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ZIZAIの退任とこれまでの振り返り

突然のご報告になりますが、22年3月のDMM様へのZIZAIの譲渡をタイミングに代表取締役を退任させていただきました。また、新設分割されたMEDIXには籍をおかず、業務の引き継ぎを約半年かけて行ってきました。
少し時間が空いたのは引き継ぎ等が落ち着いたタイミングでご報告したいと考えたためです。
現在、ZIZAIもMEDIXも新体制において地盤が固まり、さらに伸びるフェーズに入っています。
メンバーと関係者の皆様には大変、感謝しています。

MEDIXは今後も塚本大地(以下、大地)を代表として推進していくことになります。

共同代表の大地とは10年程前から会社の前身となる事業を一緒にやってきており、語り尽くせない充実した時間でした。
そんな10年間を振り返り、お話しさせていただければと思います。
また、退任の理由や今後についてもお伝えさせていただきます。

少し長くなりますが、お付き合いいただけますと幸いです。

共同代表の大地との出会い

大学時代の大地の家、350日はここで一緒にいたと思う

共同代表の塚本大地とは名古屋大学で大学1年生の時に同じクラスで出会いました。
大地への第一印象は、「変わっている!けれど、すごい男になりそう」と直感で感じました。色々な場面を通して、どんどん仲良くなりました。(当時の自分の第六感に感謝です)

大学3年の頃に一緒にメディアを立ち上げ、幸い、月に数十万ぐらい稼いでいました。
当時は僕も大地もほとんど大学に行かずに、4畳半ぐらいしかない大地の部屋に二人で毎日作業をしたり、将来について語り合っていました。

今思うと何もなかったけども、とにかく楽しい時間だったなと振り返っています。

その後、ちまちま事業をやっていても仕方ないということで、一緒に会社を立ち上げました。

奇跡の資金調達


学生時代の創業したての頃

大学4年の頃、名古屋で2人で会社を立ち上げました。
資金は2人合わせても数百万円しかなく、会社として事業を作っていくのには到底足りませんでした。
当時、ベンチャーも起業もほぼ誰もしていない名古屋という環境、そして情報収集力もなく、お金を集める=お金持ちにお金を借りるという極めて単純な、脳筋な思考回路でした。

お金を借りよう!ということでよくあるビジネス交流会に出向き、「お金を貸してくれる人を探している」と会う人会う人にプレゼンをしたところ、偶然出会った人から芋づる式に上場企業創業者のYさんに出会うことができました。
その後、非常に拙い事業計画をYさんにプレゼンし、なんと、無利子で僕と大地は合計1000万円を借りることができました。
今なら本当にありえないことだと理解できます。Yさんには今も大変感謝しています。
ちなみにその後、無事事業がうまくいったので、返済をさせていただきました。本当にありがとうございます!

ビジネス界の洗礼と気合のYouTubeチャンネル立ち上げ

資金調達後、パチンコ業界版のグノシー、スマートニュースを作ろう!ということで開発会社にアプリを委託しました。
約300万円ほどの委託費で3ヶ月ほど完成を待ったのですが、納期の日にはまさかの連絡が取れず、できてきたアプリは小学生が作ったようなひどいものでした。
完全にビジネス界の洗礼を受けたアホ大学生だったなと思いますが、今では笑い話として持ちネタになっているので、元は取れたと勝手に思ってます。

その後、時代はYouTubeだ!となり、YouTubeでパチンコパチスロのチャンネル「スロパチステーション」を立ち上げることに決めました。

チャンネルの立ち上げは最初は苦戦をしたものの、無事軌道に乗り、今では登録者135万人の業界No1チャンネルとなりました。

苦難と楽しみの拡大フェーズ

東京に来てどんどん人も事業も増えた時

アミューズメント事業として事業化され、困難は多々ありながらも非常にうまくいき、2期目には売上2億円ほどの規模になりました。
法人の口座に記帳された初めての売り上げに2人で喜んだ日を今でも覚えています。

当時は大地が1人で店舗へ毎日営業に行き、僕は社内でひたすら組織や仕組みや事業の拡大に耐える日々でした。
休みはほとんどなかったし、課題やトラブル満載でしたが、会社も事業もどんどん伸びていき、これまた最高に楽しかったです。

その後、東京に移転して順調に事業を拡大し、創業4年で20億円の売り上げを達成。
振り返ると、20兆円の市場規模でありながらもIT化が進んでおらず、競合が少ない市場に参入したことが大きかったです。
ただ、何よりも大きいのは、優秀なメンバーが集まってくれたこと。あのメンバーでなければ、ここまでハイスピードに事業も組織も会社も成長することはなかったと、改めて感謝しかないです。

