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ひとりでロックスターになる方法 ep.04

ソロで音楽活動をするメリットとデメリットですが、端的にいうとメリットが非常に多いです。岡崎体育が"バンドざまあみろ"と言ってるのはほんとその通りです。心からの声です。

では具体的にどこがメリットでデメリットなのかをシーンに分けてお話しさせてもらいます。
ただし、これは私のケースのみに限った話ですので他の人はわかりませんよ。あくまでも個人的見解ですのでご理解ください。

お金

まずは一番気になりますよねお金。以前の記事にも書いたかどうか忘れましたが、リバーシブル吉岡としての収入はライブのギャラ(チケットバック含む)、音源、物販のみです。

ライブのギャラについてですが、ギャラを貰えるようになったのは活動してから5年目くらいだったと思います。
それまではひたすらお金を払ってました。そう、いわゆるノルマというやつです。ここで突然のデメリットが登場します。ノルマとはライブハウスに出演するにあたってバンドマンやアーティストに課せられる使命です。

例えばバンドマンとかであればチケット20枚をノルマとして課されます。バンドマンはライブまでに頑張ってチケットを売ります。で、結果チケットは10枚売れました。そうなると残り10枚分のチケット代はバンドマンが負担しするというわけです。
もし、ノルマ以上チケットが売れた場合、そこからギャラ(チケットバック)が発生するわけです。

ライブハウスにもよりますが、バンドマンもソロアーティストも基本同じノルマを課せられるので、まずここから不利です。一人の力でチケットを売ること4、5人で売るのとは雲泥の差です。そして、売れなかった場合にライブハウスに支払う金額もソロの場合はひとりが全額です。バンドマンはみんなで割り勘できます。

突然突きつけられるこの事実。ライブはしたい、でもお金がかかる。そんなジレンマに囲まれる初期の頃でした。

しかし、いつの日かギャラが貰えるようになったんです。動員がまったく無くても電車代貰ったり。動員がゼロでも"今日はありがとう"と飲み代を貰ったり。次第に○○円で出てくれませんかというオファーが入り始めるわけです。
いつの間にノルマがあるライブに出ることが無くなり、誰かからのオファーで出演する事がメインになっていくわけです。
ギャラを貰えたとき、それがリバーシブル吉岡という存在を求められた瞬間でもあるわけです。

具体的なギャラの相場についてはあまり公にすると、スギムさん(クリトリック・リス)や佐伯さん(佐伯誠之助)に怒られるのでこの場では伏せておきます。
例えて言うなら往復をゆったり移動できる交通費+日雇いの日当+αくらいでした。

なのでソロアーティストをやろうと思っているそこの君。自分が認められるまで、誰かに欲して貰えるまではとことんお金を払う覚悟をしてください。
時々います、ノルマを払いたくないというバンドマン。ノルマ無しのライブしか出ませんというバンドマン。それは本当に損なこと。
お金を払うのは当たり前。偉そうなことは言わない。誰がずぶの素人のお前の音楽なんてお金払ってまで聴きたいのよ。最後まで聞いていただいてありがとうございます、お聞き苦しかったでしょ?ところで今日のライブどうでしたか?参考にしますので意見をお聞かせください。これが人としての正しい形です。

もちろんノルマがないライブハウスもありますので、そこを城として活動することも良いと思います。それはあなたの勝手です。
またノルマがあるライブハウスであってもブッキングの方に交渉してノルマ自体を下げてもらうのも良いでしょう。
問題はやる気です。最初から"ノルマは払いません"とか言うのだけは本当にやめてください。

とまあノルマの話を長々と書きましたが、ギャラが入るようになってとても活動は楽になりました。もちろんライブの回数も増やす事が出来ますしね。あとギャラを独り占めできるというのは最大のメリットですね。ぜんぶポケットにイン。ギャラを貰ったらポケットにイン。物販売れたらポケットにイン。

物販の話が出たので物販の話をしましょう。
物販とは現代の音楽アーティストにとっては最重要資金源ですよね。皆さんなんとなく気づいてますよね?物販を売らずして何を売ると言われるほどに物販は重要です。

特に最近はグッズを作るのが安くなりました。小ロットで安く作れるもんだから、どんな貧乏バンドでも簡単なグッズは作って売れるようになりました。

私がやり始めた頃はまだまだ物の値段は高く、作れてせいぜいステッカーくらいでしたね。今ではTシャツからスマホケースから何から何まで安く作れますし、デザインもみんな上手になってきましたし羨ましいです。

私の場合、そんなに物販で利益を得ていたわけではなく、どちらかというとサービスに近い感覚でやってました。赤字で無くトントンで良いかなという気持ちが強かったですね。

デザインやデータ作成は自分でやってましたので、そこに費用は発生してませんでしたし単純に商品原価と売値との差のみでした。
とはいえCD出したばっかりのタイミングとかではそこそこ物販も買っていただいたので助けられてました。ありがとうございます。

物販では儲けというより遊び心を持たせていました。例えばCD複数枚購入でサランラップごしのキスをやったり、くじ引きやったり、セクシーボイスCD付きのセミヌード写真集出したりと好き放題させてもらってました。買ってくれた気の毒な皆様、お付き合いありがとうございました。

CDのリリースについてはちょっと複雑なので、あまり詳しく説明が出来ないのですが、できる範囲でさせてもらいます。
まず、ライブハウスだけで販売しているような全国流通していない音源(CDRなど)は制作費(録音費、空のCD代、ジャケット印刷代、内職)が原価で、売値との差額が利益になります。
ここでまたまたデメリットがでますが、制作を全部一人でやるので大変です。録音にもお金をかけられないので自宅で録ったりしました。CDに焼くのも時間がかかりますし、ジャケットをカッターで切ったりするのも手間です。手間賃を考えれば完全に赤字です。

次に全国流通のCDについて。いわゆるCD屋さんやAmazonなどで買えるようになったCDの事です。これは流通会社というものを介してCDを店舗に卸す形になります。
私の場合、例えば最初にCDを1000枚作ります。それを流通会社に納品してから事前に契約した取り分を貰います。その後、自分で手売りする分だけを買い戻して物販で販売するという流れでした。
私のお世話になっていた流通会社は本当に素敵な会社で、ここの方がいなければ私はCDを全国出すことは無かったと思います。
本当に最初から最後まで感謝しかなかったです。本当に助けてもらいました。

といったお金の話でしたが、簡単にまとめますと

最初は結構出費も多いけど、頑張って自分の立ち位置を確立できればあとは独り占めできるのでお金には困らないよ。

というのが答えでした。
しっかり先を見据えてオリジナルを追求すればおそらくお金で苦労することはないと思います。私の場合、活動休止した時点ではそこそこ貯金がある程でしたので。
あくまでもこれはソロで活動していた私だけの意見ですので悪しからず。

とまぁ、お金についてで結構長くなってしまいましたのでそのほかのメリット、デメリットはまた改めて。

#エッセイ #音楽 #バンドマン #リバーシブル吉岡 #ひとりでロックスターになる方法

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