見出し画像

気になるからしょうがないじゃんね

私が乗る通勤電車には、高校生がたくさんいる。ちょうど通学時間と重なるんだろう。

ホームで電車を待っていると、1人の高校生の男の子が目に留まった。
私の前に並んでいる3,4人の集団に合流したかと思いきや、軽いあいさつだけで、集団はみんなでスマホを見ながら盛り上がっており、彼は列からはみ出してぽつんと佇んでいる。
私含めて数人が後ろに並んでいるので、なんとなくばつが悪そうだ。

横から入った罪悪感があるのだろうか。一瞬目が合った。
別に私は構わないんだけど、ほかにも並んでいる人がいるので、許可を出してあげる権利はないんだ。ごめんね。

電車に乗った後も、同じ光景が続いていた。
彼は1人壁に寄りかかり参考書?を読みはじめた。


高校生のときの、フリータイムの立ち位置は大事だ。

当時私は、1人でいることよりも、どう見られているかが気になった。

こいつ金魚のフンやん、と思われたくなかったし、あいつ金魚のフンやん、と思われたくなかった。
お前金魚のフンやん、と自分にしつこく言われていたんだと思う。

社会人になると、フリータイムほどみんな1人で過ごしたがるようになる。
通勤中や昼休憩に同僚を見かけても、気づかないふりをするようになる。

学校と社会ではシステムが一変する。

1人が不安で、優等生が評価されて、悪いやつがモテる。
そういうゲームを生き抜くために身につけた技は、クリア後はあまり役に立たなかったりする。

他人がめんどくさくて、面白いやつが評価されて、ちゃんとした人がモテる。まるで別のゲームだ。


駅に着くと、彼は集団の後ろについて降りていった。
私もがんばろうと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?