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小説(タイトル未定)

※Twitterからの再掲

注意

・腐向け(いつもの)
・ほぼ会話文のみ
・スッキリしないオチ
・ハガレンの三次創作(同人ゲーム作品の二次創作)

目次

第1話

ホムエド「あの人たち忙しそう」
エン「軍人だからね〜。今は調査中っぽいよ」
ホムエド「事件が起きたってこと?」
エン「そう。殺人事件だってさ。なんで人間ってすぐキレるんだろ?単純でからかいがいあって面白いけどさ」
ホムエド「…………」
エン「あらら、まーた黙っちゃった……」
ホムエド「……なんか、ああいうの懐かしい……?……気がする」
エン「……!」
ホムエド「ねぇ、前の『オレ』は、軍の人と仲良かったんでしょ?父さん……“お父様”に聞いたよ」
エン「………さぁね。確かにエンヴィーはいつも『鋼のおチビさん』って呼んでたけど」
ホムエド「どうして鋼なの?」
エン「腕と足が機械鎧だから。……おチビさん本当に憶えてないの?」
ホムエド「オレの過去なんて興味ない。知らなくていいし、お父様に貢献できればいいと思ってる」

エン (やっぱり賢者の石を入れられても、完全にタヒんだ訳じゃないんだね……

……簡単にあいつがタヒぬわけないか。)

エン「ならよかった」
ホムエド「?なにが?」
エン「なんでもないよ。さ、行こっか」
ホムエド「う、うん……」

第2話

エン「大丈夫?」
ホムエド「……まだちょっと動けない……」
エン「何回タヒんだか覚えてる?」
ホムエド「わかんない。10回はタヒんだと思う……」
エン「よっ、と……
おチビさん軽いから運ぶの楽〜♪」
ホムエド「離せ……!自分で立てるから!!」
エン「え〜?折角このエンヴィーがわざわざお姫様だっこで運んでやるって言うのに」
ホムエド「いらない!!」
エン「もしかして、恥ずかしいの?」
ホムエド「そんなんじゃ……
………こんな怪我、賢者の石ですぐ再生するのに、大げさだよ」
エン「…!……っ………でもおチビさんは元とはいえ人間なんだよ?自分の身体は大切にしなきゃ」
ホムエド「………」
エン(こいつは何もわかってない。
……おチビさんの賢者の石はかなり消耗してる。
もしかしたら中で"前の"おチビさんの魂が眠ってるかもしれないっていうのに……)
ホムエド「わかったよ……エンヴィーがそんなに言うなら休む」
エン「それなら良かった。ここから距離あるしちょっと辛いかもだけど我慢してね」

第3話

エン「おチビさんは全然笑わないね」
ホムエド「だって、笑う必要がないもん。何が楽しいのか、悲しいことなのか、よくわからない」
エン「前のおチビさんはよく笑ってたよ。怖い思いたくさんしたのにポジティブだったし」

ホムエド「……まただ……

エンヴィーは、今のオレのこと嫌いなの?」

エン「え……」
ホムエド「ずっと前のオレの話ばっかり。今のオレを全然見てくれてない」
エン「………」
ホムエド「……ごめんね……オレ、エンヴィーが望むなら前のオレっぽく振る舞うから……」
エン「そんなことする必要ない!!
……謝るのはこっちの方だろ。お前の気持ちに気づいてやれなかった」

ホムエド「………ねぇ、オレ、そんなに前のやつと違うの?」

エン「………っ

……全然違うね。俺の知ってるおチビさんじゃないよ、あんたなんか」

ホムエド「………!!
そう、だよね……憶えてないからわからないけど、やっぱりオレは前のオレじゃないんだ………」
エン「そう。

だからお前をみると胸騒ぎがして、腹が立って仕方ない」

ホムエド「!………ごめんなさい………ごめんなさい………!!エンヴィーの望んでる“オレ”じゃなくて、本当にごめんなさいっ……!!!ちゃんと前のオレみたいに振る舞えるように頑張るから……!!」

エン「……っ泣くな!!謝るな!!うるさいんだよ!!

………何が『プライド』だよ………こんな弱っちいやつをホムンクルスにするなんて!

