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マネジメントに悩んでいる人達へ
はじめに
先日、会社の組織に関する話を聞いていて、ふと気になる発言があった。
「メンバーが10人に増えてマネジャーとして管理することが大変」
「マネジャーはしっかりとメンバーにガバナンスを効かせる必要がある」
何が気になったかというと、これらの発言は全て、マネジャーがやる「マネジメント」という業務がメンバーを「管理=コントロールすること」だと捉えている点。
世の中に「マネジメントとはこうあるべき」という本は多数存在しており、ピーター・F・ドラッカーが有名だが、読むとかなり堅苦しい。過去、女子高生が主役の漫画にされたり、わかりやすく噛み砕いた本も続々出ているが、もっと簡潔に言うと何だろうか。
僕にとってマネジメントとは、メンバーを「管理する」ことではなく、メンバーと共に「なんとかする」ことだと思っている。
そんな僕の考えが合ってるかどうかはわからないが、冒頭のような発言に正直、違和感を感じたのがnoteを書く発端となった。
偉そうに言う気は全くないが、もしマネジメントに悩んでいる人がいたら、僕の経験が少しでも役に立つと嬉しい。
僕がマネジャー時代に経験した「しくじり」
少し前に遡るが、僕が数年前にとある組織のグループマネジャーになったばかりの頃のこと。
マネジャーになったばかりの僕は「事業や組織を管理する」ということ、細かくいうと、事業においてはゴールを設定してそこにメンバーを引っ張ること、組織においてはメンバーの業務の進捗やレビューをすること、となんとなく位置付けて「マネジメント」らしき業務を遂行していた。
また、僕がマネジャー兼プロデューサー(=事業責任者)であったことから、仕事量が増え、気付くと組織よりも事業のほうにのめり込み、メンバーのことをあまり見れてない、という状況が続いていた。
そんな時に社内で実施された360度評価での僕に対するメンバーからのフィードバックは散々だった。その中でも特に印象的なコメントがあった。
いつも忙しくされてますが、メンバーである自分にもっと頼ってほしい。
振り返ると、事業における「大事な業務」は全部自分で抱え込み、メンバーにはその「大事な業務」から派生する分析作業や、細切れの資料作成ぐらいしか頼んでいなかった。もっと言うと、そもそもメンバーに業務を依頼すること自体、苦手だという意識もあった。その「大事な業務」とは、事業の予算決めや成長戦略といった、何度もリライトが必要な過酷な業務であり、当時の僕は、この大変な作業をメンバーにやらせるのは申し訳ない、という思いに駆られていた。
一方で、メンバーの僕に対するフィードバックコメントはまさに、僕のそのスタンスに対する不満だった。
このメンバーからのフィードバックに対する当時の僕のコメント。
夜遅くまでしんどい業務をやらせるのはメンバーに申し訳ない
そんな時、社内のマネジメント研修で僕のこの言い分を講師に伝えると、講師から次のように言われて、ハッとさせられた。
あなたは自分のメンバーを信頼していない。マネジャーであるあなたがメンバーを信頼しなかったら、メンバーから信頼されることはまずない。
メンバーとの信頼関係をどう築く?
僕はメンバーが業務過多にならないように細切れのタスクを振り、メンバーを守ってやっている気になっていたが、実はそれは「メンバーを信頼していない」ことの表れだった。それをマネジメント研修の講師に全て見透かされていたのである。
この「しくじり」を踏まえ、翌日から僕はマネジメントの仕方を改めた。
①まず自分がメンバーを信じること
②メンバーにとって少し高めの球(=ハイボール)を要望すること
具体的にどうやったかというと、常にメンバーの立場に立って考えることにした。メンバーに対して「どうしたいのか」「どうなりたいのか」を聞き、自分がそのメンバーの立場だったらこうする、という観点で自分の思いを正直に伝えた。
言葉で「あなたを信頼している」と言うのではなく、あくまでも自分がそのメンバーの立場に立った時にどう思うか、「自分ごと」として真剣な気持ちを伝えた。
また、「少し高い球(=ハイボール)を要望する」というのは、メンバーの成長に繋がるタスクをあえて振って、メンバーへの「期待」を言葉で伝えること。「ちょっと難しいかもしれないが、これができるようになれば間違いなく成長する。」そう伝えた時のメンバーの表情は、期待に応えようと希望に満ちていた(はず!)。
そして、メンバーが頑張って実行したことの結果が良かった時は一緒になって喜んだ。また、残念ながら頑張った結果が悪かった時も、自分自身のことのように本気で悔しがった。
メンバーとの信頼関係は、そのまま口頭で伝えてもなかなか伝わるものではない。どれだけ本気になってそのメンバーと向き合っているか、が信頼関係を築く上で重要だと思う。
改めてマネジメントとは?
冒頭の話に戻るが、マネジメントの意味について日本語では「管理すること」と訳されがちだが、本来のマネジメントの意味としては「なんとかすること」のほうが近いと思う。
「管理する」ということはマネジメントを「権限」と捉えているように見える。一方で「なんとかする」だとマネジメントは「役割」であり、「権限」というヒエラルキーをもつ感覚はない。
自分一人の力ではなく、組織を使って事業の成長に対して「なんとかする」ことこそがマネジメントである、と僕は考えている。
マネジメントのフレームワーク
マネジメント研修の講師が使っていたフレームワークでなかなか秀逸だと思っているものがあるので、合わせて紹介したい。
マネジメントとは
・業務と人材
・現在と未来
という軸の掛け合わせの4象限を全部やること。
自分も全部できているとは思っていないが、マネジメントをする時は、この4つを常に意識しながら進めている。
マネジャーになったばかりの時は、左上(業務改善)ばかりやっているケースと、左下(人材管理)ばかりやっているケースが多い。理由は、プレイヤーだった時のそれぞれの得意分野(業務系が得意な人、組織系が得意な人)によって偏りが出るためである。
この4象限を意識して取り組むことで右側(=未来)や上下(=業務+人材)の両方に踏み込んで取り組めるようになると、マネジメントの質は格段に上がってくる。
まとめ
・マネジメントとは「管理する」ことではなく、「なんとかする」こと。
・マネジャーは「権限」ではなく、あくまでも「役割」であり、組織として事業の成長にコミットできる人。
・マネジメントをするためにはまず、チームメンバーを全力で信頼することから始まる。
・マネジメントのフレームワークは業務と人材、現在と未来を掛け合わせた4象限を全部やること。
マネジメントは奥が深く、人間性を問われる役割だと思っています。引き続き「マネジメント」について思うことが出てきた場合は都度noteすることにします。
以上
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