IRIAMの誕生

IRIAMの構想を大地から聞いたのは二人でタクシーに乗っているときでした。
ZIZAIではミライアカリを立ち上げており、Vtubverが急激に伸び始めた時期だったこともあって、VTuber×ライブ配信というトレンディなものの掛け算であるIRIAMには可能性を感じました。

ただ、課題は非常に多いと。僕はタクシーの乗車時間を目一杯使って、ほとんど不可能にも思える課題を塚本に伝え、話し合った記憶があります。
エンジニアが一人もいない会社が優秀なメンバーを集めて、チームを作り、ライブ配信という大規模なアプリをつくるのは正直無理なんじゃないかと感じていました。

そんな課題だらけの状況からなんとかして突破口を作り、形にしていったのが大地でした。
あっという間にメンバーが集まり、プロダクトができていったのは本当にリスペクトしかないです。
以下は大地の記事で、事業の立ち上げのリアルが書いてあるのでぜひ見てみてください。

IRIAMのDeNAヘのグループイン

IRIAMが立ち上がり、ZIZAIが軌道に乗った21年の初め、DeNA様から買収の提案をいただきました。
大地が責任者として立ってくれていたので、詳しくは大地のnoteを見ていただければと思いますが、概要は以下の通りです。

・日本発のプロダクトとして、グローバルでの成功を狙えるポテンシャルのある事業だが、ZIZAIだけではすぐにグローバル展開するケイパビリティーが
なかった
・DeNA様が運営する類似ライブ配信サービスのPocochaで年間300億円ほどの売上に達していてすでに実績がある
・Pocochaのグローバル展開もスタートしている
・DeNA様の経営陣をはじめとしたメンバーの皆様のレベルの高さ
・資金調達の心配がなく、積極的に成長投資できる

ここまで評価されるサービスがZIZAIから生み出せたというのは非常に嬉しい限りですが、立ち上げからグロースまでどんどん達成させていった大地や事業部の皆に、尊敬と感謝を強く感じてます。
自分がIRIAMにおいて深く携わったところはM&Aのディールが一番だったかと思っています。
DeNA様という創業当時から憧れのITベンチャーだった会社と非常にひりつく大きなディールをさせていただき、人生の経験値として代替できない大きなものでした。
色々な観点でディール全体をしっかりと見渡しながらも、チーム全体で一つ一つ丁寧に進めていくのはとても大変なこともありましたが、自分を成長させてくれたいい機会でした。

その後、IRIAMはDeNA様の完全子会社として非常に順調に伸びていくことができ、本当に良いディールだったなと思っています。
DeNAの皆様、IRIAMの皆様、ご迷惑おかけすることもあったかと思いますが、ZIZAIに貴重な成長の機会をいただき、本当にありがとうございました。

ZIZAIのDMMヘのグループイン

22年3月にアミューズメント事業の一部をZIZAIに残し、それ以外の事業を新規設立したMEDIXに継承しました。
同時に、ZIZAIの全株式をDMM様に譲渡し、ZIZAIはDMMにグループインすることになりました。

DMM様、ZIZAIともに、アミューズメント業界ではトップのシェア、認知を有し、今までは競争相手という関係で市場を牽引してきました。
お互いの持っている強み・アセットが全く異なるからこそ、それらを共有することで非常に高いシナジーを出すことが出来ると確信し、意思決定をしました。

グループイン後、僕と大地はZIZAIの代表を退任させていただき、事業部長の白藤さんが代表取締役社長、副部長の中村さんが取締役副社長に就任しました。
お二人は事業のグロースのタイミングから参画してもらっており、非常に強いリーダーシップで事業と組織を牽引してきていただいてきました。

特に初回の緊急事態宣言において店舗の95%が1ヶ月間営業しないという業界で未だかつてなく、そして、今後もないであろう緊急事態にも関わらず、メンバーも事業も崩れずにうまく立ち直ったのはお二人がリーダーだったからです。

グループインから6ヶ月ほど経ちますが、PMIもほとんど終わっており、ZIZAIの事業が非常に順調に伸びており、IRIAM同様に非常にシナジーのある良いディールだったなと実感しています。
DMMの皆様、ZIZAI、MEDIXの皆様、あの厳しい状況のなかでご迷惑やご心配をおかけすることもあったかと思いますが、本当にありがとうございました。大変感謝しております。

2件の大きなディールを振り返って・・・
正直、M&Aは書い手も売り手も非常に大変なことが多いかと思います。
そんな時にも、僕にとっては大地と一緒にやれたからこそ、IRIAMもZIZAIもこんなにもうまく進めることができました。

