旅での楽しみな出会いの一つは、新しい自分を発見できる! 【だから旅は、やめられない。#22】
ほりいみほ(モデル)
新卒から7年間、私も土日祝、連続休暇で旅するリーマントラベラーだった。
2016年3月末、退職記念に、一人で台湾を一周してみようと、旅立つ二週間くらい前に思いつく。人生2回目の海外一人旅だ。
何故、台湾か、その理由は2つ。
1つは、たまたまリーマン最後のふるさと納税を大阪の泉佐野市にしており、peachの航空券に換えることができる使用期限迫るポイントを持っていたこと。
そしてもう1つは、台湾の台北へは、過去に2回、2泊3日で旅しており、ある程度、国のイメージが掴めているということ。
退職した翌日。平日に仕事に行かなくて良いという感覚は、嬉しいような、なにか手持無沙汰のような、複雑な心境になりながら、私は一人、台湾を目指す。
雨の九份。私の心も曇り空
限られた時間の中でするリーマントラベルでは、綿密に計画を立てて旅をしていた私だが、いざ、2週間もの時間があると思うと、いきなり雑に。
台湾一周しよう!と思い立ったものの、行き当たりばったりな旅で、行先も回るルートも全く考えていなかった。
とりあえず、過去に行き、もう少しじっくり写真を撮りに行きたいなと思った、九份、十分、平渓線沿線の観光地を拠点に2泊程することに。
ただ、到着していきなりの雨で、テンションが下がり、初日は到着してら夜まで宿にこもる。
「幸先悪いな……」
そう思いながら、翌日から本腰を入れて観光をすることに。
しかし、翌日も安定の雨。
テンションがあがらず、昼くらいから動き出し、九份の大衆食堂でご飯を食べていると、自分より少し年上で、偶然にも同じ関西出身の日本人女性2人と出会い、流れで半日を共にさせて頂くことに。
一人では絶対行かないような、九份の町はずれの喫茶店や、謎の仮面アーティストの小さな美術館など、ガイドブックには載ってない九份を満喫した。
話していると、彼女たちは私と逆ルートの旅をとっており、高雄から北上してきたとのこと。「南は夏やったよ!」「高雄の芸術特区が面白かった!」「蓮池潭近くの麺の店がおススメ!」など、彼女達との出会いでまだ見ぬ南のエリアが気になってきた。
相変わらず雨は降り続いていたが、翌日、九份エリアをを立ち南下する事を決意。
すると、旅立ちの日は、雨がピタリ止む。
午前中に十分で、「ノマドワーカーになれますように」と書いたランタンを飛ばして、次の目的地へ。
出会いの日月潭。私の心に光差し込む
台中に来ると、気候が変わったと肌で感じることができ、天気も良く観光には最適。
基本的な台中の見どころは押さえたし、高雄行きのバスは夜。それまで暇だしどうしようと思い、インフォメーションでおススメを聞いてみたところ、
「台中から日帰りのバスツアーがある日月潭は?」と勧められる。
それだ!!
この頃には、臨機応変に旅を楽しめる自分がいた。
日月潭は台湾一大きい美しい湖。船着場に着いた時は、中国人観光客で混み合い、湖上は船でごった返してた。
船がありすぎて自分の持つチケットはどの船なのか?と困っていると、年配の日本人の男性が声をかけてくれ、一緒にいた台湾人の女性に、通訳をするようお願いしてくれ、なんとか自分の乗る船が分かったところで、この、二人も同じ船だということが発覚し、これまた、道中一緒に行動することに。
話を聞いていると、台湾人女性は新潟に1年間ワーホリに行っており、その時のボランティア日本語講師が、一緒にいた男性のよう。今、彼に台湾全土を案内してまわっているとのこと。
更に翌日も、二人は台南観光をするので良かったら一緒にどうですか?とお誘いを頂く。
自分もちょうど、高雄か台南どちらかを観光しようと思っていたので現地の方にガイドしてもらえるなんてラッキーすぎる!と、全力でご一緒させてもらう流れに。
当日まで行く予定のなかった日月潭での運命的な出会い。
お二人とのご縁は今でも続いていて、運命なのか必然なのかと思える出来事だった。
快晴!台南。私の心も晴れ晴れと
宿泊地の高雄を拠点に、台南へは電車で一時間。
ちょうど日本でいうところの、高雄は大阪、台南は京都という印象で、台南は古き良き台湾の文化が残る街。
九份で出会った女性二人組が言ってたように、台南・高雄は4月中旬でも半袖一枚で過ごすことができる気候。天気も安定している。
台南は、日月潭で出会った台湾人女性の地元ということもあり、定番スポットからディープな場所まで広く楽しんだ。
しかし何より楽しかったのは、地元の人しか行かないような海鮮鍋の店。
なぜかそこには、彼女の地元の友達やら、彼女の日本語の先生やらが集まり、6人ぐらいでわいわいと鍋を囲んだ。
台南は海が近く、海産物が美味しい。
テーブルには鍋とスープと薬味だけ用意されていて、色分けされた皿に乗った具材を巨大冷蔵庫の中から選び、好きなものを取ってくる。会計も皿の枚数で計算するので、まさに日本の回転寿司システム。具材は海産物、練り物、野菜と様々。
旅立った時、一人だった私は、少年漫画の主人公のように、旅の道中で出会いと別れを繰り返し、最初は一人で飲んでいた台湾ビールも、気が付けば、こんなに大人数で乾杯して、楽しんでいる自分がいた。
結局、台湾一周はできず、縦断になってしまった。
しかし、この旅で得た出会いと経験は、今でも私の宝物だ。
旅は、新たな自分を発見する最大のチャンス
旅を通じて気付いたこと。
それは、「旅は、自分自身と向き合い、新しい自分を発見できる最大のチャンス」だということ。
起こる物事に対し、自分の考え方、捉え方次第で、旅は、つまらないものにも、楽しいものにもなる。
また自分自身が楽しい気持ちになることによって、楽しいが連鎖するという現象を、身をもって体験した。
自分の考え方や当たり前、常識は、今までの環境の中で、自分自身が勝手に決め込んでいたことだった。
私は旅を通じて、新たな考え方や可能性を見つけることができた。
旅は、旅先での出会いだけでなく、知らない自分との出会いもあり、新しい自分を発見できる!
だから旅は、やめられない!
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