ザ・バットマン

「とんび」見た日の夜の上映だったので3割増しで面白かった。

設定やヴィジュアル、なんだったら 演出面まで従来のバットマンと大きく違う点はないなと評価できる今作。ブルースは父親が死んでて、それを理由にバットマンになって警察のゴードンと組んでいる。この部分、ダークナイトで言うビギンズの部分がバッサリカットされているけど、物語を理解する上でさしたる問題ではないのかも。

リドラー

本作の悪者はリドラー、バットマンの長い歴史の中でさまざまなリドラーがいたものと思うが、本作のリドラーな中でも異質な描かれ方をしているのではないか。自分もDCコミックオタクではないので詳しい解説はできないがリドラーと言ったら緑の衣装でバットマンに謎解きを仕掛ける愉快犯であり。その特徴と本作のリドラーには相違する部分が多い、中でも私が気になったのは本作の彼がもつの思想犯的側面だ。自身の境遇から社会に恨みを持っていて、体制の腐敗を断罪するべく仲間を集めてテロを起こす。多くのDCコミックファンが持っているリドラーのイメージとは決定的に違うこの要素は、つまるところこの映画の持つ本質的なメッセージとも思えた。つまり現実の社会的、政治的問題があって、リドラーというアバターがそれらの問題を作品内に顕現させ、バットマンという幻想がそれらを解決する。「ジョーカー」を見ていた時も同じような感想を抱いた覚えがある。

個人的には〇〇マン的映画で社会風刺なんてされても気分が冷めるだけなんだが、社会的にはこういう表現が肯定されるので私も納得しておく。バットモービルがカッコよかったのでオールOKです。


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