また、ディールを支えてくれた管理部長鶴海さん、人事部長水田さん、そしてメンバーの皆さんにはとてもハードなやりとりをしていただきました。
非常にうまくやり取りが進んでいき、問題もほとんど起きず、信じられないことですね。心からいいチーム、いいメンバーに支えられていたなと感じています。
繰り返しになりますが、本当にありがとうございました。

退任について

退任に関して、自分が創業をして、共同代表を務めてきた会社だったので、非常に深く考えました。
自分の中で半年ほど何度もいったりきたりの議論をし、悩みに悩みました。

今になっても明確にこれだ!と言語化できるほど簡単なものではないですが、主な理由としては以下の通りです。
大学生で共同起業し、10年ほど事業や経営にフルで携わってきましたが
3年前に結婚をしたり、30歳手前にもなり、やはり価値観の変化はありました。
人生100年時代を前に、一度時間を作り、経営以外のことを考えたりインプットしたりなどの時間を過ごしたいと考えるようになったのが一番の理由です。

1年前の21年7月ごろ、最初に大地に相談をしました。
かなり自分勝手な理由だと自覚していますが、何回も話し合いを重ねて、理解してもらえました。本当にありがとう。心から感謝しています。

それから1年ほどかけてメンバーに少しづつ伝えていき、引き継ぎをさせていただき、現在に至ります。
現在も引き継ぎは行なっておりますが、うまく引き継いでいただけて頼もしいメンバーの皆には感謝しています。

多くの人に本当に支えられた10年でした!

これまでの起業家人生を大学生の時から振り返ってみて、ありきたりな言葉ですが本当に多くの人に支えられていたからこそ今までの自分があったなと痛感しています。

大地へ
かけがえの無い10年間をありがとう。
大地じゃなかったらこんなに濃密で刺激的で楽しい時間を過ごせなかったと心から思う。
色々と迷惑をかけてしまったこともあり、力不足もあったなと思ってます。
お互い成長できた10年間だったと心から思う。本当にありがとう。
そして、MEDIXをよろしくお願いします。
大地は日本を代表する起業家だと大学生の時からずっと思っています。
これからもよろしく。

マネージャーのみんなへ
白藤さん、龍平さん、水田さん、鶴海さん
経営経験がほとんどない自分を支えてくださり本当にありがとうございました。
一回りも人生経験の豊富な方々と一緒に仕事できて自分がどれだけ成長させてもらったかと本当に感謝をしています。
至らない点も多かった自分と一緒に仕事してくれて、本当にありがとうございました。
今後も色々と相談させてください&もし何かあれば連絡ください!
また、大地は非常に魅力的で優秀な起業家、経営者だと心から思っていますが、優秀で一直線だからこそ一部バランスがかけている面もあると思っています。MGR陣の皆様が暖かくサポートしていただけますと幸いです。

社員のみんなへ
スロパチステーション、ミライアカリ、IRIAM、新規事業とここまで短期間で事業拡大できた会社はほとんどないと思っています。
そして何より価値があるのは、それぞれのサービスが非常に多くのユーザーに愛されていて、社員のみんなも愛していること。
本当にいい組織、プロダクト、会社だったなと思います。僕もこの組織のみんなと、みんなと一緒に作ってきたものを心から愛してます。
突然の退任で驚かせてしまった人も多く申し訳ない気持ちですが、僕が退いた後もしっかりと事業と会社が回っていくのを感じていて、大変心強いです。
今まで、本当にありがとうございました。

ご指導いただいた顧問&経営者の皆様
ここまで来るのに、多くの大先輩や同年代の経営者の皆様に相談をさせてもらい、育てていただきました。僕らは未熟で若く、失敗も多かったですが、それ以上に成長することができました。
会社や事業や組織もとても素晴らしいものなりましたが、そうした成果と同じくらい、社外の皆様とのつながりは人生の宝だと改めて感じます。

今後について

休む時間をとりながら、今までできなかったこと(海外行ったりなどetc..)を少しずつやってみようかと思っています。
ここまでがむしゃらに走ってきて、圧倒的にインプットも足りていないので、インプットしてもっともっと成長しようと思います。

そして、今後の貴重な人生、何をしていこうかじっくり考えようと思います。
なんだかんだ、事業や経営が非常に面白いものであり、とても好きだし、それ以上に刺激的なものはないんじゃないかとすでに感じているのですが、今までできなかったことにまず時間を使ってみようと思います。

とても長い文章になってしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
皆様への心からの感謝をお伝えできていれば嬉しいです。
本当にありがとうございました。


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