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予想外を楽しんだ方が、旅は面白い。(旅が僕らに教えてくれたこと #1)

AYUMI (医療従事者)

旅行が好きになった、我が家の思い出

うちの家は共働きの両親、父方の祖父母、弟2人と私の7人家族。

今はそれぞれ独立したが、まだ私が実家で暮らしていた頃は、仕事も、学校も、部活も、習い事も、生活スタイルのバラバラな7人が一緒に過ごせる時間は、年1回の家族旅行だった。

一番年長の祖父母と一番年下の弟との年齢差は約60歳。全員が楽しい時間を過ごせる旅行にする為、希望をリサーチし、旅行会社でプランを探し、家族へ提案し、予約する。これが私の役割。

九州や北海道まで車で温泉地を巡りながら旅行したり、海外はグアム・サイパン諸島・タイ・ベトナムへ出かけたり・・・。

タイ

しかし、私と弟2人はどんどん大人に近づき、もちろん祖父母も同じだけの歳月を重ねた。

残念ながら、学生生活や年齢の関係で、私が20歳の年に家族全員での旅行は終わりを迎えてしまった。

『旅行』を通じて同じ時間を過ごす楽しさを知る事が出来たが、一緒に旅へ出かけられる時間には限りがある現実も教えられた。

時間は戻らないけれど、家族旅行がきっかけで私は旅行が好きになった。

年1回の家族旅行がなくなった後も、私は旅へ。友人や恋人と、時には1人で。

すいす

年齢が近い仲間と行く旅行は、現地に到着してからの展開が面白かった。

予め、綿密にスケジュールをたてていても、予定通りにいかない。それも旅の面白いところ。

ひとつ思い出に残っている旅について、お話したいと思う。

険悪な雰囲気でパーティへ向かうことになった卒業旅行

大学4年生の春。

就職活動、卒業論文が無事に終わり、卒業式までの残り僅かな学生生活。

中学・高等学校時代の女友達4人でバリ島へ出かけた。午前中の予定がない日に、サーフィンを習うプランを追加した。そこで出会ったインドネシア人コーチから、私たちは、その夜、ホームパーティーに誘われた。

ほぼ初対面。ご兄弟のお嫁さんが日本人の方で、私たちに親近感がわき誘ってくれたようだが、誘いにのっていいものか。どうしようか悩む私をよそに、友人の1人がOKと即答した。

当時SNSが発展してなかった為、連絡先は交換せず、ホテルまで迎えにきてくれる約束をして一旦わかれた。

秩父が浜

ホテルへ戻った私たち。早速、ホームパーティーへ行きたい友人と、行くことに不安な友人とでけんかが始まった。

楽しい思い出を作るはずなのに険悪な空気。行くべきか、お断りするべきか。この空気を変える正解の選択肢はどっちなのか。悩んでいるうちに、予定の時刻に。

約束の時間、ホテルロビーで笑顔のコーチと再会。

結局、私たちは誘いを断ることは出来ず、車へ乗った。

ビーチから車で10分ちょっとだが、夕暮れの町は暗くホテルから彼の家までの道のりは、もはや分からない。私たち4人の間に漂う重たい空気のせいで、不安が増していく。

メインストリートから細い道へ入ると住宅街があり、観光地とは違うバリ島の景色が現れた。脇道から少し進み、ある高床式の2階建ての一軒家で、車は止まった。そこでは、炊事場でお母さんと小学生くらいの妹さんがバーベキューの準備をしていた。2人の優しい雰囲気の出迎えにより、不安だった気持ちが和らぎ、自然と笑顔が戻った。ごはんの説明から始まり、J-POP、おすすめの観光名所、インドネシアの流行についてしゃべったり、ゲームをしたり・・・。あっという間に時間は過ぎていき、いつの間にか朝を迎えた。

けんかと仲直りも含めて、予想外の経験が出来た、思い出に残る最高の卒業旅行となった。

予想外を楽しむ旅

この旅行をきっかけに、旅に出かけると予想外の楽しさに出会うことが多いことを知った。(もちろん旅へ出かける事で生じる危険もあるが)

いつ行くか、どこへ行くか、だれと行くか、だれと出会うか、何を観るか、何を感じるか。

予想外に出会うことで、旅は無限大になる。

考えただけで、旅に出かけたくなってきた。

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