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St. Louis Cardinals

ナ・リーグの強豪チームといえば…?

恐らく思い浮かべるのは最高左腕のカーショウやマエケンこと前田健太などが所属するロサンゼルス・ドジャースや2016年に108年ぶりのワールドチャンピオンとなり話題となったシカゴ・カブスだと思います。
その中で隠れ気味になってるのがセントルイス・カージナルス。カブスと同じナ・リーグ中地区のチームです。何故かあまり知られてない(と勝手に思ってる)ですがこのチーム、ワールドチャンピオン回数は1位のヤンキース(27回)に次ぐ2位(12回。前身のセントルイス・ブラウンズ時代含む)。これはナ・リーグ最多です。更にナ・リーグ優勝19回、地区優勝13回と歴史ある強豪チーム。

僕はナショナルズファンですがカージナルスもかなり好きです。ナ・リーグの贔屓を決める時にこの2チームどちらにしようか最後まで悩みました。ですが僕自身が17年の9月〜18年の4月までセントルイスに留学して色々な経験をしました。そこでカージナルスは地区違うんだし応援すればいいじゃない、と言う結論に至りました。

ナショナルズファンでありながらカージナルスを執拗(?)に推す僕がたった8ヶ月程度ですが、留学の経験も少し踏まえてカージナルスについて投稿したいと思います。ちなみにこの投稿内の写真は全て僕が現地で撮ったものです。前の端末ではもっと写真あったのですが、皮肉にもセントルイスで端末をなくした(本当にいつの間にかなくなってた)ので、この投稿の写真はTwitterにあげたものから引っ張ってきました。

1. セントルイスという街

まずカージナルスのあるセントルイスという街について

留学前の出来事
僕「留学地決まった~」
知り合い「どこ?」
僕「セントルイス」
知り合い「???」

セントルイスと言って知り合い皆↑のような反応()。
というのもセントルイスはアメリカ中部ミズーリ州の都市。ニューヨークのある東海岸やロサンゼルスのある西海岸は日本人に馴染み深いですが中部はシカゴ、デトロイトがよく知られておりセントルイス?なにそれ?のような反応になると思います。日本から行くにしても成田からの直行便はあるらしいですがミネアポリスかシカゴ、ヒューストンなどで乗り継ぎを行うパターンが多いと思います。
ブッシュ・スタジアムのあるセントルイスのダウンタウンは栄えており確かに街だなと思いました。僕もセントルイス全てを訪れた訳では無いですが中心部、そこら辺は都会だと思います。北西部、西部に行くとハイウェイが通っておりそして田舎です。日本で言う新潟県のような感じだと思います。

セントルイスと言えば治安の悪さ。中心部、西部は悪くは無いと思います。ただ試合のある日にスタジアム周りで"Give me a ticket"というプラカードを掲げてるのは驚きました。電車の中でもなんか怪しげな商売してたり大声で騒いでる人もいましたが。問題は北東部。ここでの犯罪率が高く、セントルイスの治安の悪さをぐっとあげてるようです。こんな感じでセントルイスは全米でも屈指の治安の悪い都市と有名になりました。

2. ブッシュ・スタジアムとファン

カージナルスの本拠地のブッシュ・スタジアム。
内野のファールゾーンが広いですが外野のファールゾーンは狭め。極端に投手有利打者有利という訳ではなく普通な球場だと思います。

メインゲートの1つである3ゲート

少し離れた所から

ちなみに2枚目の画像の正面の弧を描いてる所の1階部分はグッズショップです。9割9分カージナルスグッズです(ごくたまに他球団グッズあり)。ショップの正面には、ロジャース・ホーンスビーやオジー・スミスなど過去にカージナルスに所属したレジェンド選手の銅像10体あります。いずれはアルバート・プホルスヤディアー・モリーナの像がここに作られるのでしょうか。

スタジアム内部はこんな感じです。特に目立った装飾はありませんが凄く綺麗でいい球場だと思います。席からはセントルイス名物のアーチが見え、夜になると芝生にアーチの模様が浮かぶ時があります。ビールの銘柄の一つであるBudweiserはセントルイスに本社がありここでも飲めます。自分はまだその時未成年だったので飲めませんでしたが。当然球場飯も充実しています。外見えぇ…と思うものはありますがおいしいです。


力投するエースのカルロス・マルティネスと打席に立つヤディアー・モリーナ。マルティネスは荒れ球投手なので試合時間長く感じます。モリーナは2020年に引退を表明。ホーム球場でモリーナを見れたのは嬉しいです。

チケット値段はこの時を参考にすると内野は65ドル、外野付近は30ドルとNPBよりも高め。ただ熱狂的なファンと共に見る世界最高のリーグの試合は値段分の価値は有ります。

道路挟んでブッシュ・スタジアム横には"Ballpark village"という施設があります。ここはバーやレストラン、カージナルス博物館があり野球ファン、カージナルスファンだけでなく色んな人が来ます。試合当日になると多くの熱狂的なファンがここにやって来て大型スクリーンで試合を見ながら飲み食いをして大盛り上がりです。こういう野球の楽しみ方もまた1つの方法だと思います。

