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Zoomによるオンライン音楽レッスン研究(講師の方向け)


私はジャズピアノ・ポピュラーピアノ・作曲・音楽理論・楽曲分析などのレッスンをしています。2020年4月にビデオ会議によるオンラインレッスン研究会をはじめました。

以下は研究会で出た話のまとめです。随時更新します。
(2021年2月26日更新)

オンラインレッスンのメリット

・交通費と移動時間を節約出来る。

・頻繁にレッスンを入れられるので生徒さんのモチベーションが上がりやすく、きめ細やかにフィードバックが出来る。

・遠方の方ともレッスンが出来る。

・レッスン内容を録画出来るので、後から確認が出来る。

オンラインレッスンのデメリット

・講師と生徒のアンサンブルが難しい。

・講師と生徒の人間的な交流が少し難しい。


ソフトウェア

このページではZoomを使ったオンラインレッスンについて書いていきます。

Zoomを使ったオンラインレッスンの紹介動画(英語)。

・Zoomのダウンロードリンク
パソコン
Android
iOS

Zoomのセキュリティについて

・急激に利用者が増えたこともあり、2020年には Zoom に関するさまざまなセキュリティの問題が報告されていました。2021年2月現在では基本的に解決されているようです。最新版のソフトウェアを使っている限り、オンラインレッスンで使用するにあたっては問題ないと思われます。


・「脆弱性」と呼ばれるセキュリティの不備が発見されることがあります。すぐに修正されているようなので、定期的に最新版へ更新しましょう。
パソコンの場合はZoomのメニューから、アップデートを確認を選択。
スマホの場合はアプリを入手出来るストアから更新。

通信速度

・ネットの通信速度はこちらのページで測ることが可能。Zoomはお互いが20Mbps〜30Mbpsぐらいであれば安定して使えるようです。


必要な機材

・スマホ
これがあれば最低限オンラインレッスンが出来ます。

・パソコンやタブレット
こちらを使った方が資料の共有などはスムーズです。

・三脚
スマホを使う場合はあった方が良いです。

・イヤホン
使うとお互いの音の環境が快適になります。

・ライト
もしあると画面が綺麗になります。

・外付けのマイク
あるとよりクリアに音が伝わります。


外部マイクについて

・講師はなるべく外付けのマイクを用意した方が良いです。
以下はマイクの例です。

iRig Mic HD2
直接スマホやパソコンに繋げられる。喋ったり歌うのに便利。手軽。

AKG LYRA USBマイク
直接スマホやパソコンに繋げられる。高音質で楽器の音を録るのにも良い。指向性といって録る範囲を変えられるのでさまざまな用途にも使いやすい。iPhoneやiPadに繋げるにはこちらのアダプタが必要。


レッスンの前に

・生徒さんに向けての説明の例

事前にZoomのアプリをダウンロードしておいてください。

パソコン
https://zoom.us/support/download

Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=us.zoom.videomeetings&hl=ja

iOS
https://apps.apple.com/jp/app/zoom-cloud-meetings/id546505307

ミーティングするための部屋をこちらで作ります。レッスンの前に部屋のURLをお送りしますので、時間になったらクリックして入室してください。

・ミーティングのURLを伝える時は、生徒さんが実際にレッスンで使うデバイスに合わせて送ると親切です。オンラインレッスンをスマホで受ける生徒さんにはラインでURLを送り、パソコンで受ける生徒さんにはメールアドレスに送るなど。

ミーティングをスケジュールするで事前にミーティングを予約しておくと、前もってURLを送っておくことが出来ます。


レッスン料の支払い方法

・支払い方法は銀行振り込みやQRコード決済などがあります。

Paypal を使うと、クレジットカードや銀行口座から毎月一定の金額を引き落とすことが出来ます。


レッスンの進め方

・初回は音声などのトラブルが起きることがあります。テストのための時間を最初のレッスンの前に設けると良いです。テストのための時間は30分あると安心です。

・対面のレッスンと比べて、1回のレッスンの内容や時間を限定した方が充実したレッスンになります。

・参加者が同時に音を出すのは少し難しいです。生徒さんと交互に楽器の音や声を出すやり方に講師が慣れる必要があります。

・コメントや演奏の指示はなるべく短く分かりやすくしましょう。
例:「3小節目から20小節目まで、右手だけでゆっくり弾いてください。」

・LINE や Facebookメッセンジャーなど、Zoom 以外でチャット出来る場所を確保しておけると便利です。接続が切れてしまった時やメモの保存などに使えます。