……お父様はどうかしてる……」

ホムエド「………」
エン「お前は元々人間だしホムンクルスになりたてだからわからないかもしれないけど、
ホムンクルスってのは自分の名前として与えられた感情だけ持てばいいんだよ。
それ以上を求めちゃだめ」
ホムエド「でも、エンヴィーが……」
エン「自分でも言ってただろ?傲慢なお前が笑う必要はない。あいつの………"前"のおチビさんの真似をする必要もないんだ」
ホムエド「………でも、」

エン「いいから。

………もう、いいよ……

……お前には失望した。これからはもう助けないよ。


バイバイ、『プライド』」

第4話

ホムエド「………なんであんなに怒ってたんだろう」
ラスト「プライド、エンヴィーと何かあったの?この前から姿を見かけないけど」
ホムエド「あいつ、オレに失望したって言ってた。オレが“前”のオレじゃないから……

“前”のオレって、どんなやつだったのかな」

ラスト「頭はいいけれど、それが戦闘に役立ってたかといえばそうでもなかったわね。エンヴィーに煽られて我を忘れてたみたいだし」
ホムエド「?」
ラスト「つまり貴方とちがって熱血漢だったってことよ。わかりやすく言うなら主人公タイプ……というより、猛獣なんだけど」
ホムエド「オレが……?」
ラスト「今からじゃあ想像つかないのも無理はないわ。でも私たちにとってはあっちの方が長く見てきた姿だった。だからエンヴィーは落ち込んでるの。
……このままだと仕事に影響するから、さっさと仲直りしなさい」

ホムエド「って言っても…

……あ」

エン「あ」

ホムエド「………まだ、怒ってる?」
エン「いや、だいぶ冷めたから帰ろうと思ってたところ」
ホムエド「ラストに聞いた。“前”のオレは今のオレとは真逆の存在だったって。エンヴィーがああなったのも、オレが全然反応しなかったからなんだね」
エン「あのBBA……
……その通りだけど。だから何だよ」

ホムエド「もう“前”のオレは戻ってこないかもしれない。いつか“前”のオレを憶えてる人がいなくなるかもしれない。

だけど、“オレ”はちゃんとここにいる。

“前”のじゃなくても、“今”がいる。それでいいんじゃないのかなって」

エン「全然よくないだろ、それ。お前はあいつじゃないことくらいわかってるよ」
ホムエド「でも、重ねてる。
今のオレのことをこれっぽっちも見てない」

エン「…!
……ごめん。お前のこと、受け入れられなくて。
気持ちが落ち着くまで、もう少し待ってて欲しい」

ホムエド「………」

エン「……やだなぁ、
そんなに真剣にみつめられると恥ずかしいんだけど?」

ホムエド「えっ?……あっ……///

…ごめん…///」

エン(なに今の!?顔紅くした!?えっえっかわいい!?)

ホムエド「〜っ……っそ、そういう訳だから、もうオレに“前”のオレの話は極力しないでよ」
エン「うん」

ホムエド「……あぁ、今気づいた。

オレ、“前”の自分に嫉妬してたのかも」

第5話

ホムエド?「ゔぃ……エンヴィー!起きろ!」

エン「うわ!?……んだよ、おチビさ、ん……か……?」
ホムエド?「〜っ!!誰がチビだっ!?大体、なんでオレがあんたと一緒にいるんだよ!こんな格好までさせられて……」

エン「は?なにいってんの、あんたは『プライド』だろ?」

ホムエド?「プライド……?

なにいってんだ、って……いや、こっちの台詞なんだが!?

