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できるようにする秘訣 「できる」を目指した英語授業の指導例

授業の目的は教えることではなく、できるようにすること。

生徒が、「知らない・わからない」という状態から「わかる」という状態を経て「できる」までもっていくこと。

ただし、勤務時間を超えて、自分の生活や時間を犠牲にしてまで「奉仕」するのはだめです。

基本的には授業時間内で勝負をつけるべきです。そうしないと自分に甘えが出て、いつまでも授業力は向上しません。

では、できるようにする指導とは何かということですが、それは「楽しい授業」ではありません

「楽しい」=「できる」では全くないことは以前書いた通りです(「楽しい授業」が授業の第一目的ではない)。


できるようにする指導の秘訣

一番大切なことからいいます。

それは、

「変化のある繰り返し」

です。

一つのことを達成するために、一つの方法だけでは難しい。

一つのことを達成するために、いくつかの種類の違う方法を組み合わせて行っていくという考え方です。

例えば、英語の文法指導で、教えた内容を定着させるために例文を5つ覚えさせたいとしましょう。

その定着を理解込みで指導していくとき、優秀な進学校であればさほど苦労はしませんが、そうでない場合は「段階的な変化のある繰り返し」を用います。

たとえば、自動詞と間違えやすい他動詞の例文が以下のようにあるとします。

1. 彼はその駅に到着した。 He reached the station.

2. 彼らはその問題について話し合った。 They discussed the matter.

3. 私たちはその部屋に入った。 We enter the room.

4. 彼はその女性と結婚した。 He married the woman.

5. その飛行機はパリに近づきつつある。 The plane is approaching Paris.
 

⑴ まずは説明。reach/discuss/enter/marry/approachは後ろに前置詞を付けてはいけないことを話す、示す。


⑵ 問題練習1種類目。答え合わせ→全体音読練習

問題 (  )内に入るものを選んで、(  )に書き入れなさい。
(選んだものに〇をつけるだけのものはだめ)

1. 彼はその駅に到着した。 He (                ) the station.
[ reached / reached to / reached at ]

2. 彼らはその問題について話し合った。 They (                ) the matter.
 [ discussed / discussed about ]

3. 私たちはその部屋に入った。 We (                ) the room.
 [ entered / entered in / entered to ]

4. 彼はその女性と結婚した。 He (                ) the woman.
 [ married / married with ]

5. その飛行機はパリに近づきつつある。 The plane (      ) Paris.
 [ is approaching / is approaching to ]


⑶ 問題練習2種類目 答え合わせ→全体音読練習→個人音読練習(Read and Look Upで)

問題 日本語の意味になるように(   )内を並べ替えなさい。

1. 彼はその女性と結婚した。 ( married / the woman / He )

2. 私はその駅に到着した。 ( reached / the station / I )

3. 私たちはその問題について議論した。 ( discussed / the problem / We )

4. 私たちはその部屋に入った。 ( entered / the room / We )

5. その飛行機はパリに近づいている。 ( is approaching / Paris / The plane )


⑷ 問題練習3種類目 答え合わせ→音読練習(ペアワーク)

問題 日本語の意味になるように(   )内に適語を入れなさい。
(語頭の文字を与えるなどして易しくすることもできる)

1. 彼はその女性と結婚した。 (  )(  )(  )(  )

2. 私はその駅に到着した。 (  )(  )(  )(  )

3. 私たちはその問題について議論した。 (  )(  )(  )(  )

4. 私たちはその部屋に入った。 (  )(  )(  )(  )

5. その飛行機はパリに近づいている。 (  )(  )(  )(  )


段階的な変化のある繰り返し」というのはこんなイメージです。

ほかにもいろんなバリエーションが考えられると思います。

生徒的には「授業で行う活動をしていたら、いつの間にかできるようになっていた。」というような感覚にさせられたらOKです。

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