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『菜食主義者』

【菜食主義者】ハン・ガン 著  きむ・ふな 訳
※Instagramに投稿した内容をそのまま投稿しています。

僕は本書を手に取ったことがきっかけでクオンさん【@cuon_kbook】とハンガン先生を知りました。

ハンガン先生の作品を初めて読んだのも本書が始めてなんですが、彼女が生み出す独特な世界観に魅了されて今も尚彼女が執筆した作品は読んでいます。

本書はある日、夢をみたという妻が突然一切の肉類を食べない菜食主義者となって、いずれは自分も植物のような姿になってしまうというお話です。

徹頭徹尾、文章でグロい表現と官能的表現をされており、映像ではなく文章だけでこれ程生々しく表現できるのかと僕は読んでいて驚きました。
正直、読んでいてムラムラしたことは内緒です。笑

人間は生まれながらにして肉食をする訳ですが、本書の登場人物のヨンヘはそんな宿命に抗うかのように、誰に何を言われようがされようが菜食主義を貫きます。
しかし、我々人間は生まれた時は肉食類ですが、死がくれば、我々は植物同然なのではないかと思いました。死を迎えれば、我々は肉食をやめて地に還り、それが花を咲かせる。そんな風に思わせてくれる作品です。

この作品は、『海辺の貧しい村で生まれて、この世の果てまで行ってみたいという願う妻が、都会での結婚生活に慣れることができず、ついには植物になってしまう』というハンガン先生が2000年に発表した短編小説「私の女の実」をモチーフにしている作品のようなので、機会があれば、是非そちらも読みたい。

Ryuki

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