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一橋大学ジョン・マンキューソ准教授によるハラスメント(4) 〜ARIC研究会襲撃事件(3)なぜ犯人がマンキューソ氏だと発覚したのか?

前回では、2016年12月14日に起きたジョン・マンキューソ准教授によるARIC研究会襲撃事件について書きました。
まだ詳細を読んでいない方はこちらをご参照ください。
一橋大学ジョン・マンキューソ准教授によるハラスメント(3)〜2016年12月ARIC研究会襲撃事件(2))

前回の記事でマンキューソ氏による強烈なハラスメント行為について書きましたが、研究会の直後は被害による精神的苦痛と、極右による襲撃に対する恐怖を意識せざるを得ませんでした。

しかも犯人である白人男性極右の正体も不明なままだったのです。なにせマンキューソ氏は名前も明かさず、自らを国際的なネットワークを持つ極右のトランプ支持者であると示唆し脅迫していたのです。同様の極右シンパが再び私たちを襲ってくるか恐ろしくてたまりませんでした

では、どうして犯人の白人男性極右が、マンキューソ准教授だと判明したのか?

このツイートがきっかけでした。

一橋大学大学院商学研究科准教授の河野真太郎先生(現在は専修大学の教員。話題の『戦う姫、働く少女』(堀之内出版)の著者)が、私の次のツイートをみて、メンションをくれたのです。

その河野先生のリンク記事を読んでみたら、たしかに犯人の白人極右とうり二つの人物の写真があります。

この人物こそジョン・マンキューソだったのです。こうして私たちの研究会を襲撃した白人極右活動家が、一橋大学のジョン・マンキューソ准教授であることがほぼ確定したのでした。

この記事は日本のトランプ支持者(極右)にインタビューしにいく、という企画です。筆者のライターがフェイスブックでマンキューソ准教授をみつけた時の描写をみて愕然としました。次のようなものです。

I visit his FB page and am greeted with an “I Love Japan” heart icon against a backdrop of the Hinomaru flag — it’s the wartime one with the long red rays, too, that Japanese far-rightists love to parade around with. Bingo!
I scroll down: postings about Hillary being a crook, a link to some conspiracy site about the World Trade Center. This is Pure Trumpland with a weird Japanese twist. A reference to Queen Elizabeth as an “old bitch” who owns half of America or something. This guy is the real deal. I email him asking for an interview.

ざっと仮訳しますと、

私は彼のフェイスブックページを訪れ、日の丸〔訳者注、じつは旭日旗〕――ただし日本の極右主義者がそれを振ってパレードするのが大好きな、長い赤い光線を放つ戦時のものだが――を背景にした「私は日本を愛しています」のハートのアイコンで迎えられた。ビンゴだ!
私はページを下にスクロールする。すると、ヒラリーが詐欺師であることについての投稿、世界貿易センターについての陰謀サイトへのリンクがある。これこそ生粋のトランプランドだ(奇妙な日本的なひねりが加えられたものだがエリザベス女王を「老いぼれ売女」と呼び、その人はアメリカの半分か何かを所有しているのだそうだ。こいつは本物だ。私は彼にインタビューを求めるメールを送る。

つまり、この記事からしてマンキューソ准教授は、単にトランプを支持する信条の持ち主である以上に、性差別で陰謀論やフェイクニュースを積極的に拡散する人物だということがわかったのです(もちろん米国でトランプを支持するということはフェイクニュースを政治利用する、白人至上主義やセクシストに近いとみられます)。

ちなみに、上の記事ではマンキューソ准教授のトップ画像は日の丸Hinomaru flagとありますが、正しくは旧日本軍の軍旗である旭日旗です。

旭日旗は近年日本各地で頻発するヘイトスピーチ街宣で差別煽動活動に必ずといっていいほど使われる差別シンボルです。国際的にも旧日本軍の軍旗であり、アジア侵略を正当化する差別的シンボルであるとみなされます。じっさい、サッカーのFIFAとワールドカップでの差別撲滅において協力関係にある反差別NGO・FAREの作成したガイドラインでも規制対象となっています(12頁から抜粋した下記画像の通り。ARICはFAREのアジア初加盟団体です。)。この事実はマンキューソ准教授がレイシストであることを示す重要な根拠でした。

とんでもない差別を含む暴言と脅迫によって、学生主体の研究会を妨害してきた人物。卑怯にも一切名を名乗らず、連絡先さえ語らなかった人物。そんな人物がなんと、一橋大学の准教授のポストについていたことに驚きを隠せませんでした。

この件について私たちは、一橋大学の多くの教職員・学生・卒業生に相談に乗ってもらいました。その結果判明したのが、実はマンキューソ准教授がハラスメントを行ったのは今回が初めてでもなんでもなかったことです。私たち以前にも、学生や教員に対して無数のハラスメントを行っていることで、学内でも有名な人物であったのです。

一例を挙げれば、授業中に怒った学生の携帯を折るとか、学生が授業中に出自をネタにされるという差別被害を受けるとか、です。

聞くところによると、マンキューソ氏は一橋大学で何十年も英語の授業を担当しており、体育会系的な指導を行う「名物教員」として知られているようです。明らかに授業がハラスメントの温床となっていることがわかりますし、まだ知られていない学生・教職員に対するハラスメントが数え切れないほど発生していると思われます。

なぜここまで私たちがマンキューソ准教授のハラスメント被害をこのように告発しているのか。第一義的にいえば、私もARICも、これ以上マンキューソ准教授の現在進行形のハラスメントを食い止めなければ、被害によってまともな研究も活動もできない、大学内外で身の安全さえ保障されない、ということがあります。

しかしそれだけではありません。被害者は私たちだけではないのです。

30年ちかく、マンキューソ准教授のハラスメントを放置してきた、一橋大学と教職員含めた関係者の責任を明確にすることで、これ以上かれのようなハラッサーによる差別・ハラスメントで苦しむ人を出したくはない、からです。

時間もなく、少し体調も悪いので、続きはまた書きます。

もしも、読者の中で、一橋大学の在学中あるいは在職中に、ジョン・マンキューソ氏から差別・ハラスメント・嫌がらせ・脅迫を受けた、という方、ぜひ当方までご連絡ください(秘密は厳守します)。私たちは彼のハラスメントに終止符を打ちたいと思います。もし彼のハラスメントを阻止できなければ、一橋大学の後輩に被害者が続出するでしょう。


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