大学院修士課程に進学するべきか?

今回の記事は、現在、大学生3、4年生で、修士課程に進学するべきか、就職した方がいいのか迷っている方に向けて書いています。また、そのような人が家族や友人など周りにいる人にも読んでほしいと思います。

 簡単に私の自己紹介をしますと、私は国立理系大学工学部を卒業後、同大学院の修士課程を修了し、現在博士課程の3年生です。

 今回、大学院修士課程に進学するメリットとデメリット、そしてどういう人が進学した方がいいかを私の経験に基づいて書いていきます。迷っている人へのヒントになれば幸いです。なお、私が修了した学部は工学系なので、文系の方や医学系、理学系の大学院の実情はわかりません。それでも、大学院という枠組みで共通する点は多くあると思うので、是非最後まで読んで頂けると幸いです。また、私が前回書いた記事「博士課程に進学するべきか?」も合わせて読んで頂けると、大学院とはどういうものなのかをよりイメージできると思います。

まず、私が考える大学院修士課程に進学するメリットを5点挙げます。
1.学部のときよりも研究できる。学部では、大学4年時に研究室配属され、1年間研究活動を行うのが一般的だと思います。修士課程は2年間あるので、より長く研究に打ち込めます。また、修士課程を修了するのに必要な単位数は約30単位程と、学部のときよりも少ないので研究活動に専念しやすいです。教授というエキスパートの考え方を吸収できる
2.学会発表や論文投稿のチャンスがある。学会発表や論文投稿は、社会人になったら研究職でもないかぎりなかなか経験できません。自分の名前が研究活動を通して世の中に公表されるチャンスです。
3.民間企業などで研究職に就職しやすい。就職活動で得た情報では、企業にもよりますがメーカーでは大学院卒の人が研究職に就く割合が高いようです。大学院で得た専門的知識や研究活動を行う際の姿勢は、企業でも活かせるでしょう。
4.修士卒の方が学部卒より初任給が高い。これが理由で進学する人はいなさそうですが…。客観的事実として記載しておきます。
5.自由な時間が確保できる。先日投稿した「大学院博士課程に進学するべきか?」でも書きましたが、大きなメリットです。社会人と比べると、大学院生は自由時間がたくさんあります。もちろん、中には長時間の研究が必要で時には徹夜もするブラックな研究室も存在します。自由な時間を、研究以外の自分の好きなことを追求する時間に充てるのもありです。例えば私の場合、研究の合間を縫ってランニングしたり、水泳教室に通ったり、資格勉強したりしていました。


ここまで、大学院修士課程に進学するメリットを書いてきました。次に、進学するデメリットを3点挙げます。
1.社会に出るのが学部卒と比べて2年遅れる。学部卒の人は、修士卒より2年多く会社での業務を通してビジネススキルや専門知識などが身につけられ、会社での人間関係も構築できます。私の学部は大学院進学率が例年ほぼ8割です。周りの友人が進学するから、という理由で進学する人も少なからずいますが、それではまずいです。大学院での研究が自分の本当にやりたいことか、そして将来につながることか。よく考える必要があると思います。
2.金銭面。国立大学院では135万円、私立大学院では180万円(目安)、法科大学院では270万円かかります(参考:https://careergarden.jp/column/daigakuinshingaku-gakuhi/#:~:text=%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2%E3%81%AE%E5%AD%A6%E8%B2%BB%E3%81%AF%E3%80%81%E5%9B%BD%E7%AB%8B%E3%81%A7%E3%81%AF%E7%B4%84135%E4%B8%87%E5%86%86,%E4%B8%87%E5%86%86%E3%81%8C%E7%9B%AE%E5%AE%89%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
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3.修士卒って中途半端。博士課程に在籍している私から言わせると、修士卒ってすごい中途半端な肩書きです。民間企業で研究職以外の業務に携わるなら学部卒の方がいいと思います。大学院生って、だらだらしている人も結構多いです。修了するだけなら簡単だからです。授業ちょっと履修して、修士論文書いて、発表すればいい。修士論文も学術論文としてまとめられるほどの成果はいらないですし、当然学術論文書かなくても修了できます。学会発表もしたくなければしなくてもいいんです。能動的に取り組む意志、研究活動や研究内容に関する興味や好奇心。これらがないと、修了してから「時間無駄にしたな」と後悔することになりかねません。私は修士課程で研究成果を出して、学術論文を書きました。学会発表にも参加しました。どうせ進学するなら、在学中に「○○本論文を書く」、「○○回学会発表する」など、目標を立てるのも良いかもしれません。

最後に、メリットとデメリットを踏まえて、どういう人が修士課程に進学するべきかについて書きます。以下の項目にすべて当てはまるのであれば、進学を勧めます。逆に、一つでも当てはまらない項目があれば、再考する余地があります。
1.将来、民間企業で研究職に就きたい、あるいは博士課程に進学して大学教員になりたい
2.研究が好き
3.金銭的余裕がある、あるいは奨学金を返済できる自信がある


終わりに
 ここまで、大学院修士課程に進学するべきか?という問いについて考えてきました。この記事を参考に、迷って悩んで考えてみてください!

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