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願わくは、

君は向こう側で
どんな顔をしているの

優しい顔?
恐い顔?

僕はいつも
外側を眺めているよ
口元が緩むことも
眉をひそめることもなく。

世界は常に
灰色のベールをまとっているように見えるから
もう忘れてしまったんだ
最後に青空を見たのはいつだったかな。

何もかもが嘘だったらいいのに

笑うとき胃がキリキリ痛むのも
猫が死んだとき
ちっとも悲しくなかったことも
スケッチブックを広げる時間が無いのも

僕等が会えないことも。

窓の隙間から見える群青が
車のライトでオレンジに変わるとき
いたたまれなくなって僕は
此処から消えてしまいたいと思うんだ。

このまま
青空を見ることはないのかな
吸い込まれそうな星空や
絵筆を握りたくなるような虹を。

だけど君のことだけは
どうにも諦めがつかないよ

ねえ、
僕等が荷物を失くしてしまうのは
会えないよりも残酷なことだから
信じて待つしかないよね

君の寂しさも
僕の寂しさも
いつか溶け合う日が来るから。

待つ、という言葉は少し違うかな
生きる
生きていこう
そんな日を信じて。

願わくは、
僕のひとりよがりでないことを。

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