囚われた脳
海馬が唸る
忘却さえも赦されないのか
あの頃 感電していた声が
切ないほどに反芻する
月のように貴方は
私のあとを
歩いても
歩いても
浮遊する面影
(離れない)
綺麗な円は穏やかな光を放ち
あの日の笑顔を思い出す
取り返しのつかない落陽と
知っていたのに
生温い優しさならいらない
可笑しくて哀しくて
ひとりぼっちを煽るから
火傷だろうと
凍傷だろうと
真実だけが欲しかったよ
(正面を見なかった貴方の
私はいつも横顔を
横顔を見ていたわ)
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