道半ば
カナカナカナ
蜩(ひぐらし)が呼び起こす
冷たく硬い皮膚の感触
記憶を辿る
泣けなかったこと
後悔が
畳の上を吹き抜けていく
ただ呆然と眺めていた夏
祈りも願いも一緒に燃えて
煙となって消えました
どんなに話しかけようと
写真は 写真でしかなく
石は 石でしかないのだと
リアルを受け入れた
あの日
「見ていて欲しい」
そんな甘えは
土の中へと埋めました
走って
守って
愛して
そして
いつか其方で
また会う日まで
そのとき漸く
泣こうと思うのです
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