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空港の思い出

東京に住んでいて、飛行機に乗る機会はそう多くない。特に私の場合、両親の実家も近県で、仕事柄出張もないので、長距離の旅行が空港を訪れる唯一の機会になる。

私にとって空港で過ごす時間というのは、旅行の中でも重要なイベントのひとつである。いつもと違う電車に乗り込み空港を目指す道中は、昨晩の睡眠負債も相まって、期待をぐるっと囲う不安でそわそわと落ち着かない。しかし、空港に足を踏み入れた瞬間、途端に視界が開け、弥立つのだ。先ほどまでのぐるぐるとした思考はどこへやら、心が期待に満ちる。そんな魔法が空港にはある。

この魔法、空港で働くスタッフは全員使えるらしい。搭乗までに出会った方ひとりひとりから何重にも重ね掛けしてもらい、私は旅立つ。なんと幸せな旅の始まりだろうか。

旅行の終わりも空港にある。お世話になった空港を後にする時、絶対にまた来る、と予言めいた決意を胸に、帰路につくのだ。また会う日まで!


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