っていうか、アルは?あいつはどこにいる?」

エン「!……おチビさん?もしかして、鋼のおチビさん……なの……?」
エド「あ?……てめぇまたチビっつっただろ!」
エン「すいません!」

エン「………ここに来る前、何してたか憶えてる?」
エド「えっと……お前らと何か取引しようとしてここに来たのは憶えてるけど……」
エン「そう。

……あんたは今までお父様に洗脳されてたんだよ。その格好も、お父様にホムンクルスだと思い込まされてた証拠」
エド「……だろうな。あの親父、自分の息子さえも利用するなんてな……最低最悪だ」
エン「何も知らないほうが、あんたにとって幸せだったのかな。それでもあんたならわざわざ険しい道を選びそうな気がするけど」
エド「はは、そうかも。

なぁ、アルは……」

エン「………」
エド「……もしかしてもう、身体が持たなくなっちゃったのか……?そんなはずは……!!」

エン「ごめん」

エド「……なんでお前が謝るんだよ……」
エン「ごめんね……こんな、こんな筈じゃ……」
エド「お前はなにも悪くないだろ……?
何があったのか教えてくれれば赦すから……」

エン「………アルフォンス・エルリックは……

……俺が」

エド「!?

そんな……!!

そんな、あんたが……アルを……!?

……うそ、だよな……?」

エン「ううん。嘘なんかじゃない。本当だよ」
エド「!てめぇ……自分が何をしたのか、わかってるんだろ……?!……オレの弟を返せよ!!あいつがいないと、オレは……!!」

エン「っ……だから言いたくなかったんだよ……!
あんたには弟や仲間がたくさんいるけど、俺にはお前しかいないんだ!!

お前だけが、俺を救ってくれる……

救ってくれたと思ったのに……

どうして、こんなことになっちゃったんだろ……」

エド「エン、ヴィー……?」
エン「ホムンクルスだと思い込まされてたなんて嘘。あんたは既に立派なホムンクルスだよ。

耳をすませば、賢者の石にされたやつらの叫びが聞こえるだろ?

あんたが奇跡的に生き残っててよかった。……『プライド』は嫌な奴だったからさぁ……」

エド「……オレ……ホムンクルスにされたの……?」
エン「?そうだけど」
エド「半永久的にタヒねない、のか……?」
エン「消耗するか、石そのものを破壊すればタヒねるよ。でも俺は試したいとは思わないね。まだやりたいことがあるし」


エド「ーーーなら、オレは試す」



第6話


エン「試すって……本気?」
エド「本気だよ、オレは」

エン「どうしてそんなにタヒにたがる訳?弟を殺されたから?本当にタヒねない身体なのか知りたいから?
どちらにせよ、やめておいた方がいいと思うけど」
エド「うーん……オレもよくわかんねぇ」

エン「は?」

エド「でも、折角なんだしエンヴィーも試してみればいいじゃん」
エン「ちょ、ちょっと待ってよおチビさん!このエンヴィーまで道連れにするつもり!?」
エド「……あのさ、

タヒにたがってんのはあんたも一緒なんじゃねぇの?」

エン「!?……どう、してそんな、こと……」

エド「あんたの顔みりゃわかる。最初はオレに会えて嬉しそうにしてたけど、オレがアルのことを聞いてきたあたりからやけに怯えていたから」
エン「……」

エド「勝手にこんな身体にされて、
そのくせ洗脳?されてた影響か、新しい人格が生まれちゃったし。
『プライド』?とかいう人格には申し訳ないけど、オレは化け物なんかになりたくないな。
…たぶんそれが理由」


「それかーーー

 (プライド)
新しい人格がタヒにたがってるのかもしれない」

エン「………俺は、あんたに伝えてなかったことがある。それを伝えたら、返事を聞いたら、もうそれでいい。

……たとえお前が俺を嫌っても」


エン「エドワード・エルリック。

この世界で、一番あんたのことを愛してるよ」

「……ん。オレも……いや、……“オレたち”も。

愛してる、エンヴィー」










(ふたりは幸せなキスをして終了)


番外編

エン「ねぇおチビさん、これあげる」
ホムエド「?」
エン「ニンゲンはこうやって誰かにチョコを渡す文化があるんだって」

ホムエド「………変なの」

エン「ほんとそれな!……でもまぁ、エンヴィーは甘いものはキライじゃないし、たまにはいいのかもね」
ホムエド「そうかな……?

………そうなのかもしれないね」

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ホムエド「それ何?」

エン「チョコパフェ。
……なに、食べたいの?一口ならやるけど」

ホムエド「食べる………

………ん、おいしい」

エン「よかった~

………前の『おチビさん』に対してはこういうことできなかったから……」

ホムエド「?」
エン「な、なんでもない!!」

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