見出し画像

アニマルウェルフェア(動物福祉)に世界が動き始めている

「福祉」という言葉は人間に対しての取り組みであると思っていましたが、全ての生き物に当てはまるものだという考えが世界に広まりつつある様です。

以下については目次どおりとなっています。


「豚の福祉」法規制

先日衝撃的なニュースを見たことがきっかけです。米西部カリフォルニア州で豚の飼育に関する法規制が住民投票で可決されたという内容で、詳細は以下の通りになります。

規制では生産者に対し、妊娠中の母豚が自由に動き回れるよう1頭当たり少なくとも2.2平方メートルの面積確保を義務付けた。カリフォルニア州内での豚肉やベーコンの販売には、第三者機関から認証を得て基準を順守している証明が必要となる。

時事通信社より

つまり、今までと飼育環境を大きく変える必要があり、それに準じて、生産コストは上がり、生産量は大幅に減少する事が予想されます。また販売する際も様々な手続きが必要となり、販売コストにも影響すると思われます。影響予測については以下の様に書かれています。

全米豚肉生産者協議会(NPPC)の推計によると、基準を順守した場合、1頭当たりの投資コストは2割増の最大4000ドル(約60万円)となる。NPPCは「小規模生産者は廃業に追い込まれる」と非難。豚肉製品によっては価格が4割上昇するとの当局試算もある。

時事通信社より

4割の価格上昇は家庭にも大きく影響していきます。この動きがアメリカ全体で広がった場合、円安である日本においては、スーパーで買い物する際、今までのように「いつも国産は高いから今日は外国産にしよう」という考えから「外国産も国産と変わらないから気軽に買えない、お肉は止めとこう…」という状況になるのではないでしょうか。

「食肉」として育てられる動物への配慮

上記では人間の都合による解釈で進めてきましたが、では実際この法規制は悪なのでしょうか。食卓からとんかつが減ってしまう事を考えたらかなり厳しい改正ではありますが、動物達はどうでしょう。長い歴史の間で食べられる為に生まれてきては死を迎えた数多くの動物達は少し報われた気分になっているかもしれません。ここで忘れてはいけない事は、動物達は決して「食肉」という呪縛からは開放されたわけではないという事です。「今後全面的に食用飼育を禁止する」という改正では無いからです。つまり、食肉として生きる中でも倫理観を持った対応をするべきという考えが広まりつつあるということではないでしょうか。

効率性だけを見ないことが福祉なのでは

皆様はどう考えたでしょうか。私は結論として、福祉は「効率性」だけを考えるのではなく、遠回りになってしまう様でも「倫理観」や「配慮」が絶対に必要だと思う内容でした。一部では多くの食卓にお肉を届ける為には一匹でも豚を育てなければならないという考えが先行してしまった結果、同じ命である豚の尊厳が大いに傷付けられてたのだと思います。そこで、改めて命を頂くという点に回帰し、食肉として命を全する動物に敬意を払おうという考えは、とてもいい流れだと思います。もちろんコストが上がる点はとても痛手になりますが、彼等への感謝をチップとして乘せるという考えで私は納得しようと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?