屋号の事
2024年5月現在、お酒を売る為の免許『酒販免許』の申請を済ませ、現在認可を待っている状況です
通常、申請から認可までは2か月ほどかかる為、事業の開始に必要な様々な事を進めていきます
開業届での屋号登録
まずは『開業届』の提出
こちらは実際の事業の開始と前後しても良いようなのですが、自分は早々に済ませてきました
開業にあたってはいったん「法人」ではなく「個人事業主」を選択
こちらはゆくゆく申請予定の補助金関連にまつわるタイミング的なものが理由だったりします
個人事業主として開業届を出す場合、「屋号」というものを申請できます
(しなくても可)
わたしは法人登記の際に使用する予定の名称『L É F』を屋号といたしました
屋号『L É F』について
ワインにまつわるお仕事に携わり、かれこれ20年以上
文字通り数えきれないほどのワインに出会ってきました
一口に「ワイン」といっても様々なタイプのワインがあります
それは産地とか品種といったカテゴリーの事ではなく、ワインそのものの「立ち位置」といったお話です
わたしがお世話になっていたショップは比較的規模が大きかった事もあり、色んなタイプのワインを扱っていました
「これ売れやすいから」ではなく「これを飲んでみてほしい」…
戦略的・ビジネス的な目線ではなく、純粋に自身が惹きつけられるもの…
自身で自由にワインを扱って良いなら、そんなワインばかりで揃えたいと思っておりました
『L É F』は自身が考える、そんなワインが持つ要素の事です
Liberté(自由)
「リベルテ」と読み、フランス語で自由を意味します
ワイン造りには様々な制約やしがらみ、既成概念との戦いがあります
置かれた状況の中でより良いワインを目指し、様々な選択肢の中から最適解を模索し選択と実行の連続、やりたい事とできない事、その年その年気候、場所や施設、資金の制限、伝統的な産地ならではの要求、「こうあるべき」といったパブリックイメージ、などなど…
「より良いワインを目指して」は全ての造り手の共通概念である事に疑いはない中で、より強い意志でそういったリスクに立ち向かった形跡がワインの中に刻まれている
あるいはそんなしがらみはどこ吹く風、何物にも縛られず軽やかな足取りでサラりとオンリーワンなワインを生み出してしまう天才肌の造り手…
「自由」なワインに出会うと、こちらの心も奮い立ちます
Égalité(平等)
「エガリテ」と読み、こちらは平等を意味します
ワインは歴史や伝統、権威といったものと強く結びつくものではありますが、同時に古くから日々の食卓に当たり前に乗せられるものでもあり、いわゆる「ハレとケ」を両立させる飲み物です
一本数百円程度のものから数百万円まで、文字通りピンからキリまで存在します
価格が低い=価値が低い、価格が高い=位が高い、といったことではなく、それぞれが活きる場面で飲まれるべき(または置かれるべき)と考えています
ハレの日にはとっておきの一本を、ケの日には寄り添ってくれる身近な心休まる一本を
慣習的な評価や権威に依らず、本質を見据えて過不足なく相対できるよう心がけております
Fraternité(友愛・博愛)
「フラテルニテ」と読み、友愛、または博愛と訳されます
ワイン造りは経済活動であり、ビジネス的な視点が要求されます
また、ワインの流通ももちろん同様です
でも、それだけでしょうか?
「ものづくり」を行う方々は先述の通り、より良きものを目指し日々努力されている事に疑いはありません
つくられたものには、人の思いの他、生まれた風景、積み重ねられた時間といった様々な要素が詰まっています
では、扱う側はどうでしょう?
どこまで要素を汲めているでしょう?
求められるのは知識や経験でしょうか?
わたしが考える大切な事は、広義的な意味での「愛」だと思っております
利益追従に重きを置いたワインビジネスではなく、思いや背景を受け取り伝える事から足が離れないよう、3つの単語の中でも特に意識するものであります
大切にしたいこと
お気づきの方も多いかと思いますが、これら3つの単語はフランス共和国の標語として掲げられるものです
それら3つの頭文字をとって『L É F』といたしました
自身がワインから感じる大切なことであると同時に、自身の事業の礎としても欠かせない要素でもあるとの思いから、屋号といたしました
(なんでフランス語?というお話はまた別な機会に…)
屋号の偉大さに恥じないよう、自身を律して活動していきたいと思います
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