白でもなく、黒でもなく……
目の前で、ふたりの人の話し声が聞こえてきたのです。
どうやら、片方の人が黒白をつけたい様子で「どちらにしますか?」と聞くと、「どちらでもない……」という返答。
「白でもなく、黒でもなく、グレーってことでしょうか?」とやんわり聞き直すと「透明……」と答える。
と、透明……。
会話が成り立っているかどうかはさておき、ここで無関心ということを「透明」という言葉で表現したなら、迂闊にも、ちょっと見事かも……と思ってしまった。
白黒ハッキリさせたいときに、ぜんぜん色とは別の話にするでもなく、色が無い透明を持ってきたところに良さがあるように感じたんですね。
こういうのは、水平思考に通ずるような感じがするんです。
たとえば、13個のりんごを3人に均等に分けなければならないとき。
・4個ずつ分けて、残りの1個を3つに分ける
・重さを量って、重量を目安に均等に分ける
このあたりが論理的思考と呼ばれるものだと思います。それに対して、水平思考の場合は、たとえば……
・ジュースにして分ける
……というような発想ですね。
仕事に追われていると、論理的思考が優位になっていく感覚があるのですが、そういうときこそ、水平思考を意識したいですね。
前提を疑うことによって枠組みにとらわれず、行動の選択肢が増えるに違いありません。
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