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『聞く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な会話力〜』

【聞く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な会話力〜】
いしかわゆき 著

※instagramに投稿した内容に+αして投稿しています。

聞く習慣 ~自分と人生が変わるいちばん大切な会話力~ 】
いしかわゆき 著

本書の著者いしかわゆきさん (以下:ゆぴさん) が書いた前著『書く習慣』と『ポンコツ本』に続いて、今作『聞く習慣』も手に取って読んでみました。僕にとって、前著の2つがとても参考になったので、今作は "聞く" がテーマですが、どんなことが書かれているのかとても興味深かったので、思わずAmazonで予約注文して購入しました。

本書のはじめに、『書く習慣』は大きな反響があり、この本を通じて生まれたブログや記事は1万本以上にも上がったと書いてあり、その数字にとても驚きましたが、僕もその1万本以上の中の1人であることをまずとても嬉しく思いました。

本書は、「人にあまり興味がない」「口下手でコミュニケーションが苦手」と言っている彼女がインタビューライターという職業を通して学んだことや感じたことを彼女なりの視点で丁寧に教えてくれる本です。
ちなみに、ゆぴさんが編集者さんに「人にあまり興味がないんですよね」と告げたら「めちゃくちゃわかります!」と共感されてこの本が誕生したそうです。

僕もコミュニケーションが苦手で、特に就職や仕事を獲得する際の面接がとても苦手なので、本書を通してその苦手なことを克服できるコツなどが学べたらいいなと思い集中して読んでいたら、数時間くらいで読了してしまいました。

そんな中で僕がとても参考になったのが、軽いノリで相談や報告する習慣を作ったり、相手に会う前に「情報収集」をしておくことの大切さです。
例えば、軽いノリで相談や報告する習慣であれば、「本をオススメされたら、その場で買ってみる」「教えてくれた場所に訪れたら、写真を撮って送ってみる」「アドバイスに沿って動いたなら、その結果を報告してみる」と、この3つを例にあげて説明してくれました。

オススメした結果まで報告してもらえると、「教えてよかったな」「また教えたいな」という気持ちになって、相手のことをどんどん好きになっていくとゆぴさんは書いていました。

確かに僕もSNSでオススメの本を紹介していますが、その紹介を観た方からコメントを頂いたり、感想をメッセージで送ってくれた時はとても嬉しく思いました。

また、相手に会う前に「情報収集」をしておくことについては、自分に興味を持って、知ろうとしてくれている人を無下にする人はなかなかいない。
しかし、あまりに詳しすぎるとかえって相手も話すことがなくなってしまうので、相手の話を奪わないためにも一度準備した情報を一旦忘れて相手の話に集中して時には、相槌やリアクションを入れながら聞くことが大事だと書かれていました。

これまで相槌やリアクションは出来ていたかもしれませんが、相手の情報収集に関しては不足していたと感じました。

聞く習慣を身に着けるにあたって特に意識したほうがいいと感じたのが、相手の話を聞く時は、自分のテンションやリズムを徹底的に相手に合わせることです。心地いい会話とは、自分と相手のテンションやリズムが同じ会話のことだと書かれていました。

それを聞いて僕は、自分と相手のテンションやリズムを合わせることは、声という音を扱ったバンド演奏みたいだなと感じました。
自分と相手のテンションやリズムがズレることはバンドでいうとロックとクラシックを合わせて演奏している状態なんだと思いました。それでは、音楽性の違いでバンドが解散するみたいに会話も上手くいかずに終わりますよね。

他にも聞く習慣といっても時には聞きたくない話、例えば他人の愚痴や悪口を聞かされた時はどうすればいいのかも本書でゆぴさんなりの考え方で教えてくれています。

その時は、便乗して自分も愚痴を言うと、相手はよりヒートアップしていまい話が長引く可能性があるので、共感だけに留めておいて「わかるわかる」と激しく共感するのではなく、「あまりよくわからないけど、大変なんだね」とあくまで自分は参戦しないスタンスでいるのが大事なようです。

「休日なんだから仕事以外の話がしたいな、最近どこか旅行にいった?」と率先して話題を変えるのもいいが、それでも相手が続けるようであれば、 "行動" で強制的に話題を変えるのもいいとのこと。

例えば、食事中であれば、店員さんに声をかけて何か注文したり、お皿を下げてもらう。
また、「トイレに行ってくるね」と席を立つことや「この後、予定があるんだよね」と予定や時間を理由に切り上げるのもいいみたいです。

最後には、聞く習慣だけではなく、書く習慣も大事であることが書かれていました。
人から聞いた話は「だから、どうした」を入れて書くのが大事だと書かれていましたが、果たして自分もそれが100%出来ているかと自問しましたが恐らく完璧に出来ているとは言えないだろうという結論に至りました。
それでも、このことを意識してこれからも聞く習慣と共に書く習慣も続けて行こうと思いました。

本書は、僕や著者のゆぴさんのように口下手でコミュニケーションが苦手な方や長く続いたコロナ禍の影響で人との会話に苦手意識を持ってしまった方に是非読んでもらいたい一冊です。

【僕が相手の話を聞いていたら経験したこと】

僕が実際に相手の話を丁寧に聞いていたら経験したびっくりしたことを最後に紹介します。
僕はご覧の通りよく本を読むので、図書館にも足を運ぶんですが、その道中に老婦人の方と初めて出会いました。
その日はたまたま図書館が閉館日だったので、「今日は図書館やっていないみたいですね」という話から始まり今日自分が転職の面接日だったことや本の話などをお互いしていました。
僕は30分くらいその老婦人と会話していたのですが、急に彼女が自分のバッグの中にあるお財布から1万円を取り出し、こう言って僕の手に渡してきました。

「お話を聞いてくれて、ありがとう。お詫びに受け取って」と。

僕も「ありがとうございます」と言い受け取りましたが、内心驚愕していました。世の中には話を聞いただけでこんなに感謝してくれる方もいるんだなと。

Ryuki

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