箇所で横断歩道が薄くなっていたところは再塗装され、通学路の安全についてはホームページで公開がされました。

何もわからない中での初めての議会で、小さいことかもしれませんが、
こうやって町の方の声を行政に反映させるアクションが起こせるんだと
実感した一般質問でした。

令和4年9月議会 〜職員の業務逼迫〜

この議会で私の表題は「真鶴町役場職員の人員管理について」でした。
二回目の一般質問にして、質問をすることそのものに対し、
大いに頭を悩ませるものでした。
というのも、実際に退職者が退職者が沢山出ていることと不祥事の因果関係が注目されがちですが、そこについては因果関係の認定が非常に困難です。
しかし、町が対応を迫られる大きな課題でもありました。
また、注目度の高い事象でしたので他の同僚議員も同じテーマを質問で扱うことが十分に考えられました。
退職者の動機やその点の町側の対応の仔細はそちらに任せるとして、
私は今残っている人がこれから少しでも業務の逼迫が楽にできること、
新規に望む人材が多く獲得できるようにという提案型に質問を振り切りました。

「宿直廃止」のその後

その中でも、「宿直の廃止」についてはその後に動きがありました。
そもそも私のホームページ経由で「職員の不祥事が合ったので宿直など夜間に職員が当たり前にいる体制を見直すべきだ」というメールを匿名でいただきました。
それって可能なんでしょうかと、議会外で職員の方にヒアリングにいったところ、近隣でも真鶴町しか行っていない上に人数が少なく担当の頻度も高い上に宿直明けに勤務があるなど、大きな負担として感じている事がわかりました。
加えて過去に宿直制度の見直しを内部で検討しても予算の問題で実施が難しいとの回答だったとのことです。

しかし、ここで宿直の廃止は防犯対策ともなるし、業務逼迫状態においての対応策など、以前にはない沢山の意味を持ち始めており、
提案策の中の一つとして一般質問に含めました。

結果として、一般質問当時は費用面で理解が得られないとのことで否定的な見解ではありましたが、
昨今報道にも合った通り、新年度には外部委託して宿直を廃止するとして、
予算が組まれています。
半年かかりはしましたが、一般質問で否定をされてもその後の役場内の議論に上がれば結果は変わるのだと、大きな勉強になりました。

現実的に、でもやることはやる

ただ、この質問をするしないに関して一番恐れていたのは「行政が行動しない免罪符を与えてしまいかねない」ということです。
議員の仕事で「役場の事業に対する姿勢を問う」ことは大きなウェイトを占めます。
そんな中で大前提として「真鶴町役場は人員不足で業務逼迫していて大変」という状況を共通認識にしてしまうことは、危険も孕んでいます。

そんな中で、事業や部署単位で考えた時に、
本当に逼迫しているのか、
それとも言い方はとても悪いですがそれを理由に手抜きをしているのか、
どちらもこの「人員不足」という印籠をかざすことでこちらの追及をかわせてしまうことです。

一般質問をする前に報道でこの問題が取り上げられましたので、
聞かない方がおかしいなという状況でしたが、
実際にまた、人手不足を理由に新年度予算の新規事業は人手不足を理由に
1つだけとなりました。
また港湾の指定管理や水道の事務など、業務の逼迫が理由の一つに挙げられる事がありました。
ただ、掘り下げていくと他の理由が問題の本質であることもありました。
掘り下げなければいけないという手間が増えましたが、
そこは丁寧にやっていく他ないかな、と思っています。

採用の難しさには新しい価値観で勝負すべき

ちょっと一般質問に話を戻します。
人員不足の背景には公務員の中途採用年齢引き上げがあります。
元々は地方自治体に人が集まらないことからの対応策でしたが、
これが自治体間での移籍を活発にしてしまい、真鶴町に限らず待遇面で劣る小さな自治体が直面している問題の本質でもあります。
私は打開策として都市部で掛かる2歳までの保育料と真鶴町はそこが無償であることの対比から、それを補助のように考えて都市部からの採用を活発化させてほしい、いってしまえば移住や観光のような真鶴のPRと合わせて
待遇ではなく「真鶴での暮らし」という価値観の提供を武器に
その暮らしが大きく違う都市部の人に訴求を行なってほしいという思いがありました。

しかし、役場側としては「職安や公務員求人サイトへの掲載を開始する」という対策でした。
第一段階としてはそれでいいのかなとも思いました。
というのも当時神奈川県の有効求人倍率は47都道府県中46位で、
「正規雇用」というだけで勝負が出来る可能性もあったからです。
ただし、公務員求人サイトで横並びに他自治体と比較されては結局のところ他の自治体と待遇面での比較になり負けてしまいます。
ダメだとわかれば二段階目に自分が提案したような土俵を変えた勝負をしてもらえればと考えていました。

結果として、新卒は集まりますが特定の資格を持つなど、即戦力の中途は難航している印象です。
また不安なのは教育計画や採用計画による明確な逼迫解消の目標がないことです。
この問題については、一般質問とそれ以外も含めてアプローチを行なっていきます。

次回、12月の一般質問に続きます。

お読みいただきありがとうございました。


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