・レッスン後に文書ファイルなどでフォロー出来ると親切。口で一度伝えた事でも目で見るとより分かりやすくなる。Google Dcument は共有に便利です。

・Youtube に生徒さんごとにチャンネルを作っておいて、課題や模範演奏などの資料をアップしておくとレッスンを補うことができる。

※オンラインレッスンのサポートに使える Google Classroom の記事も書きました。


音声・音質について

Zoomは会議などでの使用が想定されています。そのため、話し声ではない音、例えば楽器の音などを消してしまうしまう事があります。

オンラインレッスン中に楽器の音が途切れてしまう場合は以下の設定にしてみましょう。マイクからの音がそのまま相手へ送られるようになります。
※この設定、楽器を使う方は大事です。

・スマホの場合
ミーティングに参加していない状態で、Zoomのアプリ内で設定する。設定ミーティング→の中から、オリジナル音声を使用という項目をオンにする。アプリを最新版にしていないと、この項目が出てこない事があります。
※iPhoneの場合はこちらの記事をみてください。

・パソコンの場合
設定オーディオ詳細の中の、インミーティングオプションをマイクから”オリジナルサウンドを有効にする”に表示というところにチェックマークをつける。
すると、ミーティングを開始した時にオリジナルサウンドをオンにするという項目が画面に出てくるようになる。そこからオリジナルサウンドをオンにする。

・音声がほんの少し遅れるので、同時に演奏してアンサンブルするのは難しいです。

・内蔵スピーカーを使うよりも、イヤホンやヘッドホンや外付けスピーカーを使った方が音質が安定します。


通信量

スマホで使う場合、Wifiでなく4Gなどのモバイル通信も利用できます。
通信量は以下のページによると、5時間で1Gくらいが目安です。



カメラを2台使いたい時

・USB接続のWebカメラなどがあれば、パソコン内蔵のカメラと切り替えて使うことが出来ます。ピアノのレッスンで手元と顔を切り替えたいときなどに便利です。

・スマホ&パソコンやスマホ&タブレットなどを使って2台のカメラを使用することも出来ます。そのためには複数のデバイスで同じミーティングに参加します。ただしどちらかのデバイスのマイクとスピーカーを両方ミュートしておかないとハウリングが起こります。このやり方は通信速度に余裕がないと難しいです。


音楽を再生して聴いてもらいたい時

・講師側のパソコンから音楽を再生して、生徒さんに聴いてもらいたい時

まず音楽を再生するためのソフトを開く。

次にZoomの画面共有をクリック。

コンピューターの音声を共有にチェックを入れる。

音声を再生するためのソフトを選択。

音楽を再生すると、講師側のパソコンで再生した音が生徒さんのスピーカーから直接流れる。

音楽を流すのをやめる時は画面の共有の停止


楽譜や文書やウェブサイトなどをみてもらいたい時

まず、講師が見せたいものをZoomではない別のソフトで開く。

Zoomの画面共有をクリック。

開いておいたソフトを選択する。

生徒さんにそのソフトの画面を見せることが出来る。
画面上でカーソルで場所を指し示したり、メモを書くことも出来る。

見せるのをやめる時は画面の共有の停止


レコーディング

・レコーディングボタンを押すと、録画や録音をすることができます。ただしスマホでレコーディングをするには、Zoomの有料ユーザーにならないといけません。パソコンの場合は無料ユーザーでもレコーディング可能。

・ミーティングルームを作った人をホストと呼びます。
ホストでないメンバーがレコーディングをするには、ホストが許可する必要があります。ホストがレコーディングの許可をするには、ギャラリービューから参加者の顔のところにある「・・・」をクリックして「レコーディングを許可」を選択。そうするとホストではない参加者もレコーディングすることが出来ます。

・メニューにある設定レコーディングでレコーディングされた場所のファイルの保存場所を確認できます。開くを押すと、レコーディングされたファイルが保存されているフォルダが開きます。


トラブル例

・音が出ない
パソコンは画面の左下のミュートというところから、音声通話をオンにする。
スマホの場合はインターネットを使用した通話を選択する。

・ハウリング
現実で同じ空間にいる人達がそれぞれ別の機械から同じミーティングに参加すると、ハウリングを起こしてしまいます。

通信レッスン

・録音や録画などを送ってもらい、メールなどでコメントしてまた新たに課題を出す「通信レッスン」という選択肢もあります。
講師によるフィードバックの頻度を上げられるというメリットがあります。また、コメントする際にしっかり調べたり考えてからコメント出来るので、コメントの質が上がります。

生徒さんがある程度自分で進めることが出来る場合は、かなりおすすめです。



情報が間違っていたり、おすすめがあればコメント欄などから教えてください。よろしくお願いいたします。


こちらのrikoharpさんの記事もとてもわかりやすかったです。


こちらのPiascoreさんのページもよく情報がまとまっていました。


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