生命線
緊急の赤い回転灯が
夜の街に鮮やかな光を放っている
「綺麗」
鳴り止まないサイレンと赤色を
呆然と眺めながら
また心が躰から
離れようとしているのを感じていた
君と同じものを手に入れて
その意味を知ってもなお
君への回路を断ち切れずにいる
それはもうひとつの生命線だった
現実と欲望の狭間で息をしている
私を手遅れだと嘲笑うかな
それとも、君も。
心の中で呼び続ける
君の名が
口を衝いてしまわぬように
私は無口になる
そうして
繰り返す日々の隙間で
何度も心の手綱を引く
解き放つわけにはいかないのだ
君が私に
そうしたように
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