さて、先程から熱狂的なファンと書いていますがその言葉に嘘偽りはありません。カージナルスは今年は3位に終わりました。しかし、観客総数、平均観客数共にMLB全体3位(1位ドジャース2位ヤンキース)、稼働率はなんと95.6%でMLB全体1位(ESPNより)!間違いなく地域に根付いている球団と言えるでしょう。街にはカージナルスグッズを着ている人は珍しくありません。覚えているのは平日の昼12時頃からの試合にも関わらず4万人近いファンが来たこと。その試合は現地で見てたので仕事や学校は…?と思いました。
主観ですがカージナルスは最近暗黒と言える程低迷しているわけでなく、安定した強さがあると思います。この安定した強さ、そしてプホルスやモリーナと言ったMLBを代表する英雄が出てきた球団だからこそファンも熱狂的だと思います。

ブッシュ・スタジアムへのアクセスはMetro Link(市内電車)のStadium駅降りてすぐです。

3. 2018年のカージナルスとこれから

今シーズンは3位に終わったカージナルス。戦績自体は88勝74敗と悪くは無いもののカブスやブルワーズが強すぎました。
シーズン序盤はカルロス・マルティネスがサイ・ヤング賞あるのでは?と言うくらい好調でしたが5月に怪我をし離脱。打線は好不調の差が激しく、マット・カーペンターとデクスター・ファウラーはこの時共に打率1割台で、エンゼルスのカルフーンやオリオールズのクリス・デービスとMLB全体打率ワーストを競ってました。元々弱かったリリーフの補強のために獲得したリリーフのグレッグ・ホランドやルーク・グレガーソンも不調(ライオンズと合わせて三馬鹿とツイートしてました)。この時のカージナルスは非常にチームが不調で7月半ばには2012年からチームを率いたマシーニー監督が解任されました。

ところがほぼ同時期に打撃が不調だったカーペンターが覚醒。打率.333、11HRで7月の月間MVPを獲得しました。これに同調するようにチームも波に乗りポストシーズンも狙えるのではというような勢いでした。ただカーペンターが9月にまた不調となり同じようにチームの勢いも止まりました。やがて地区優勝が消滅、そしてワイルドカードも消滅とカージナルスは地区3位に終わりました。

ただ悪いことだけのシーズンではありません。前年まで巨人でプレーしていたマイルズ・マイコラスがMLB復帰して早々18勝を上げ最多勝に輝く活躍。持ち前の制球力は健在で防御率も2点台後半に収めました。

若手の活躍も光ったシーズンでした。写真は最速169kmで高速シンカーを投げ有名となった豪腕、ジョーダン・ヒックスです。若いながら壊滅的だったリリーフ陣の中でも良かった投手。先発のジャック・フラハティはROYに選ばれなかったもののローテに定着し、151回を投げ182奪三振、K/9は10超えとその才能を見せつけました。彼は球速が速くなればサイ・ヤング賞争い出来ると思ってます。野手もハリソン・ベイダーが活躍。特に守備が優れておりセンターのDRSは+11、UZR9.1、外野のDRSは+19、UZR10.7と早くも守備の能力を開花させました。打撃が課題なのでそこを改善すればMLBを代表する外野手になれるでしょう。

他にも投手ではダコタ・ハドソンオースティン・ゴンバー、野手ではパトリック・ウィズダムヤイロ・ムニョスタイラー・オニールなどがMLBデビューを果たし結果を残しました。

2019年は2018年途中から指揮を始めたマイク・シルト新監督がチームを率います。まずカージナルスはダイヤモンドバックスからポール・ゴールドシュミットをルーク・ウィーバー、カーソン・ケリー、アンディ・ヤングとのトレードで獲得。この際にドラフト指名権も譲渡。ゴールドシュミットは走攻守全て揃ったファースト。2013年は本塁打、打点の二冠でシルバースラッガー賞4回、ゴールドグラブ賞3回のスーパースター。毎年安定した成績を残しているので期待出来ますし、個人的にMLBで一番好きなファーストなのでこのトレードは嬉しいです。
FAに関してはマニー・マチャドブライス・ハーパーを狙っているという記事がありました。
僕としては複雑な気持ちですが実際ハーパーのブッシュ・スタジアムでの成績は良く、外野のファウラーの成績が良くないため狙う可能性はあると思います。ただ金額も相当ですし必絶対要言われたら答えは否。カーペンターが歳でサードを続けるのが難しくなるのでサードの補強が第1だと思います。ゴールドシュミットを獲得した以上、資金の関係上マチャドではなくカイル・シーガーマイク・ムスタカスといった他のサードの獲得に動くと思います。
更に弱点のリリーフに関してはFAのアダム・オッタビーノザック・ブリットンケルビン・ヘレーラの中から1人、出来れば2人獲得出来たらいい補強だと思います。トレバー・ローゼンタールはナショナルズが獲得したためカージナルスに戻ってこなかったのが少し残念です。


古くからナ・リーグの強豪であり続けるセントルイス・カージナルス。2015年は地区優勝を果たしましたがワールドシリーズは2013年以来出場はありません。ナ・リーグ中地区はシカゴ・カブスや大補強をし今年地区優勝を果たしたミルウォーキー・ブルワーズが所属しており簡単には優勝出来ません。ですが今オフの補強次第では十分に地区優勝、そしてワールドシリーズ出場出来ると思ってます。
日本では他の地区と比べれば馴染みの薄いナ・リーグ中地区の強豪チームですが強いチームであり続け、興味を持つ人が増えることを期待しています。

#野球 #mlb #セントルイスカージナルス

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