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スターダスト☆レビューと大滝詠一さん

大滝詠一さんとスターダスト☆レビューの関係、一般的にはどのくらい知られているのだろう。

今回、今まで知っていた情報から追加でスタレビ側からの情報やそのことからさらに発展した内容を知ったのでまとめたいと思い立ちました。

大滝詠一さんのアルバム「SONG BOOKⅡ」について

これは、大滝さんが他のアーティストに提供した楽曲を集めたアルバムです。

監修はもちろん大滝さんご自身。
曲順や入れる曲自体にもなかなかこだわってて、音楽的な流れが加味されてて、なかなか面白いです。
Ⅱがあるので、もちろんⅠもあります。ⅠとⅡの違いは、曲の年代の違いですが、Ⅰはのちに”増補改訂版”が発売されています。

これらのアルバムには大滝さんご自身の詳細なライナーノーツがあり、
かなり読みごたえがあります。
大滝さんの作った曲が好きな方はぜひ買っていただきたいなぁ~。
(『A LONG VACATION』では急にライナーノーツがなくなったんでしたよね・・)

と、前置きが長くなりましたが、

今回はそのアルバムに入っている曲『がんばれば、愛

に着目して、一連の流れとその後の別の流れや不思議な縁をちょっとまとめてみたいと思います。

ご存じの方も多いと思いますが、スターダスト☆レビューの根本要さんは
アマチュアの頃、「がんばれ、タブチくん」という映画の主題歌を歌っていました。その時の名前が”クレージーパーティー”。

バンド名なのかユニット名なのか、はたまた個人名なのかよく分からないのですが、こういう名前でした。

https://youtu.be/EtEM6w8Fi_M?si=jG6WHr1uc13vdep0

私からしたら、大滝詠一さんと根本要さんの夢の競演なんですよね~!
大滝さんの一人多重コーラスは超貴重ですよ!!

根本さん側からの話

ラジオなどからの発言を聴いていると、「がんばれ、タブチくん」の主題歌を歌うことになった経緯はどうやらこんな感じのようです。

  • アマチュアバンドで歌っていた時、大手事務所の人に声をかけられた

  • 曲作れるかと聞かれたから「作れる」と答えた

  • 作って持っていって「誰が歌うんですか」と言ったら”君だよ”と言われた

2作の映画分の2曲はできたが、また3作目ができるからということで曲を頼まれたが今回は作れなくて、「作れませんでした」と言いに行った。
そんなことだろうと思ったよ、とその時の担当ディレクターがすでに作ってもらっていた人物が”大滝詠一”さんだったそう。

大滝さん側からの話

  • 「がんばれ、タブチくん」の映画の主題歌のオファーが来た。

  • 曲を作ってデモバージョンを持っていった。

  • 担当ディレクターは、大滝さんが入れていた”一人多重コーラス”を気に入り、大滝さんにコーラスを入れてほしいと頼んだ。

  • かくして大滝さんはコーラスだけ入れにビクターまで一人行った。

どうやらそのあとボーカル取りで根本さんが来た時には大滝さんは既に帰っており、大滝さんと根本さんは会わなかったようです。


「がんばれば、愛」のデモバージョンには幻の間奏があった!


大滝さんが作ったデモバージョンには、間奏が入っていたのですが、それは採用されなかったそう。
その使われなかった間奏部分が「君は天然色」の間奏に使われることになります。(後述する”Road to A LONG VACATION”参照)

↑間奏部分です。頭出ししてます。

スタレビのデビューは1981年だった!

その後、スタレビは1981年にデビューします。
デビュー曲はブギウギのピアノがフューチャーされた「シュガーはお年頃」!

これって、絶対、大滝さん注目してたよね?
曲聴いてますますそう思いました。歌詞も大滝さん、好きそうだなぁと思ったし。

これって、大滝さんや細野さんがソロでアルバムを出したときに色々模索していた中のリズムパターンと印象が重なる。

特に「NIAGARA MOON」のアルバムなんか顕著に現れてます。

大滝さん、スタレビュが出てきたとき絶対何か思ったはず。

ところで、1981年と言えば、、ロンバケが発売された年ですよ!!!
これってすごい縁ですよね・・。

大滝さんは縁を大切にする人だから、きっとスタレビのデビューとか、音楽性といろいろ絶対見てたはず。(なんせチェックがすごかったと聞いている)スタレビの音楽性は嬉しかったと思うなぁ・・。

そんな大滝さんは前述の「SONGBOOKⅡ」のライナーノーツで

”「がんばれば、愛」を歌ったクレージーパーティーは、
のちにスターダストレビューになる根本要君だと知った。
彼は「がんばれば、愛」を自分が歌ったことを公表することを
頑なに拒否している。”

