世界を正しく見る方法


 令和3年8月2日、遅ればせながら
    ハンス:ロスリング著
    マインドフルネス
を読了した。
 この本を通して学んだことをまとめていきたいと思う。本書では、このご時世に世界を正しく認識している者はすくなく、正しく見れていないせいで大きな勘違いを抱えたままの人が多いとされている。
 では、どうすれば世界を正しく見ることができるのか、それは
    データをもとに世界を見ること
とされている。
 人間は、本能的に10個の勘違いをしている。その10個本能的な勘違いをただすことが本書のメインとなっている。
 一つずつ、誤った本能とそれに対する対策を紹介したい。

1 分断本能
 昨今、発展途上国と先進国という表現がことさらに使用されている。現在の日本は経済的に豊かで、日本以外のどこかは、戦争や貧困が絶えることなく続いているという認識があると思う。
 しかし、実際にそういった地域もあるものの、年々そういった国々も少なくなっている。ではなぜ、今でもそういった勘違いがなされるのか。
 今でも戦争を伝えるニュースが続いているからというのも間違いではないが、そういった国々は自分たちとは違うという分断の本能があるからだ。
 ニュースや報道されている統計等は、両極端なものが多い。それを信じ込んで、世界は両極端に分断されているものだと思い込む。
 しかし現実はそうではない。発展途上国・先進国という言葉ではどちらか一つというニュアンスになってしまうが、実際は真ん中に位置する人が一番多い。この世は分断されていない。中間層が一番多いということを知っていれば、フラットに物事を見ることができる。
 そのためには数字に着眼すると良い。数字は正しいことが多い。
 日本人はこういった感覚はあまり薄いのではないかと思ったが、日韓関係や日中関係を思い返すと、やたら暴力的な韓国人・中国人ばかりが報道されているが、私の知っているこれらの国々の人達はみないい人ばかりだ。
 日本に住んでいる我々も、世界は分断されていないと知るだけでも今後の考えは変わるのではないだろうか。

2 ネガティブ本能
 なぜ人間はネガティブなことばかりを考えてしまうのか。分断本能で述べたとおり、メディアによる暗いニュースによる影響も大きいと考えられる。しかしそれは仕方のないことだ。メディアの人間も記事で飯を食っているので、人が食らいつくような記事を上げなければならない。世の中はいいニュースもあるが報じられていないだけだ。
 また、遠くのどこかでたまたま起きたような珍しい事件が自分にも起こるのではないかという途方もない心配をするくらいなら、身近な危険を正しく恐れることのほうが重要である。

3 直線本能
 これからも世界総人口が増えていくと考えている人は意外と多い。今までの統計グラフがそれを表しているという。
 しかし本当にそうだろうか。グラフは直線だけではない。曲線のグラフもあれば、規則性のないグラフも存在する。
 何事も、これはこうだからこれからもそうだという考えは捨てるべきである。数字を平均すると真ん中が見えずらくなるということを知っておくこと。

4 恐怖本能
 リスクの計算を正しく行うことが重要だ。2でも述べたとおり、起こる可能性の低いことを殊更に恐れている人が多い。現在は人類史上最も安全な時代にもかかわらず、最悪の時代だとはやし立てる者がいる。物事をしっかりデータで見れば、各数値は改善されており、はやし立てる人達の主張が間違っていることがわかる。
 しかし、自分自身に知識がなければそれをうのみにするしかなくなってしまう。データをもとに正しく物事を見るよう努めることが重要

5 過大視本能
 これまで、数字で判断する重要性を話してきているが、数字があればはい安心というわけではない。
 数字は比較して初めて信じることができるものである。1つのデータだけを信じてしまうのは危険なことだ。同じような研究の数字と比較することや、計算している期間や単位を変えてみるとグラフも全然違く見えることに気づく。

6 パターン化本能
 何個かのグループ分けを見たら、そのグループ分けで本当にあっているかを考えること。
 レベルを1~10をひとまとまりとして、レベル100までの人をグループ分けすると、全部で10個のグループに分けられる。
 そのグループ内では男女や年齢がばらばらになっているとする。
 各グループに質問をして、その結果、このグループではこういった答えになったという統計がとれたとしてそれは、本当に正しいのだろうか。
 グループ分けを変えたら別の答えが導かれたのではないだろか。
 数字だけを見るのではなく、視点を変えて物事を違った角度から見ることも重要である。

7 宿命本能
 あの国は絶対に変わらないという言葉を聞いたことがあると思う。
 しかし、本当に変わっていないのだろうか。だいたいの物事はゆっくりと変化していっている。その変化に気づいていないだけだ。あいつはだめだあの国はだめだといっているがその人や国も少しづつ変わっている。
 そういったことをしっているだけでも考え方は変わるはずだ。

8 単純化の本能
 一つの知識がすべてに使えるわけではない。なにか一つ覚えると、その知識を使ってみたくなるのが人間の本能。その結果、使わないほうが良いところにもその知識を使うことになる。
 そうなると視野が狭まり、正常な判断もできなくなる。他の意見もしっかりと取り入れ、きちんと物事を判断すること。

9 犯人捜し本能
 何か間違いが起こると犯人を捜す人はいないだろうか。
 こういった人の頭のなかでは、「犯人さえ見つかれば」という思考になっている。しかし、そういった人たちは犯人を見つけた後のことは考えていない。問題の原因は?解決策は?という思考にたどり着けなくなる。
 犯人を捜しても問題は解決しないことを知り、問題解決策の模索に努めること。

10 焦り本能
 もしも、何かに対して、「今すぐやらなきゃ」と感じたら自分が焦っていることに気づくこと。
 焦ると冷静な判断ができなくなり、決断の副作用が考えられなくなる。
 小さな一歩を積み重ねることを意識すること。

総じて言えることは、自分の目でしっかりとデータを見て判断することが大事であり、そのためにも常に自分の知識をアップデートしておかなけらばならないということ。


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