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弟の家「なんで今さら平屋建てなの?」と思ったら平屋建て人気だった件。

数年前、弟が家を建てた。元々は父親が所有していた農地だったのだが、道路が通るため区画整理され、転用の申請が緩和されたのをきっかけに建設した。そんな感じなので敷地面積は広いのだが、弟の家は「平屋建て」だった。子供二人いるし、どうなんだろう?狭くないのかな?などと思っていたのだが、最近は「平屋建て」が人気らしい。特に20代30代の若い層に。

住友林業によると2023年に受注した戸建て住宅の平屋建て率は42.7%で、5年前の2018年と比較すると15%も増えている。そして平屋建て購入者ののうち20代30代が半数以上を占めているとのことだ。
さらに国土交通省(建設関連の管轄は国土交通省である)によると2022年の「平屋建て」着工棟数は5万7575棟と5年前と比較して4割も増えているらしい。

古い価値観からすると「平屋は広い土地を持っている富裕層が建てる家」といったイメージがあるが、最近はすっかり若い世代からの要望へと変化しているようだ。

若い世代に平屋建てが人気の理由はいくつかある。

〇家事などの移動距離が短くて済み「タイムパフォーマンス」がよい

階段がないため、家事などの移動距離が短くてすむ。洗濯物を干して収納   するまでの移動距離は2階建ての3分の2に抑えられる。

〇2階建てに比べ「コスト」を抑えることができる

こちらも所謂「コストパフォーマンス」的な考え方だ。世帯人数も減っているため、それに合わせたサイズ感が適正で無駄がない。また、トイレも1か所で済むことや階段も不要なことから、建設費自体も節約できる。それに、屋根の面積も大きくなるため太陽光パネルの設置もしやすい。さらに屋根に守られている壁面積も広くなり、雨などによる劣化も軽減できる。
確かに、建築後何年かすると「お宅の家の壁そろそろリフォームした方がいいですよ」といった営業がやってくるようになるが「いやいやうちは平屋なんで壁はまだまだ綺麗です」と返り討ちにすることもできるだろう。

〇「映える」

平屋建ては2階建てに比べて屋根が大きく見える外観や、法令で建物の高さ制限がある場所でもワンフロアで天井を高く設計できるなど、いわゆる「オシャレ」な家を建てやすい。

など、である。これに対してデメリットも併記されていたが、まあこれは当たり前で「広い土地が必要になる」ことだ。逆を言えば「広い土地があるのなら平屋建てはメリットの方が多い」という事になる。

加えて、屋根裏などを活用した「1.5階設計」も増えている。積水化学工業が2023年4月から9月で請け負った小屋裏付きの平屋建て住宅は前年同月より2割も増えている。子供からしたら「屋根裏部屋」は果てしなくワクワク感のある作りだろう。

親や老後のための「バリアフリー化」を視野に入れた建築なども増えている。平屋なら階段の移動を最初から考える必要はない。エレベーターの設置などの大掛かりな改装を避けられる。

と、いうわけでコスパやタイパを重視する今の若者世代に「平屋建て」は人気で、今後の着工件数も伸びていくものとみられている。若人よ、家を建てるならお洒落な平屋建ても検討されてはいかがだろうか?

そして弟よ、数年前心の中で「なんで今頃平屋建てなん?」とお前のセンスを疑ってしまって申し訳なかった。

君のセンスは「最先端」を走っていたのだ。素晴らしいの一言である。

ほんとごめんね。

今日はここまで。

引き続き、どうぞよろしく!

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