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「越境」について考えたこと

先日東京で開催された「越境4.0時代のリーダー育成」というタイトルのセミナーに参加してきました。
http://crossfields.jp/update/20191106/

なかなか非常に有意義で、気づきの多い会になったので、今回はその内容というより感じたことや考えたことを言語化したいと思っています。

僕自身「越境」しながらキャリアを積み重ねてきた側の人だと思っていますし。
そこから生み出される価値は計り知れない
なと感じています。

皆さんにもその大切さをお伝えしたいという気持ちでいますし、また具体的な材料も提供できればと書いてみました。



「越境」とは?

言葉の意味だけだと、国境を越えて活動していくことを、基本的にはさしているのでしょうが、ここでは職種や業種をまたいでの交流や活動も含めて表現しています。

一昔前までは、一つの会社や一つの職種(キャリア)をひたすらに極めていくという働き方が一般出来だったのかもしれないです。
また業界を変えてまで転職する人って、非常に少数派だったのではないでしょうか。

僕が普段いる分野で考えてみると。
福祉分野でソーシャルワーカーとしてキャリアをスタートしたら、一つの職場でその経験値を積み重ねていく人がほとんどです。
転職しても、大きく職種や業界を変える人は少なくて、似たような経験値を生かせる職場を選択しがちでした。

(まあ福祉業界は別の問題があって、給与の安さから若い優秀な人材が別の業界に転職していってしまうというのがあるのですが、ここではそれは置いておきます)


結果だいたい同じような雰囲気と考え方の人たちが集まる集団が出来上がって、ある種の人にとっては、非常に居心地の良い空間が出来上がるのかもしれません。
そういうスタンダートからいくと「越境」とは異端な行動なのでしょう。

あえてそういう既定路線から外れて。
同質性をもった人たちの世界の中で延々と経験値を積み重ねてくだけではなく。
その境目を越えて、別の業界、職種、職場の人と積極的に交わることで学び経験値を積んでいく。

文字通り国境も超えて海外での経験を積み重ねていくことが、今の不確実な世界の中でキャリアを積んでいく上でとても重要だと考えています。



僕自身の越境体験

かくいう僕も、かなり「越境」して自分自身のキャリアを積み重ねてきている感覚があります。

これまでもnoteで何度か書いてきているので詳しくは書かないですが。
基本は福祉業界でのソーシャルワーカーとしての経験、精神保健福祉士としてお仕事してきています。
ただそれだけではなく、趣味みたいなものですが、お金について考えることが多く、資産運用や経済経営といった側面も意識してお仕事をしてきました。

特にこのお金については、経済的に不安定になりがちな福祉のお仕事に、やりがいを見出し活動をしてくる中で、とても重要なファクターだったなと思っていて。
それがあったからある意味自由に安心して新しいことにチャレンジしてこれたなと思っています。

また働く職場についても、社会福祉法人や医療法人といった、ソーシャルワーカーがよくいる職場での仕事経験ももちろんですが、株式会社のなかでの経験。
ベンチャー企業に入社してそこから東証一部にIPOするまでのプロセス、会社が大きくなって様々な課題を乗り越えていくプロセスを身近で見れたのもの良かったです。

あわせて後半は株式会社の人事系の部署に所属させてもらったので、福祉現場での対人援助職という経験だけでない、人材採用育成についての経験値も積ませてもらえたのは財産です。

あわせて、海外への「越境」も多少チャレンジしてきていて。
純粋な海外旅行とかも好きですけど。
仕事で国際学会参加や視察など、視野を広げるうえでの欠かせない経験をしてきました。

海外に出ていくことについては、必ずしも日本と比べて良い経験ができるという話ではないです。
しかし、地球規模で考えて、その上で地域で活動するといった、「Think Globally Act Locally」の視点を持つきっかけになりました。

2019年からは経営学などを学ぶ社会人大学院にも通うようになり、そこでこれまでであってこなかった同級生と出会うことで、新たな自分自身の変化を感じています。


このように、いわゆる「越境」の価値をとても感じつつ人生を前に進めてきている実感があります。



「越境」の機会をいかに作るか

僕自身がこれだけ自由に境目を越えて、人と出会い経験し、新たな気づきや成長を与えてもらえたのにはいくつか理由があると思います。

運も大きく影響してきました(誰と出会うか)

だいたいにおいて、出会う人って選べないところがあって。
人生振り返ったときに、どの人とどのタイミングで出会うかで、大きくその先の人生が左右されることがあるかなと思います。

また、行動力なども重要。

ぱっと思い立ったらすぐ行動すること。
気づいたら連絡して会いに行くとか。
同じパターンになりがちな人生の選択肢を変化させるために、違ったことをするというのがシンプルでやりやすいですね。


さてそんな成長機会を作り出す「越境」の経験。

これを意図的に作っていくために、とてもシンプルな方法があって、それが

「海外へ行く」のと「人に会いに行く」です。


自分の脳みそでできる発想は限られているので、自分で考えるより、大きな世界の流れに身をゆだねちゃうのです。

そのためには、偶有性にまみれた、海外へ出かけることと、出会ったことのない人に会うことが、とても効果的だと考えています。

そういうチャンスを自分で作っていける人は、どんどんチャレンジしたらいいと思っています。

ただそういう機会って、作りだすのには一定のエネルギーが必要なので(特に最初の一歩)。
すべて自分で経験機会を作っていくのは大変かもしれません。


ちなみに、フクシのみらいデザイン研究所では、海外視察研修の企画を準備中です。

主に福祉業界で働く人材向けの研修会と、その中でも管理職やリーダー職の人向けの研修会を考えていて。

自分でもそうでしたが、こういうのに参加することで、必然的に境目を越えて新たな経験をすることもできますし、普段出会わない人たちとの交流が発生することになります。

少し先の、おそらく2020年の夏以降ではあるのですが、具体的な越境による価値を、気軽に経験してもらえるフィールドを準備したいと思っています。



まとめ(越境によりもたらされる明るいフクシのみらい)

「越境」というキーワードは、今の不確実な世の中において、意図的に自分自身を、そして社会を発展成長させていく上で重要と考えています。

僕はその境目を越えて得た価値によって、人生を充実させてきた実感があります。

これは個人の生き方という意味で、たぶんよい選択だったのかなと思っています。

でも僕自身の思考性として、越境をしてくことに対する抵抗感や不安感は少なかったので、勇気をもって行動して得られたのかなと思っています。

すべての人にこの経験が価値を生み出すとは思いませんが、少なくとも選択肢の一つとして提案したいとは思っていて。

なので今後もフクシのみらいデザイン研究所で海外研修旅行を企画していきたいなと思っています。


古典的な経済学者、シュンペーターさんは「新結合」という言葉でイノベーションを語っています。
平たくいうと、社会にある既存の何かと、もう一つの既存の何かを掛け合わせたときにイノベーションはおきるのです、という話。

福祉の世界で当たり前に言われている何かと、ビジネスの世界で当たり前のように言われている何かが掛け合わさり、新しい価値が生み出されるわけです。


個人が越境経験を繰り返し、成長していくプロセスで。

きっと福祉の業界も、それ以外の社会にもより良い価値を発揮していけるのだろうなと思っています。

ソーシャルイノベーションとか言ったりもしますが、社会課題を解決していくプロセス自体が社会をより良いよいものに変化させていくのでしょうね。

そうやって明るいフクシのみらいをデザインしていきたいです。


今日はこれくらいで、ありがとうございます。




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