大瀧詠一 SONG BOOKⅡ ライナーノーツ

と書いていました。それを読んだ私は
「根本さん、公表したらいいのに~!」と勝手に思っていました。

でも、どうやらこの曲に関しては特に隠していることもなく、Liveでやったりもしていたようです。

根本要さんのラジオなどを聴いていると、

「自分たちはシュガーベイブやはっぴいえんどの系譜に入りたかったけど、入れてもらえなかった」
と発言していることも多々あって、私は”えぇ~~!!!”と思ったものです。

なんと、細野さんに「入れてください!」と直訴までしに行ったそうです(笑)でも、細野さんからは「僕に言われても・・・」と言われた・・。

前述の根本さんが”公表したがらない”云々は、ロンバケ30thパーティー(2011)で流れた「Road to A LONG VACATION」でも大滝さんが口にしていました。

購入特典として抽選で当たったイベント。
ロンバケ40thで収録され、参加できなかった人達もようやく聞けるようになった。
(私もじつは3番の受付番号で当たっていたけど、どうしても子育てと重なりいけなかった泣)

じゃあ大滝さんがライナーノーツに書き、Road to A LONG VACATIONで言った”公表を頑なに拒んでいる”というのは何だったんだ?

ただの憶測ですけど、大滝さん、スタレビにだいぶ興味あったんじゃないかな?

ナイアガラトライアングルvol.2の杉真理さんはスタレビュの根本要さんといろいろ共演しているようだし、大滝さんはナイアガラファミリーの動向は常にチェックしてそうだった。
きっと、注目したり意識したりしてたんじゃないかな。

スタレビュのアカペラも天下一品だし、大滝さんも達郎さんも好きそう。

のちにスタレビュを脱退する三谷泰弘さんは、山下達郎さんのライブのコーラスを長年務めています。

スタレビはコーラスやアカペラにも定評があり、しかも多くの音楽から影響を受けているので、山下さんからも厚い信頼があるのかなぁ~と勝手に思ってます。
なんと1998年からずっと達郎さんのライブコーラスを担当しているそう!
スタレビではキーボード担当だったのがコーラスとしてのオファーなんですよね。Liveをこの前観に行きましたが、エネルギッシュで素敵でした。
1曲だけキーボード弾いてたのは嬉しかったな。

歌うのは好きだけど、メインボーカルは無理”と思っていた根本要さん

今ではスーパーボーカリストとしてテレビ番組のランキングにも入るほどの根本さんですが、本人は自分にメインボーカルは無理と思っていたそうです

子どもの頃からハスキーな声でコンプレックスがあり、音楽の授業ではいつもかたくなに歌わなかった。
でも誰より音楽が好きだからジレンマがあった。

スタレビュの前身バンド”アレレのレ”でもメインボーカルではなく、コーラスやサブボーカルの位置だったそう。

「おらが鎮守の村祭り」

確かに後ろで歌ってる・・・。
実はこの曲、1番と2番の間にこんなセリフが入ります。
”2番は1番とちょっと違う!”

これって・・・!そう、大滝さんのアルバム『ナイアガラムーン』に入ってる「ハンド・クラッピング・ルンバ」の歌詞と同じ!
これ自体もパロディだって聴いたけど、それを何とスタレビが継承してたんですね・・!
これに気づいた時は感動しました。

こちらは本家、大滝さんの「ハンド・クラッピング・ルンバ」
いい音だなぁ

のちに清志郎さんボーカルでTinPan名義でCDが発売されたけど、この時は
「2番と1番はちょっと違う、そりゃそーだ」と清志郎さんが入れちゃったみたい。

この話しか知らなかったので、スタレビの話は感動したなぁ。
(はっきり言って勝手な憶測なんですが、、)

「がんばれば、愛」の話に戻るけど・・

「がんばれば、愛」の一人多重録音を聴き、気に入った井上陽水さんが、News23に復帰する筑紫哲也さんのために番組のテーマを作る際に、大滝さんにコーラスアレンジを頼んだそうです。(これもすごい話)

しかし、大滝さんは徐々に来なくなり代わりに来たのが、のちに井上陽水さんと『少年時代』を共作する”平井夏美”こと川原伸司さん

川原さんはそのころ、ビクターの社員だったので、ペンネームを使って作曲していたそうです。

実は川原さんは、ナイアガラトライアングルの杉真理さんもビクター時代に担当していたというので、つながりや縁てほんとすごいんだなと感じました。

大滝さんとも親交の深かった、川原伸司さん

大滝さんは、自分にオファーが来ても違うな、と思ったら他の人を提案することがよくあるようです。

ラッツ&スターの「め組の人」は最初、大滝さんへのオファーだったそうだし、ZARDがドラマの主題歌を歌ったデビュー曲「Good-bye My Loneliness」も大滝さんが”今の時代なら長戸大幸くんがいいよ”と推薦したそう。

「がんばれば、愛」の話から、ZARDにまで話が及ぶのがさすが大滝さんだなぁと思うし、なんか、縁てすごいなって思う一連の流れでした。


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